この記事は、「アンリーシュ作文コンテスト2020」クラウドファンディングのリターン【医療的ケア児家族を支える!体験談記事スポンサー】 の提供記事です。
福間 嵩伊智 様にご支援をいただき、完成いたしました。 貴重なご支援を賜り、ありがとうございました。
こんにちは。
出産時のトラブルにより低酸素性虚血性脳症、ウエスト症候群、慢性呼吸不全等の疾患がある杏ちゃんと、優しい兄、パワフルな妹の3児の母、makiです。
杏ちゃんは重度の脳性麻痺があり眠りっ子です。
今日は私が導入しているケア管理ボードと、とある1日の、杏ちゃんの医療的ケアのスケジュールをご紹介します。
お名前:杏ちゃん
年齢:3歳
病名:脳性麻痺、低酸素性虚血性脳症、ウエスト症候群、慢性呼吸不全等
現在必要な医療的ケア:24時間人工呼吸器管理、経鼻経管栄養、気管切開、たんの吸引(気管内吸引、口腔内吸引)
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目次
「誰が見てもケアできるように」ケア管理ボード取り入れのススメ
我が家では杏ちゃんのケア管理ボードを導入しています。
ボードを取り入れる前〜直後は旦那も訪看さんも、私に確認の為によく聞いてきていましたが、今ではボードを見て確認しながらやってくれているので私の自由時間もちゃんと確保され、ケア忘れもありません。
受診日や往診日、ショートステイの日程は、訪看さんに伝えておいても「いつでした?」ってよく聞かれるので、看護師さんはいつもここを見てチェックしてくれています。
また、書かなくてもやれるもの、母しかしないものはボードには書いてません。
諸々の交換日もボードに書いておくと交換忘れを防げます。
交換したのをすぐ忘れちゃうので、なるべくその日の内に書き直すようにしています。
ホワイトボード、マーカーは100均で購入しました。
表の線とか毎回消さなくて良いものは油性ペンで書いて、日々変わるものはホワイトボードマーカーで書いています。
(子どもが触ったりちょっと手が当たったりして字が擦れたり消えたりしたので、油性ペンの併用はオススメです。)
医療的ケア児の1日
それでは1日の杏ちゃんのケアスケジュールを詳しく解説します。
7:00
- 注入 ミルク5杯+ソリタ½包+とろみ剤 合計250mlを、栄養ポンプを使用し、1時間半かけて注入
- 薬の内服
- 目のケア ラップをはがす → 清浄綿で目の周りの拭き取り → 市販の人工涙液型点眼剤(ソフトサンティア)2〜3滴で汚れを洗い流す → 綿棒で眼視等汚れを取る → 眼軟膏を塗る → ラップで目を保護
- 口腔ケア 360°毛のついた“ぽぽたん歯ブラシ”で歯を磨く → 口腔ケアシートで口腔内を拭き取り → 口腔ケアスポンジに口腔保湿ジェルを付けて口腔内マッサージ → 唇は乾燥しやすいのでワセリンを塗る
(参考商品)
10:00
- 吸入 呼吸器回路に付けて使用するネブライザーを使い、たんを柔らかくする薬を吸入する。(2種類の薬を使用)
アンリーシュ公式YouTubeチャンネル 「ネブライザーの様子」
- カフアシストで排痰 排痰補助装置 コンフォートカフでまずは胸部にパーカッションラップを巻き、振動させて分泌物を移動させる → カニューレにコネクターを装着し、カフアシストにて咳と同様の作用を生み出すことで排痰を促す(基本は1日3回ラップ後に吸引、カフアシスト中にも排痰があれば都度吸引する)
アンリーシュ公式YouTubeチャンネル 「カフアシストの様子」
12:00
- 注入 ミルク5杯+ソリタ½包+とろみ剤 合計250ml
15:00
- 浣腸
- 入浴(体調により清拭・陰洗)
- カニューレバンド交換
- 吸入
- カフアシストで排痰
- 目のケア
- 口腔ケア
これらのケアは、平日は訪看さんに来てもらい行っています。
17:00
- 注入 ミルク5杯+ソリタ½包+とろみ剤 合計250ml
- 薬の内服
21:00
- カフアシストで排痰
- 目のケア
- 口腔ケア
22:00
- 注入 ミルク5杯+ソリタ½包+とろみ剤 合計250ml
そのほか、適時行うもの
◎オムツ交換…1日に6〜8回
◎体位交換…ケアのタイミングで3〜4時間に1回 + 杏ちゃんがしんどくなった時
◎吸引…適宜(気管・口腔内・鼻)
◎検温…朝昼晩 + 気になった時(冬場は低体温になるので回数多め)
◎呼吸器回路の水払い
また、上記以外にも薬や物品の管理や補充、注入ボトルなど諸々の洗浄、吸引器の洗浄などなど…地味にやる事が多々あります。
ケアは父・母・訪問看護師で分担
杏ちゃんのこれらのケアは、母・父・訪問看護師さんで行っています。
訪看さんは平日毎日約2時間来てもらっているので、上記の15:00〜のケアを全てしてもらいます。
父は平日の21:00〜午前1:00までを担当!
父が見てくれている間、母はきょうだい児の寝かしつけ・母の仮眠の時間に充てています。
その他のケアは基本的には母がしています。
休日は訪問看護はお休みなので、日中は全てのケアを母がしていて、父が仕事休みの時は声を掛けながら分担しています。
また、ショートステイは1〜2ヶ月に1度、約1週間利用しています。
ショートステイ中は普段できない外出や、きょうだい児との時間を多く持つようにしています。
在宅生活を始める当初はとても不安だった
在宅生活を始めるにあたって、まずお家で医療的ケアの必要な杏ちゃんとどう生活していくのか、全くイメージが掴めませんでした。
どんな物品が必要で、どんな配置にして、何に気をつけて、どんな流れで生活するのか。
当時まだ2歳の兄がいた為、きょうだい児がいる中での在宅生活にも不安でした。
インターネットでひたすら検索する毎日。
数名の医療的ケア児さんのブログ等を読み漁ったりしましたが、それでもなかなかイメージが掴めませんでした。
当時の主治医に相談して、医療的ケア児さんのママを紹介して頂き、実際にお家に遊びに行かせて頂いて在宅生活の様子を見せて頂いたり、写真を見せて頂いたりしてとても参考になりました。
また、そこで在宅支援プログラムというものがあると教えてもらったので、その後約3ヶ月間、在宅支援プログラムを受けました。
プログラム中で外出・外泊を繰り返していく内に段々とお家での生活が見えてきたと思います。
同じプログラムを受けた先輩ママさんにも話を聞かせてもらったので、インターネットでは分からなかった在宅での様子が実際に話を聞く事でイメージしやすかったです。
今は杏ちゃんの子育ての一部に医療的ケアがあるという感覚
外出・外泊をする中で、1日の生活の流れを病院の看護師さんや訪看さんと話し合い、スケジュールを決めました。
在宅生活が始まってからはケアの内容も変わっていますが、少しずつ自分のやり易いように変えています。
やりにくい所は、主治医・訪看さんと話し合って改善してきました。
ケアの時間は決めていますが、きょうだいもいますので、毎日時間通りにはいきません。
時間に追われてしまうと私自身も疲れてしまうし、介護というよりは杏ちゃんの子育ての一部に医療的ケアがあるという感覚なので、このスケジュールはあくまで目安として使っています。
母1人でケアを背負うのではなく、誰が見てもケアができるように…との思いも込めて、このスケジュール表はとても役に立っていると思います。
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