医療的ケア児の福祉サービス
【前編】在宅で利用できる様々な支援

はじめまして。医療的ケア児コーディネーターの増子です。

これまで東京都多摩地区の障がい児相談支援や、クリニックの児童発達支援事業所で、福祉相談を担当しておりました。

現在は、認定NPO法人フローレンスの医療的ケアシッターナンシーで働きながら、子ども達が笑顔で、親御さんたちが楽しく元気に子育てができる社会を目指し、日々取り組んでおります。

今回の記事では、【福祉サービスを活用していこう】をテーマに、退院し自宅療養に移行する際の、コーディネートのアイディアをご紹介します。

【東京都】認定NPO法人フローレンス 日本初の医療的ケア児専門シッターサービス「ナンシー」を開始

2019年9月6日

退院して在宅に移行するまでの流れ

お子さんの入院治療や体調が落ち着いてきたら、お家での生活についての話が出てきます。

退院と在宅移行は、お子さんと一緒にお家で過ごすことができる喜びの反面、今まで病院で行ってきたケアを家ですることに対する不安があると思います。

まずは、在宅に移行するまでの具体的な流れをご紹介します。

 

病棟の看護師さんと一緒に、抱っこやお風呂、チューブやテープの使い方などを練習します。また、安全な移乗の方法をスタッフさんと一緒に確認するなど、退院後のケアについても考えていきます。

院内外泊や試験外泊をし、徐々に退院に向けて準備が進んだら、病院の医療相談員に、退院後の訪問看護の手配、福祉制度の案内等を相談してみてもよいでしょう。

在宅移行後も、地域には、訪問看護師さんや相談支援員、ヘルパーさんなど、ご家族と一緒にお子さんを育ててくれるサービスがいくつもあります。

彼らは、退院後のとても心強い仲間になります。

地域の支援サービスを知ろう

次に、地域の具体的な支援サービスについて解説していきます。

医療支援

お家での生活が始まった後も、お子さんの体調は主治医の先生に診てもらえます。

また、訪問医(在宅支援診療所)に訪問してもらうこともできます。訪問医には、体調相談や薬剤処方、家族診療、予防接種やカニューレ、胃ろう交換といった医療行為から、ホームケアの提案や訪問看護の指示書作成等、様々なことを相談できます。

保育園

保育の選択肢も増えてきています。

お家に保育士が訪問し、マンツーマンの保育をしてくれる居宅訪問型保育や、看護師がいる児童発達支援事業所もあります。

健常児も障がい児も一緒に過ごす保育園である、インクルーシブ保育園も少しずつ広がりをみせています。

福祉制度

福祉制度には、病状や障がいの度合いによって、いくつかの制度があります。

入院等の医療費助成のある小児慢性医療券や、税の免除や福祉サービスが使える障がい者手帳、お風呂道具やベッド等の日常生活用具やバギーや車いす作成等の補装具制度などです。

また、医療的ケア児協議会を設置する自治体も増えており、災害時の対策や必要な制度について検討されています。

訪問看護と介護

東京都では重度心身障害児と医療的ケア児は、東京都訪問看護事業(通称東部訪問看護)や、西部訪問看護を一定期間(半年~1年程度)利用できます。

また地域の医療保険の訪問看護ステーションで、日々の体調管理や医療的ケア、入浴介助等の支援の他に、月2回程度在宅レスパイトという見守り看護も利用することができます。

居宅訪問型児童発達支援では、外出が困難なお子さんや通所先がない地域のお子さんを対象に、週2回程度看護師や保育士が訪問をして遊びや余暇、療育支援等をしてくれます。

ヘルパーサービスはお風呂介助や通院同行、余暇活動の移動支援等に利用できます。

相談支援

保健所や区役所の保健師さんは、地域の医療機関や訪問看護ステーション等の調整をしてくれます。

障がい児相談支援員は、児童発達支援のサービス等利用計画の作成や、ヘルパーさんの利用を調整してくれます。

ケアスケジュールをつくってみよう

お子さんを、ご家族と何人もの支援者で育てていくためにも、24時間、1週間のケアスケジュール表を作ってみましょう。

子どもは寝返りがあったり、また呼吸器の管理などもあり、24時間目が離せない時もあります。

また、経管栄養などがあり生後幼い場合は、注入の回数も頻繁だったりします。主治医と相談のうえ、注入時間のアレンジができるとよいですね。

日々の医療的ケアは朝早くから夜遅くまであり、24時間体制となりますので、お父さんやお母さんの1日の予定や、お仕事の休み等もスケジュールに書き込んでいきましょう。

お子さんの医療的ケアが、おばあちゃん等の育児協力者やヘルパーさん達などの身近な人にも関わってもらえるようになると、ご家族も長い時間、自由な活動がしやすくなります。

家庭の経済を担うお父さんの負担も考慮が必要ですが、ご家族のみなさんの睡眠時間が確保できるように、朝のおむつ替えや注入などはパパが行えると夫婦がより円満になってよいのかなと感じております。

相談員さんに相談しよう

医療的ケア児を育てる上で、病院や在宅、それぞれの場所に、医療的ケアや家族の生活をコーディネートしてくれる相談員さんが必ずいます。

体調は主治医。退院調整は医療相談員と病棟看護師さん。

在宅中のホームケアは訪問看護さん。発達や育児相談は保健師さん。福祉制度は相談支援員さんに相談していくのがよいでしょう。

気が付いたことは、なんでもご相談くださいね。

【後編】の記事はこちら

【訪問インタビュー】金澤代表のおうちにいってみた。

2019年7月11日


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医療的ケア児や難病というのは、人数が少なくそもそも知らない人が多いです。なので、一人でも多くの人に知ってもらう事が大切だと思っています。

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