「医療的ケア児家族の選択肢を増やす」安田愛美さんの看護師によるベビーシッターサービス事業の挑戦

「子供を預けて働こう」「ちょっと自分の時間を確保しよう」子育てをしていると、当たり前に出てくる希望が、医療的ケアがあると叶えることが難しくなってしまう時があります。

つい先日アンリーシュのLINE@にも、経管栄養が理由に保育園が見つからず、親の復職は絶望的です….といったメッセージを頂きました。

一方で、そんな環境を変えようと医ケア児家族のお預かりサポートがスタートしています。

今回は、今年スタートした小児科看護師が行うベビー・キッズシッターサービス Medi Kids 代表  安田愛美さんにお話を聞いてみました!

Medi Kidsとは

安田さんのプロフィール

平成20年看護師免許取得
東京厚生年金病院、慈恵医科大学附属病院で成人病棟・精神科病棟・小児科病棟勤務後、
病児保育の経験を経て2018年メディキッズ設立
2019年小児に特化した訪問看護ステーション開設

Medi Kidsは今年2月からスタートした小児科看護師が行うキッズ・ベビーシッターサービスです。

小児科勤務経験のある看護師が対応するので、医療的ケアがあっても利用することが可能です

医療的ケア児のお預かりは、特に人工呼吸器などの医療依存の高い場合、断られてしまう場合がとても多いです。

そんな中、どんな医療的ケアにも対応してくれるお預かりサービスは本当に心強く感じます。

また、ただ医療ケアを行うだけでなく保育やリハビリにも力を入れており、発達に応じた遊びや関節拘縮予防の運動・マッサージも行ってくれるそう。

訪問看護サービスとの違い

裕香
医療的ケアを対象にしたベビー・キッズ シッターというのは私も聞いたことがなく、おそらく日本初なのではと思います。

訪問看護ステーションではなくて、シッターサービスにしたのはどういった理由があるのでしょうか?

安田さん
医療的ケア児のご家族の選択肢を増やしたいという想いがあったからです。

訪問看護はすでに仕組み化されているサービスで、そういった部分はもっと得意な人にお任せしていきたい。

自分にしかできない事で、ご家族にとって新しい選択肢になるような事をやりたいと強く思っていました。

裕香
なるほど。ただ医ケア児の家族のためにというだけでなく、「新しい選択肢」という強い拘りがあったんですね。

新しい選択肢という事で、サービスがイメージしずらい人も多いのではと思うのですが、通常の訪問看護ステーションとの違いはどこにあるのでしょうか?

安田さん
訪問看護との一番の違いは自由度です。訪問看護は保険適応であるため、一定の金額で利用できる一方で、自宅にしか伺えなかったり、訪問時間の制約が出てきてしまいます。

Medi Kidsでは、指定の場所でお預かりするだけでなく、送迎・宿泊・病院受診の付き添いまで、ご家族の要望に幅広く対応させていただきます。もちろん訪問時間もご家族の方の希望に合わせて調節します。

また、医療行為を安全に行うことに加え、発達に合わせた保育やリハビリにも力を入れています。

裕香
確かにそれは便利ですね。日常生活の中では、訪問看護の時間だけではどうしても足りない事が出てきます。

具体的にどういった使い方をする方が多いのでしょうか?

安田さん
訪問看護と組み合わせて使って頂く事が多いです。

例えば、訪問看護90分+在宅レスパイト240分+メディキッズ120分とすると7.5時間(約半日)の外出が可能です。この間に兄弟児の学校の行事に参加したり、遠方の用事を済ませたりといった過ごし方をされています。

あとはMedi Kidsを1-2時間利用してお母さんは別室で休んだり、お子さんの入浴を行なったりというケースもあります。

新しい選択肢を増やしたい

裕香
看護師さんで起業というのは珍しいように感じるのですが、もともとそういった事に興味があったのでしょうか?
安田さん
全くありませんでした 笑

私、北海道の田舎出身で普通に地元で就職しようと思っていたんです。スノボーが大好きで、仕事をしながらスノボーして楽しく暮らそうとずっと思っていました。

そんな時、友達から「東京行かない?」って誘われて….最初は断ったんですけど、「スノボーは東京でもできるよ」って言われて。

確かにそうだなと思って、じゃあ北海道にこだわる理由はないなと思って上京しました

裕香
地元への執着がスノボーだけって、面白すぎます 笑 

そこからまずは成人の病棟で勤務されてたんですよね?

スノボーエピソードで爆笑してしまい、緊張が一気に溶けました。

安田さん
そうです。最初は成人病棟や精神科病棟で働いていました。でも徐々に自分が思う正しい看護と、周りとの相違に悩むようになりました

そこで自分が大切だと思う看護が正しいのかを確かめたいと思って、一番自分が好きな小児科への希望を出しました。

その時にはもう独立したいと思っていたので、小児科に移ったと同時に退職の日を設定してその日まで学べる事は全部学ぼうと決めていました

裕香
すごいですね!まさに目標からの逆算の行動。小児科に移ってからは具体的にどんな行動をしていたのですか?
安田さん
大学病院って大きな組織だから、そこで学べる事が沢山あるんですよね。環境を利用しないのは勿体無いと思いました。

この期間は特に急変児の対応やパパ・ママとのコミュニケーションは絶対必要だと感じていたので力を入れていました。後は資金面の準備ですね。

裕香
自分に必要な事をしっかりと理解してブレずに行動している姿、本当に尊敬します。

その家庭が大切にしている事を大切にする

安田さん
でも病院を辞めていざ本格的に準備を始めると、予想外の問題が沢山ありました。

自分のやりたい事が法律に引っかかってしまうのではないか…とか。新しいサービスなので中々理解が得にくかったり。

その度にとにかく出向いて直接話をしながら何とか突破口を見つけて、何とか退職して1年で実際に医療的ケアのあるお子さんの自宅に訪問できるまでになりました。

裕香
新しいサービスだからこそ、予想外の問題が降ってくるんですね。

実際にサービスを初めて、今一番大切にしている事はどんな事でしょうか?

安田さん
とにかく分からない事は素直に質問する事です。そして聞いた後はきちんと調べて、対応に活かしていく。

吸引の仕方や清潔ケアなどその家庭が何を一番大切にしているかを把握して、本人やご家族の信頼を得る事を一番大切にしています

子供を安心して預けられる社会を目指して

裕香
自宅に人が来るというは、それだけで家族にとっては負担な部分もあるかと思います。

そんな中「我が家のルール」にいかに自然に馴染んでくれるかは、安心して預けられる大きな指標になります。

今後、Medi Kidsはどう成長していくのでしょう?

安田さん
4月に訪問看護事業所を新しくオープンする予定です。ご家族のお話を聞いていると、訪問看護とシッターサービスは合わせて使いたいし、同じところにお願いできる事が安心に繋がると言われるからです。

今のシッターサービスに加え、訪問看護という面からも医療的ケア児とそのご家族を支えられる存在になりたいです。

また、今後は医療ケア(吸引や経管栄養)が出来るヘルパー事業も考えているので少しずつ医療的ケア児家族の選択肢を増やすお手伝いが出来ればいいな、と思っております。

裕香
「医療的ケア児とその家族の選択肢を増やしたい」という安田さんの原点と挑戦し続ける姿勢にとても勇気をもらいました。

新しい選択肢が一人でも多くの家族に届くように、アンリーシュも発信を続けていきます。

今日はお忙しい中お時間いただきまして、本当にありがとうございました!

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Medi Kids

公式HP:https://kids-sitter.com/about.html

 

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医療的ケア児や難病というのは、人数が少なくそもそも知らない人が多いです。なので、一人でも多くの人に知ってもらう事が大切だと思っています。

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