特別支援教育の必要性 ~共に成長する~

 

特別支援教育の充実のためにも、 医療の専門家等との連携が求められています。

公立小・中学校で通級による指導を受けている発達障がいの児童生徒や、日常的にたんの吸引や経管栄養等の『医療的ケア』を必要とする児童生徒の数は、年々増加傾向にあります。

アンリーシュのWEBページでは医療的ケア児の 就園・就学特集を組んでいます。

発達障がいとは?

発達障がいは、生まれつき脳機能の発達が通常と異なっていたり、偏りがあったりすることが原因とされています。発達障がいの主な分類は次の3種類です。

① 自閉症スペクトル症(ASD)

・ 相互的な社会的コミュニケーションや対人関係の障がい。

・ 限定された反復的な行動や活動(こだわり)が見られる。

・ 感覚過敏/鈍磨を伴う

 

② 注意欠如・多動性障害(ADHD)

・ 不注意:忘れ物が多い。約束を忘れてしまう。すぐに他のものに興味を持つなど。

・ 多動性:落ち着きがない。ずっと喋っている(多弁)。授業中立ち歩いてしまうなど。

・ 衝動性:突然、物を投げたり人を叩いたりする。順番が待てない。道路に飛び出すなど。

 

③ 学習障害(LD)

・読字障がい:文字を正確に読むことができない。読めても意味を理解することができない。

・書字:文字を書くのに時間がかかる、雑に書く。句読点を場所がわからないなど。

・算数障がい:数の概念が理解できない。文章問題が苦手。計算が遅い、ひどく間違える。

 発達障がいがあると、周りの環境に左右されたり、対人関係がスムーズにいかなかったりすることが多く想定外の誤解やトラブルを招くことがあります。

発達障がいは見た目ではわかりにくいうえ、子ども自身が自分の特性を説明することができないことが多いため、発達障がいの特性が原因で起こる問題行動について「わがまま」だと受け取られてしまう場合があります。

しかし、発達障がいは発達の程度や環境条件などにより、その特性が出る頻度や強さも変化していきます。子どもの特性に合った支援や対処、環境整備により子どもの生きづらさが軽減され、心の安定にもつながります。

医療的ケアとは

医療的ケアとは 医師の指導のもと、保護者や看護師が 日常的・応急的に行なっている医療行為

具体的には、人工呼吸器管理、口腔内・鼻腔内・ 気管カニューレ内のたん吸引 胃ろうによる経管栄養、経鼻栄養等があります。

 

医療的ケアに関するYouTubeはこちら ↓

 

高度・複雑化した医療的ケアに対応できる 看護師等を配置し、教職員がチームで質の高い教育活動を提供していく必要があるとされています。

支援教育の必要性

2021年9月に医療的ケア児支援法が成立され、法律上で医療的ケア児の健やな成長を図ると共に、医療的ケア児を育てる家族の負担を軽減し、その家族の離職を防止することができるようなりました。教育の場にも医療的ケア児がお友だちと共に成長する機会も増えました。

 

医療的ケア児支援法

・地方公共団体の責務:国と連携し、自主的にかつ主体的に医療的ケア児および家族に対する支援にかかわる施策を 実施する責務を有する。

・教育体勢の拡充:医療的ケア児が在籍する学校に対する支援として、介護福祉士や、その他の痰吸引等をおこなえる者を学校に配置する。

発達障がい児や医療的ケア児が学校生活を送るための支援教育として、通級指導教室(通級)もあります。

通級とは、普段は通常学級にいて、週に何時間かある 指導の時間だけ通級指導教室に移動し 個別の困りごとや課題に合わせた支援・指導を 受けることができます。

支援教育は障がいのある幼児児童生徒の自立や社会参加に向けた主体的な取組みを支援し、一人ひとりの持っている力を高め、生活や学習の困難を改善または克服するために適切な指導及び必要な支援をおこないます。また、これまでの対象の障がいだけでなく、知的遅れのない発達障がいや医療的ケア児も含めて、特別な支援を必要とする幼児児童生徒が在籍する全ての学校において実施されています。

発達障がい児や医療的ケア児の教育のニーズ

発達障がい児や医療的ケア児が地域の学校に通い、地域の中で見守られながら成長させたい!と考えるご家族が増えてきています。地域の中で成長することでたくさんの人との関わりが生まれ、たくさんの経験や刺激を感じることにより、その子の持っている力を最大限に引き出してあげられると感じます。

 

学校は児童生徒が集い、人と人との触れ合い により人格の形成がなされる場であり、 学校における教育活動をおこなう上では 医療的ケアの有無にかかわらず、 児童生徒の安全の確保が保障されること が前提である。

(2019 文部科学省)

 

また近年、あらゆる人に利用しやすいユニバーサルデザイン(障がいの有無に関わらず、誰にでもわかりやすく利用しやすい)施設整備は教育の場でも求められてきています。

発達障がい児や医療的ケア児と共に成長していくことで、お互いが刺激し合いたくさんのことを感じ、支え合いながら共に大人になっていくことが当たり前の社会になることを願っています。

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