【訪問診療って何をするの?】訪問診療の現場に同席させてもらいました!

こちらの記事は、

医療法人財団はるたか会の協力と監修

のもと、取材をさせて頂きました。

こんにちは、アンリーシュのなおこです。

今日は、「訪問診療」を利用しているお家に行かせて頂き、実際の訪問診療の様子をお伝えします。

✅わが子が初めて退院し、これから訪問診療を利用する

✅訪問診療に入ってもらいたいけど、どうすればいいかよくわからない

✅そもそも訪問診療って何?

という方に向け、実際にお家でどんなことをしてくれるのか、どうしたら利用できるのかなどを書いていきたいと思います!

訪問診療とは?

行かせて頂いたのは、同じアンリーシュメンバーで、だいちゃんのお母さんのあまねさんの家。

心臓に重い疾患のあるだいちゃんは、人工呼吸器(在宅酸素)を使う医療的ケア児です。

お鼻からチューブを通しミルクやお薬を注入する経鼻経管栄養、さらにサチュレーションモニターも利用しているだいちゃん。

そんなだいちゃんの訪問診療を担当しているのが、「子ども在宅クリニック あおぞら診療所墨田」の大隅朋生医師です。

大隅先生。右手に聴診器、左手におもちゃ、さすがです

「子ども在宅クリニック あおぞら診療所墨田」は、日本で数少ない小児を主に対象とした訪問診療所です。

あおぞら診療所は他にも世田谷、松戸、仙台、静岡などにも事業所があり、理事長の前田浩利先生は、アンリーシュの顧問も務めて下さっています。

そもそも、訪問診療とは

訪問診療とは、「訪問診療所」から医師がお家に来てくれて、診療してくれることです。

医療的ケア児は難病や重度の障がいがある子も多く、大きな病院に通っている子がほどんどですよね。

  • 「でも、病院が遠くて、通院が大変…」
  • 「子どもの体調が安定しなくて、なかなか定期的に通院できません」

そういった悩みがある場合は、訪問診療の出番かもしれません。

病児や医療的ケア児のお家での生活を、より楽に、便利にしてくれるのが訪問診療なのです。

訪問診療って、どんなことをしてくれるの?

では、実際に訪問診療ではどんなことをしてくれるのでしょうか?

まずはだいちゃんの全身の様子をチェックする大隅先生。

お腹の具合をチェック。だいちゃんは基本カメラ目線(お写真大好き)

大隅先生

だいぶむくみが取れたね〜。ミルクはどれぐらい飲んでいますか?おしっこはどれぐらい出ています?

前回の訪問から今日までの様子を丁寧に聞いていく先生。

状態などをカルテに記入しながら、ママと今後の治療方針を相談しています。

ママと話をしながら、内容を記入しています

大隅先生

お薬はまだありそうなので、来週出しましょうか。

お薬も処方してくれるんですね!

あおぞら診療所墨田では、基本的に医師と医療事務さんの2人で訪問していて、処方箋は医療事務さんが持参したプリンターで印刷して渡してくれるそうです。

これは診療所によって違い、訪問は医師と看護師が一緒に来たり、医師単独だったりすることもあるそうですよ。

医療事務さん。カバンに事務グッズが詰まっています。プリンターまで持っているとは…

ここで私の素朴な疑問です。

訪問診療って、大体どのくらいのペースでお家に来てくれるのでしょうか?

大隅先生

ここ(だいちゃんの家)には週1回来ています。あおぞら診療所墨田では、お子さんの状態によって訪問の頻度は違っていて、基本的には2週間に1回訪問に伺うお家が多いですね。

なるほど。急患の時もあるのでしょうか?

大隅先生

もちろんあります。あおぞら診療所墨田では、24時間の電話連絡に対応しています。

なんと!それは、家族は本当に心強いですね!

訪問診療でできること、できないこと

一方で、訪問診療にはできないこともたくさんある、と大隅先生は話して下さいました。

大隅先生

退院してお家に帰れることは素晴らしいですが、訪問診療ではできないことも多くあります。

レントゲンなど機械を使った検査などはできないですし、入院していないとできない治療もあるでしょう。

病院には病院の良さがあり、訪問診療には訪問診療の良さがあります。どちらかが優っているというものではありません。

確かに、医療的ケア児は、入院と退院を繰り返す子も多くいます。

「これができるから訪問診療がいい」というものではなく、自分の望む状態に合わせて病院と訪問診療を選べる

それが一番大切なのですね。

訪問診療はどうやって利用するの?

ここまで記事を読んでくれた方の中には、

今まで訪問診療を利用したことがないけど、使ってみたいな…どうしたらいいんだろう?

と思う方もいらっしゃると思います。

訪問診療をすでに利用している方のほとんどは、

  • お子さんの退院時に病院で紹介された
  • 訪問看護師さんに勧められて利用し始めた

という場合が多いようです。

もし今、訪問診療を使っていなくて、これから使ってみたいなと思ったなら、まずはサポートしてくれる周りの人に相談してみましょう。

相談支援専門員

✅病院のソーシャルワーカー

✅訪問看護師

✅主治医

などなど、色々な人に聞いてみるのが良いと思います。

訪問診療は、病院(主治医)と連携して診療を行うのが基本です。

もちろん訪問診療を行う事業所に直接相談しても大丈夫です!その際も、まずはかかっている病院と訪問診療所で調整があるでしょう。

訪問診療の課題

訪問診療を利用するには、課題もあります。

まだまだ、小児を診てくれる訪問診療所が少ないのです。

また、病院によっても、訪問診療を勧める病院とそうではない病院もあります。

大隅先生

大切なのは、「選択肢がある」ことです。

お家に帰りたかったら帰れる。入院した方が安心なら入院できる。それを、患者や家族が選べる環境であること。

その選択肢の一つとして「訪問診療」というものがあるということを、もっと知って欲しいと思っています。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

病院にも色々な病院があるように、全ての訪問診療所がこの記事と同じではありませんが、まずは「訪問診療ってこんな感じ」とイメージを持ってもらえたらと思います!

また、訪問診療をまだ利用してなくて、利用してみたいなと思った方は、ソーシャルワーカーさんや訪問看護師さんなどに聞いてみて下さいね。

今回は、子ども在宅クリニックあおぞら診療所墨田と、医師である大隅先生にご協力頂きました。

ありがとうございました!

先生が見てくれていても、相変わらずカメラが気になるだいちゃん。

おまけ…歌のお時間

最後に、少しだけおまけです。

一通りだいちゃんの診察が終わると、大隅先生がおもむろにウクレレを取り出しました。

え、ウクレレ…?

なんと、「お子さんに楽しんでもらいたい」という思いで、訪問先でウクレレを弾いているそう!すごい!素敵!びっくり!

みんなで歌いましたよ!

もちろん全ての医師がウクレレを弾くわけではありません!(笑)
ですが、こういった時間に助けられている家族はとても多いだろうなぁと思いました。

病院とはまた違った形で、患者や家族に寄り添ってくれる訪問診療。

病児や医療的ケア児と家族にとって、暮らしやすくなるための選択肢の一つになればいいなと思いました!

こちらの記事は、

医療法人財団はるたか会の協力と監修

のもと、取材をさせて頂きました。

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