こんにちは!ライターのあまねです。
息子のだいちゃんは生まれつき心筋梗塞という珍しい先天性心疾患児です。生後10ヵ月の時、退院前に障害者手帳を取得しました。
障害者手帳を取得すると、交通費や公共料金、美術館など色々な割引がある!
・・・ということはなんとなく知っていましたが、何がどのくらいどうやって割引されるのかまでは知りませんでした。
例えば、息子と一緒に電車に乗る時、電車賃はSuica(交通系ICカード)で払います。なので、どうやって手帳の分を割引してもらうのかいつも疑問に思っていました。
今日は障害者手帳の中でも、電車・新幹線の交通費がどのくらい割引されるのか、またどのように割引されるのかまとめてご紹介したいと思います。
目次
電車や新幹線の障害者割引とは
身体障がい者および知的障がい者の方が、電車・新幹線を使う際に、一定の条件を満たせば割引になります。
障害者手帳の階級(1種か2種か)、また単独乗車か介助者かによって割引率や適用される範囲が異なります。条件を満たすと、運賃および普通急行料金が最大5割引になります。
⚠️1種=障害者手帳1級ではありません⚠️
例えば、心臓病であれば、身体障害者手帳1級〜4級、全てが1種に含まれます。
詳しくはこちらの第1種、2種 身体障害者・知的障害者をご覧ください。
電車や新幹線が割引になる手帳の種類
電車が新幹線が割引になる手帳は、
- 身体障害者の持つ身体障害者手帳
- 知的障害者の持つ療育手帳(東京都では愛の手帳という名前)
です。
障害者手帳にはもう一種類、精神障害者の「精神障害者保健福祉手帳」という手帳がありますが、2021年3月現在、JR・メトロ・ほとんどの私鉄で割引制度がありません。
併せて読みたい↓
電車の障害者割引の適用範囲
JRやメトロの場合
JRやメトロなど、大手の鉄道会社の割引率や適応範囲はだいたい同じです。
今回はメトロのホームページに載っている表を参考にご紹介します!
●区分第1種 単独乗車(障がい者手帳をお持ちの方が、ご本人1人で乗る場合)
乗車券 | 割引内容 | |
普通券 | 101キロ以上乗車するときに適用 | 大人用・小児用ともに5割引 |
普通回数券 | 適用なし | |
通勤・通学 定期券 |
適用なし | |
ICカード | 適用なし |
自分で車いすで移動する方などが1人で乗る場合は、101㎞以上の長距離移動でしか割引がありません。ちなみに東京⇔熱海で102㎞くらいです。
また、熱海から東京まで通勤する方もいるかもしれませんが、通勤定期券にはこの割引は適用されません。
え、1種なのに、全然使えないじゃん。。 びっくり!!という印象です。
1人で移動できる=自立している という考えなのだと思いますが、もう少し優遇があってもいいのではと感じました。
●区分第1種 介護者付き乗車(障がい者手帳をお持ちの方ご本人1人と付き添い者1人で乗る場合)
乗車券 | 割引内容 | |
普通券 | 障がい者ご本人・介護者ともに適用されます。(障がい者ご本人が乳幼児で乗車券が不要の場合も、介護者に割引が適用されます。) | 大人用・小児用ともに5割引 |
普通回数券 | 障がい者ご本人・介護者ともに適用されます。(障がい者ご本人が乳幼児で乗車券が不要の場合も、介護者に割引が適用されます。) | 大人用・小児用ともに5割引 |
通勤・通学 定期券 |
障がい者ご本人・介護者ともに適用されます。(障がい者ご本人が乳幼児で乗車券が不要の場合も、介護者に割引が適用されます。)
|
大人用のみ5割引 |
ICカード | 障がい者ご本人・介護者ともに適用されます。(障がい者ご本人が乳幼児で乗車券が不要の場合も、介護者に割引が適用されます。) | 大人用・小児用ともに5割引 |
介助者がいる=重症の障害者という考えなのか、かなり広範囲に割引が適用されます。
100㎞以下の移動でも、本人も介護者も割引(5割)が適用されます。更に、回数券・通勤や通学の定期券、ICカードを使う場合も全て割引。
この、「障害者手帳1種+介護者付き」 が一番割引の適応範囲が広いです。
●区分2種 単独乗車(障がい者手帳をお持ちの方、ご本人1人で乗る場合)
乗車券 | 割引内容 | |
普通券 | 101キロ以上乗車するときに適用 | 大人用・小児用ともに5割引 |
普通回数券 | 適用なし | |
通勤・通学 定期券 |
適用なし | |
ICカード | 適用なし |
2種の単独乗車は1種と同様、101㎞以上移動する時のみ割引が適応されます。
●区分2種 介護者付き (障がい者手帳をお持ちの方ご本人1人と付き添い者1人で乗る場合)
乗車券 | 割引内容 | |
普通券 |
適用なし |
|
普通回数券 | 適用なし | |
通勤・通学 定期券 |
障がい者ご本人が小児または乳幼児で、乗車券が不要の場合に限り、介護者に割引が適用されます。
|
大人用のみ5割引(障がい者手帳をお持ちの方ご本人1人と付き添い者1人で乗る場合) |
ICカード | 適用なし |
2種で介護者付きの場合、通勤・通学定期券のみ割引が適用されます。しかも割引が効くのは、障害者か介護者のどちらか1人のみです。
障害者本人が、乗車券がいらない子どもの場合は介護者に割引が適用され、障害者本人に乗車券が必要な場合は障害者に割引が適用となり、介護者は適応されません。
介護者付きでも、1種と2種だとかなり割引の適応範囲が異なります。
私鉄
基本はJR(やメトロ)に準じると記載しているところがほとんどです。
しかし中には割引率が3割だったり、そもそも割引がない沿線もあるので、ご自身が使う可能性がある路線の割引をチェックしておきましょう!
各鉄道会社のホームページをご覧くださいね。
支払い方法と、障害者手帳提示の仕方いろいろ
障害者手帳を使って割引を受けるには、電車賃の支払いをするタイミングで手帳の提示が必要です。
購入方法は鉄道会社によって異なりますので、自分が使う鉄道会社はどうなのか確認しましょう。もしホームページなどに載っていなければ、直接駅員さんに聞いてみてもいいですね。
ここでは、こんなパターンがあるよとご紹介します!
交通系ICカードで支払う場合⇒出る時に窓口で支払う
JRのホームページを見ると、
身体障害者手帳、療育手帳をお持ちのお客さまのSuicaのご利用について、次のような記載があります。
「障害者割引の適用条件を満たして、Suicaでご乗車いただく場合、JR東日本では、1円単位のIC運賃が適用となります。Suicaで自動改札機にタッチしてご入場いただき、出場駅の改札窓口にて障害者手帳をご提示ください。」
このように、交通系IC系カードを用いる場合には、出口で清算することが多いようです。
切符を購入する場合⇒入る時に窓口で支払う
東急東横線のホームぺージを見てみます。交通系ICカードを使うのではなく、切符を購入する場合は、事前に駅員さんのいる窓口へ行って、障害者手帳を提示して切符を購入するように案内しています。
小児の切符を購入する
JRお出かけネットには、「100キロメートルまでの普通乗車券に限り、本人と介護者の2人分を自動券売機で小児用乗車券をご購入(割引乗車券の代用)いただけます」と記載があります。
この際、「手帳」により使用資格などを確認するために、必ず入る時に係員のいる改札口を通って「手帳」をご呈示くださいとのことです。
西武鉄道のホームページでは「西武線のみを普通乗車券でご利用の場合、自動券売機で小児用普通乗車券をお買い求めのうえ、改札係員に手帳をご呈示ください」と記載してあります。
規模の小さい無人電車の駅でも、駅員が対応できないため自分で小児用を購入する場合もあるようです。
新幹線の割引と多目的室の利用のすすめ
乗車券のみ半額
新幹線の料金は、乗車券+特急券です。そのうちの乗車券のみが半額になります。
身体障害者割引、知的障害者割引の乗車券類は、駅の窓口で発売となるので、「手帳」を係員に出して購入します。
割引の対象は上記に書いてあるものと同じで、第1種か第2種、付き添いがいるかいないか、移動距離によって決まります。
新幹線の多目的室が便利!
新幹線には多目的室があります!
多目的室とは、新幹線についている個室です。身体の不自由な方や、歩行困難な方が優先して利用できます。
優先して使えるのは障害者の方ですが、もし利用する人がいなければ、お子さんの授乳や健常者の着替え、体調不良の場合などにも利用できます。
多目的室は原則すべての新幹線に設置されていて、ベッド兼用シートです。ベッドとして利用する場合は、大人一人が横になれる程度の広さがあります。
車両によっては、介護者用の椅子も用意されています。
多目的室は無料で利用できます。
多目的室を利用することで特別な料金はかからず、お持ちのきっぷが自由席、指定席、グリーン車にも関係なく追加料金なく利用できます。
東海道・山陽・九州新幹線では、障害者手帳があれば多目的室の予約ができます。事前に電話などで希望の日時を伝えましょう。その他の新幹線については、予約できないところもあるようなので、事前に問い合わせてみてください。
こちらは新幹線の多目的室を使って、旅行に行った動画です↓
手帳を取得しよう
障害や病気があっても、手帳がないと割引は適用されません。
小さい子どもは障害者手帳を取得するのに時間がかかります。それは、小さい子どもは容態や病気、障害の状態、診断名も変化する可能性が高いからです。(手帳の取得は、継続的にその状態が続くことが前提とされています)
医師の判断になりますが、医師が手帳取得のために診断書を書くまでも時間がかかり、また申請してから取得までも数ヶ月かかるという話はよく聞きます。
我が家の場合は、病院の医療ソーシャルワーカーさんが障害者手帳があった方が支援を受けやすいからと、息子の主治医に掛け合ってくれました。
自分から「手帳を取得したいです」と申し出てみるのもいいかもしれません。
コピーは不可!必ず持ち歩かなくてはいけない障害者手帳
こんな感じで交通費は割引が適用されます。が!!!
どこに行くにも障がい者手帳が必須!そして全部いちいち窓口に寄って支払い手続きするのは正直とてもめんどくさい・・・
急いでいる時は特に数百円の割引くらいならもういいやと、そのまま交通系ICカードで通過してしまう場合もあります。
障害者専用のICカードが販売されたらいいのにと思います!子供用のICカードと同じように、最初から勝手に半額になるように設定してほしいです。
また毎回出かける度に大事な障害者手帳をいつも持ち歩かなくてはいけないのも不安です。
なくしたらいけないのでコピーで代用できたらいいのにと思いますが、コピーは利用できませんと注意書きしてあるところがほとんどです。そこもどうにかして欲しい~
障害者手帳の割引の適用範囲はきっと何十年も変わってないのではないでしょうか。
ですが、障害者手帳を持つ方も年々増えていくと思うので、いずれ内容も改善されていくのではと期待したいです。
割引の適用範囲を広くするのが難しければ、せめてもっと使いやすくなって欲しいと願います!
朗報!障害者手帳がアプリになった『ミライロID』が鉄道会社123社で使用可能に
そんな中、障害者手帳の情報をアプリに取り込むことで、窓口での確認がスマホひとつで手軽にできる「ミライロID」(運営:株式会社ミライロ)が鉄道会社123社で使えることになったニュースが入りました!
自分だけでなく、子供の障害者手帳の情報を取り込むことも可能だそうです。
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今日は障害者手帳で割引になる電車・新幹線の使い方について解説しました!
ご参考になったら嬉しいです。
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