こちらの記事は、体験談をもとに作成後、看護師の監修が入っています。
みなさんは、「訪問看護」を知っていますか?
医療的ケア児の在宅生活は、訪問看護に支えられていると言っても過言ではありません!
✅これから退院で、訪問看護について教えてもらったけど、イメージがつかめない
✅訪問看護さんにはどんなことをお願いしたらいいの?
✅他のお家はどうなのかな?
などなどの疑問を持つママに向けて……
今日は、訪問看護師さんがおうちで何をしてくれるのか、具体的にお伝えします。
目次
訪問看護とは?
訪問看護とは、
『病気や障害を持つ人が、住み慣れた地域でその人らしく生活できるように、医師の指示書のもと看護師がお家を訪問し、看護ケアを提供し生活をサポートする』
制度です。
うちは週5日、90分看護師さんに訪問してもらっています。
訪問看護師さんにお願いしていること
食事介助と投薬
訪問時間までに朝ごはんを食べられなかった、または食べている途中だった場合、看護師さんに食事介助を代わってもらっています。
娘は母の私が介助すると遊び食べをする傾向があります。看護師さんだと多少マシになって量を食べてくれます。
経管からの薬の注入もお願いしています。自分でもできることなのですが、時々チューブに薬を詰まらせることがあります。
手技に自信がないとき、頼りになるのが訪問看護師さんなのです!もちろん詰まらせないコツも教えてくれました。
お風呂とスキンケア
娘はお風呂が大好きで、暴れたり泣いたりせずニコニコ入ります。
楽しそうに入れてくれる看護師さんが多いです。夜の忙しい時間に娘のお世話を一つ減らせるので、とてもありがたいです。
お風呂から出た後は保湿です。
全身を観察してもらい、カサカサ(湿疹)があるところに軟膏を塗ってもらいます。テープかぶれやオムツかぶれも的確にケアしてもらえます。
サージカルテープも看護師さんのほうが的確に貼ってくれます。娘に合った貼り方を一緒に考えてくれたり、空き時間を利用して絵付きのテープも作ってくれました。
経管栄養注入と見守り
1日5回ある栄養注入のうち、1回をやってもらいます。
注入ポンプを利用して1時間かけて行うので、時間の許す限り見守りもしてもらいます。
注入中はチューブを引っ張って鼻から抜こうとしたり、あちこち移動しようとするので、注入の間が本当に大変です。
看護師さんがいる時間はおとなしくテレビを見たり、絵本やぬいぐるみで遊んでもらったりしています。
娘が読んでもらっているお気に入りの絵本。
経鼻胃管のカテーテルは週に1度交換する必要があります。訪問の時間内に、私(母)が主体となって交換します。
看護師さんは上手に入れば褒めてくれるし、うまくいかないときは代わりに入れてくれたこともあります。
訪問中はお子様にとってもご家族にとってもリラックスした時間になるように心がけています。
特に乳幼児期は「遊び」の時間が大切です。ケアの時間に手遊びやお歌を取り入れています♪
訪問看護師さんが来ている間ママは何をしているの?
家事や買い物
訪問看護師さんが来ている間は、家事をしたり少し横になったりと、家の中でも子どもと離れて自由な時間を過ごすことができます。
また、買い物などの外出もできます。
娘を連れてスーパーに行くのは難しいし、感染症にかかる恐れがあるので、この時間に買い物に行けることで生活が成り立っています。
きょうだい児や自分のための時間に使う
午前中に訪問をお願いし、きょうだいの幼稚園行事に行くこともあります。
どうしても医療的ケア児のほうに手がかかりがちなので、きょうだいのための時間を作るのに訪問看護を利用している面もあります。長期休みの時は、訪問の間におにいちゃんと遊ぶだけなんて日もあります。
他にも、自分の好きなところに出かけたり、美容室に行ったり、お友達を呼んでお茶したり。
24時間娘のお世話をする中で、訪看さんに預けている間少しでも自分の時間を持ち、リフレッシュするのはとても大事です。
子どもの体調や医療的ケアについて相談
他にも、娘の体調の変化を相談したり、雑談に付き合ってくれたり、私自身もたくさん助けてもらっています。
特に退院してすぐの頃は病院での医療行為を自宅で行うことに戸惑いが多く、「この方法はあってるのかな?」と迷うことがたくさんありました。
そんな時、家の様子を知っている看護師さんに、
「病院の備品の代わりにこれを使ったらいいよ」
「コンセントがここにあるから機器はこの辺に置いたらどうかな?」
などたくさんアドバイスをもらい、本当に助かりました。
訪問看護を利用してよかったなと思うこと
訪問看護の時間が来たら眠れる!
24時間お家でお世話をしていると、寝不足になることも…
でも、看護師さんが子どもを見てくれている間、ママは寝ることができます。そんなことしていいの?って思うかもしれないけど、私たち親子だけのために来てくれているから大丈夫です。
育児に協力してもらえて、孤独が和らぐ
訪問看護師さんにはお子さんがいる方も多いので、育児やお世話の話が楽しくできます。
特に子どもの年齢が近い訪看さんとは、もはやママ友と話している気分です。娘と引きこもっているとなかなかママ友も作れないので、孤独な育児がちょっぴり和らぎます。
訪問リハビリを利用できます
契約している訪問看護ステーションに理学療法士(PT)さんがいれば、訪問リハビリを利用できます。
退院した時首すわりだけだった娘は、8カ月後にはつかまり立ちができるようになりました。まだ療育機関に通える段階ではなかったので、訪問でリハビリを受けられたのはとてもよかったです。
24時間対応してくれます
何かあればいつでも電話で相談して、必要なら訪問もしてくれます。夜間や休日も当番の看護師さんの携帯につながります。
私がよくお願いするのは、経鼻栄養のチューブを抜いてしまった時。
1人では入れられないので手伝ってもらうようお願いします。ちょっとしたことですごく申し訳ないのですが、皆さん「いいんですよー」と来てくれます。
※24時間訪問看護のところに限ります
まとめ
いかがでしたでしょうか。訪問看護の制度を教えてもらったけど、どう利用すればいいのか分からない人に、具体的なイメージができれば幸いです。
家に他人を入れるのに抵抗がある人っていますよね。掃除してないしって。でも大丈夫!私訪看さんが来てから掃除してるから!!写真見たら背景ゴチャゴチャしてるでしょう?
もちろん化粧も最低限のりいでした。それではまたー!
山本みどり
大学病院小児科、保育園、小児訪問看護ステーションでの勤務経験あり。
自サイト「Kids care(キッズケア)」にて、子どものケアについて発信中。