【福祉タクシー券とは?】対象や使い方のポイント、障害者手帳の割引について

こんにちは!ライターのあまねです。

我が家は車を持っておらず、夫婦共に運転ができません(免許は持っていますが、完全ペーパーです)

息子のだいちゃんは11ヶ月の時に退院して我が家に帰ってきました。時期は7月上旬、ほぼ真夏で暑かったため、病院への移動は全てタクシーでした。

2〜3週間に一度の通院。片道30分ですが、高速を使うのでなんと往復24,000円!!笑

衝撃的に泣きたいような金額ですが(このお金で飛行機に乗れてまうやんけ!!と毎回思ってました)

車を持つ選択肢は我が家にはないので泣く泣く払っていました。

我が家のようにタクシーを使わざるを得ない家庭もあるのでは、またちょっとでもお得に、そしてせっかくなら便利に使って欲しいと思いこちらの記事を書きました。

通院などでタクシーを使う方、ぜひご参考にしていただけると嬉しいです。

また今回は読者の方にもご協力いただき、体験談などもご紹介しています!

ライター情報

中野あまね。生まれつき心筋梗塞の息子だいちゃん(享年1歳7ヶ月)の母。息子の育児をする中で医療的ケア児家族の深刻な課題を知り、何か役に立てればとアンリーシュで活動中。息子は経鼻経管栄養と在宅酸素をしていました。

自分が運転できなかったらタクシーを活用しよう!

そもそも私はペーパードライバーな上に、息子は重度の心疾患のため、泣くと心臓に負担がかかったり、吐き戻しが多かったりで、息子を一人でチャイルドシートに座らせて私が運転するという方法は取れませんでした。

また通院の際には、酸素ボンベ3本と経鼻経管栄養の荷物を持たなければならず、べビーカーと荷物の積み下ろしなどを1人でするのも大変でした。また、1人で病院に付き添う不安もありました。

夫は仕事が忙しかったので、毎回の通院の度に夫に休んでもらうこともできませんでした。

なので我が家は夫ではなく、毎回ヘルパーさんに付き添ってもらいました。ただヘルパーさんは抱っこなどは手伝ってくれましたが、医療的ケアをするのはもちろん家族ですので、あくまで私(親)のサポートという役割です。

自分で運転できない&だいちゃんから目が離せない状況の我が家にとってタクシーはなくてはならない移動手段なのです。

読者の声ご紹介
  • リハや通院の時に家族の送迎を頼めない時はタクシーを使っています。
  • 自分が病気で車が運転できないので、雨の日の送迎に使います。
  • 子どもがNICUに半年入院していた時に、車を持っていなかったので面会に行くのに片道25分くらいの距離をタクシーで通っていました。

通院や面会、雨の日の送迎などによく利用されているようです。

福祉タクシーとは

福祉タクシーというのは、タクシーとして利用できる福祉車両です。

車椅子のまま乗れるリフト付車両やスロープ付きの車両など、身体障害者の外出時の移動をサポートするための福祉車両が使用されています。

タクシー運転手に介護職員初任者研修や介護福祉士の資格がない場合は、タクシーへの乗降介助などのサービスは行われません。

一般のタクシーと同じで、乗務員は乗客の身体に触れることはできないため、乗降時には家族や付き添いの方がサポートする必要があります。

また、高齢者は利用の対象に含まれません。
料金は市町村が一部負担する制度があるほかは、現金での精算となります。

あわせて読みたい↓

福祉タクシーと介護タクシーの違い

ちなみによく聞く介護タクシーというのもありますが、福祉タクシーとは異なるものです。

介護タクシーは、高齢者や身体が不自由の方、車いす利用者、寝たきりの方など、介護を必要とする方の移動手段として展開されているタクシーサービスです。 

車での移動支援の他にも、研修を受けた資格を持っている運転手が、買い物や着替え、食事、掃除などの生活援助や排泄・入浴時の介護を行うこともあります。 

行政から配布される福祉タクシー券を活用しよう!

タクシー料金を助成する福祉タクシー券を配布している自治体が多くあります。

勘違いしてはいけないのが、福利タクシー券とは、福利タクシーを利用できる券ではありません。

そのタクシー券を配布している自治体が認めているタクシー会社の、一般のタクシー料金が補助されるものです。(中には、福祉タクシーを手配できる会社を紹介しているところもあるようです)

福祉タクシー券の対象者、金額、交付方法もかなりバラバラです!まずは皆さんのお住まいの自治体のHPを見て、確認してみてくださいね。

ここでは、さまざまな自治体の例をご紹介しています。

福祉タクシー券の対象者の例

  • 下肢、体幹機能障害1~3級の方 
  • 視覚障害1・2級の方 
  • 内部機能障害1~3級の方 
  • 愛の手帳1・2度の方
  • 精神障害者手帳1級の方

複数の障害がある方は、個別の障害等級で上記に該当される方が対象となります。

読者の声
通院が必要な難病者(病気のために運転はできない)なのに、障害はないので福祉タクシー券は配布されません(涙)

福祉タクシー券の対象ではない例

  • ガソリン券(自動車燃料費の助成)の交付を受けている方
  • 施設入所、病院等に入院中の方 
  • 障害者本人(20歳未満は扶養義務者等)の所得額が所得制限限度額表の所得額を超える方
  • 福祉特別乗車券又は敬老特別乗車証の交付を受けていない方
  • 身体障害者手帳を65歳以上になってから交付された方

気になる交付額の例

自治体によって金額にけっこう差があります!

月3,000円〜5,000円、1年間3万円〜5万円など幅があります。

また一月あたりにもらえる金額は、500円券6枚と100円券5枚=月3,500円など、小さい金額の券を何枚も配布するパターンが多いようです。

このように月額3,500円と書いてあると、「一月に使える上限が3,500円か〜」と思ってしまいそうですが、あくまで目安で、一月あたりの使用限度額は特に決まっていない自治体が多いようです。

読者の声

失敗したのが、毎月4枚と決まってると思っていたところです。

4枚以上でも使えますと言われ、逆に余って返却しました。

私の住んでいる自治体では、1月あたり3,500円分×12ヶ月=42,000円分をまとめてくれて、どのように使ってもOKでした。極端な話ですが、1ヶ月で42,000円分のタクシー券を使うこともできました。

福祉タクシー券の交付方法の例

役所の窓口と郵送、両方で申請を受け付けているところが多いようです。

  • 障害者手帳
  • 印鑑

などを持参し、申請書に記入して申し込みができます。半年に一度や、1年に一度申請する期間があり、まとめて受け取ることができます。

対象タクシーの例

割引券が使えるタクシー会社は、自治体によって決まっているところが多いようです。乗車の際、タクシー券の利用についてご確認ください。

神奈川県の横浜市では、一般タクシー料金で乗ることができる、障害者や高齢者に配慮された「ユニバーサルデザイン(UD)タクシー」でも福祉タクシー利用券を利用できます。

同じ料金だったら、荷物が多くても乗れるワゴン車がいい、障害児用バギーと一緒に乗れるスロープ付きがいいなどご希望もあるかと思います。タクシー会社によって扱っている車種も違うと思うので、ぜひ事前に確認してみてください!

ワゴンタクシーが来てくれるとテンション上がる

読者の声

タクシー会社によってサービスに差がありました。ファミリーカー、レールのような物を一本だけ車にかけ、車椅子ごと力ずくで持ち上げた時も。片方のタイヤにしかレールがないので不安定でとても怖い思いをしました。決まった会社が見つかるまでは毎回ハラハラしていました。

車種、利用方法、運行範囲等については、自治体と契約しているタクシー会社の各事業者にお問合わせください。

家族であっても対象者以外の人は使ってはいけない

福祉タクシー券は、交付された障がい者本人が利用するための券です。介護者が同乗することは可能ですが、介護者が1人で福祉タクシー券を利用することはできません。不正受給を禁止するためにも、現金ではなくて福祉タクシー券という形がとられています。

利用者は、福祉タクシー券を不正に利用したり、他人に譲渡、売買することは禁じられています。もし不正使用すると、その後永久に申請できないなど処罰があるので、必ず不正使用はしないようにしましょう。

不正使用はいけません

読者の声
今は子どもの通院で福祉タクシーの制度が使えますが、入院中の面会では子どもが乗っていないので福祉タクシーの制度も使えません。こういうケースで使える支援制度があればと当時強く思いました。

ただ不正使用というわけではなく、子供の面会などにはタクシー券も使えてもいいのではないかと思いますね!!

障害者手帳で1割引き、便利なミライロID

身体障害者手帳を持っている人は、全国一律でタクシー料金の1割が割引されます。 手続きは身体障害者手帳をタクシ-乗車時に提示すればOKです。

負担はタクシー会社に

障害者手帳で割引される1割は、タクシー会社が負担することになっています。

タクシー会社の負担が大きくなりすぎないように、社会制度などでそちらをカバーするなどの動きが出てきたらと思います。

ミライロID

毎回障害者手帳を持ち歩かなくてはいけないと面倒ですよね。

もし障害者手帳を忘れても、ミライロIDのアプリを使えば、障害者手帳を持ち歩かなくて済みます。

ぜひ事前にダウンロードしておきましょう!

併せて読みたい↓

自治体によってはこんなサービスも

自家用車保有率の低い都市部と、自家用車が当たり前の地方とではタクシーの普及率も違うかもしれません。住んでいる地域差などもあり、移動支援に対する福祉サービスはさまざまです。

※自治体のサービスについては、自治体へお問い合わせいただきますようお願いします。

タクシー代半額で福祉車両の送迎

岡山県の岡山市では、単独で電車やバス等の交通機関の利用が困難な方のために、タクシーの半額程度の運賃で福祉車両で送迎するサービスがあります。利用するには、事前に各事業者に登録する必要があります。登録後は、予約して利用できます。

初乗り運賃の9割について、その一部または全部を給付

大阪府大阪市では、重度障害者を対象に、タクシー、リフト付きタクシーの初乗り運賃の9割について、その一部または全部を給付します。

世帯収入によって移動支援の金額が変わる

埼玉県さいたま市では、世帯収入や障害の重さに応じて移動支援の負担上限額が決まっており、通院等の介助サービスが提供されています。

現金で給付する自治体も

東京都の葛飾区は福祉タクシー券の制度をなくし、心身障害者福祉手当(外出支援分)として月額2,500円を現金で支給しています。

退院前にダウンロードのすすめ!タクシーアプリ

毎回タクシーを使う際にいちいち道路に出て探すのは大変です。アプリをダウンロードして予約しておけば、好きな時間に家の近くや病院の近くまで迎えに来てもらうことができます。

「タクシーアプリ」と検索して、ぜひダウンロードしておきましょう!

などなど、他にも色々とあるので、ぜひお好みのものを調べて見てくださいね!

この記事が参考になったら、以下のボタンよりシェアをお願いします