【障がいや医療的ケアがある子も安心して遊べる!】インクルーシブひろばベル 施設レポート&インタビュー

  • 障がい児を連れていると、周りの目が気になる…
  • 健常のきょうだいも連れて遊びに行きたいけど、両方とも連れていける遊び場がない。
  • 子どもが暑さや寒さに弱いので、室内で遊べる場所に行きたい!

など、障がい児を育てていると「遊び場」に困る方も多いのではないでしょうか?

品川区にある「インクルーシブひろば ベル」は、全国的にも非常に珍しい、障がいや医療的ケアのある子どもが安心して遊べる施設です。

  • 看護師・保育士がいて、子どもと遊んでくれる
  • 障がい児も楽しめる設備やおもちゃがいっぱい
  • 医療的ケア児のためにお湯や電源がたくさんある
  • 医療的ケア児コーディネーターの資格を持つスタッフに、色々相談することができる「しゃベルの部屋」を併設

など、障がいや医療的ケアのある子どもやママにとって、「こういう場所がほしかった!」と思える施設であるベル。

品川区の施設ですが、どこにお住まいの方でも利用可能です!

今回は、そんな「ベル」の施設体験レポと、施設長の森下さん&事務スタッフの遠藤さんのインタビューをお送りします。

前半がレポ、後半がインタビューとなっています。目次から読みたい項目に飛ぶことができます↓

【行ってみた】ベル施設レポ!子どもたちが夢中になれる遊びがいっぱい

ベルは、「中延」駅より徒歩4分、「戸越公園」駅より徒歩5分の場所にある、大原児童センターの1階にあります。

現在専用の駐車場はなく、徒歩3分の近隣コインパーキングを利用して下さいとのこと。

入るとすぐ、「本日のスタッフ」ボードがありました。看護師さんと保育士さんがいるのはとっても安心ですね!

施設の中は、白と木目を基調としたぬくもりのあるデザイン。

おもちゃのある「にじのへや」と、スヌーズレン・ルームである「そらのへや」が、主にお子さんが遊べるスペースです。

まずは「にじのへや」から見せてもらいました。

「にじのへや」に入ります!

たくさんの工夫があるプレイルーム

にじのへやは、かなり広々としたつくりです。子どもが遊べるおもちゃがいっぱいありました。

当日一緒に取材に来た子どもたちは、入るなりおもちゃスペースにダッシュ!その後はスタッフの方と一緒に楽しく遊んでいましたよ。

ひろびろ〜。写真には映っていませんが、洗面台やピアノ、お手洗いもあります。

ビーズの動きが楽しいおもちゃ。障害児保育園「ヘレン」で利用しているものだそう。

おもちゃ棚に登ってしまうことを防ぐために、その上に置かれた手作りの駐車場!

そして、電源がたーくさんあります。酸素や呼吸器、たんの吸引が必要なお子さんも安心ですね!

ここにも、あそこにも電源

本格的なスヌーズレン・ルーム

続いて、スヌーズレン・ルームの「そらのへや」へ。

扉を開けるとそこには…

スヌーズレン・ルームとは、光や音により五感を優しく刺激することで、重度障がいの方が主体的に楽しんだり、リラックスできるような空間です。

暗い部屋の中にいろいろな光がキラキラと溢れ、不思議な感覚に魅了されてしまいます。

ゆらゆら、キラキラ。不思議と落ち着きます。

光のボールプール。子どもたちに大人気でした

徐々に色を変える光のオブジェ。子どもたちも夢中

もちろん、このスヌーズレン・ルームは障がいがあってもなくても利用できます!キラキラした光に溢れた空間は、どんな子どもたちも楽しめるでしょう。

床に敷かれているマットは、クッション性があり衝撃を和らげるタイプのもの。床ずれが起きにくく、介護者が膝をついたりする際も楽なのだそうです。

寝転がっても痛くないマット!

冷蔵庫、お湯、注入用フック…こんな部屋が欲しかったランチルーム

続いて「フィーカのへや」ランチルームです。

このランチルームにも様々な工夫がされています。

まず、自由に使える冷蔵庫と水道。

冷蔵庫!

水道。電子レンジも使っていいそうです

そして、注入ボトルをかけるフック!!!これがある遊び場は全国広しといってもベル以外にあまりないのでは!?

医療的ケア児には、断続して栄養や水分の注入が必要な子もいます。こうした設備があるだけで遊びに来やすくなるでしょう。お湯もスタッフに声をかければ、用意してもらえるそうです!

貸出用のバギーや座位保持椅子も大量にあります。お家から持って来なくても大丈夫。

このランチルームは、もちろん大人も使えます。

親子でリラックスしながら安心して食事が楽しめそうですね!

きょうだいやお友達も一緒に遊べる素敵な場所

障がい児を育てるご家庭から、「障がい児ときょうだい児を一緒に連れていける場所がない」という声をよく聞きます。

ベルならば、障がいのあるお子さんに理解のあるスタッフがいて設備も整っているので、安心してきょうだいと障がい児を連れていくことができます。

きょうだいを連れてきたり、健常児がいる親御さんと一緒に来ておしゃべりをしたり。まさしく「こういう場所が欲しかった!」と思える場所ではないでしょうか。

【インタビュー】ベルはこうしてできた!品川区とフローレンスの想い

ここからは、ベル施設長の森下さんと、事務スタッフの遠藤さんのインタビューをお届けします。

インクルーシブひろばベルは、品川区からの委託を受けて、認定NPO法人フローレンスが運営しています。

「看護師がいる障がい児・医療的ケア児を対象とした遊び場」という全国的にも珍しいこの施設は、どのような経緯で誕生し、どんな思いで運営されているのでしょうか。

インタビューはランチルームで行われました

医療的ケアを知る保育士や看護師がいる「安心」

お子さんに障害や医療的ケアがあると、安心して遊びに行ける場所がどうしても減ってしまいます。

  • 衛生面が気になる
  • チラチラ見られて嫌な思いをする
  • 自由に使える電源がない

など、子ども用の施設であっても「利用しづらいな」と感じるご家族も多いのです。

森下さん

フローレンスが提供しているサービスの利用者さんにも、「安心して遊べる場所はないですかね?」とよく聞かれていました。

療育施設などでもアンケートを取った結果、やはり遊びに行ける場所が不足しているとの声が多かったんです。

そこで今回、障害児のための遊び場をつくり、「どんな子も一緒に」という思いを込めて、「インクルーシブひろば ベル」という名前にしました。

ーーー看護師がいる施設というのは本当に珍しいですね

森下さん

ベルにいるのは、フローレンスの障害児保育・支援や病児保育に携わってきた看護師です。なので医療的ケアについても詳しい。

基本的に、お子さんの医療的ケアは保護者が行い、看護師がケアを行うことはないのですが、看護師がいることの安心感は大きいはずです。

 

さらに、ベルには「しゃベルの部屋」という相談ルームもあります。

予約を取ってしっかり相談することもできますが、一番多いのはお子さんと遊びに来た保護者がそのまま相談するケースなのだそうです。

森下さん

遊びながら、「実はですね…」と親御さんがぽろりと話してくれることが多いですね。他の方がいると言いにくい内容だったりすると、「じゃあこちらの部屋でちょっと話しましょうか」と移動したり。

ーーー日頃接している訪問看護師さんなどには、距離が近いからこそ逆に言えないこともありますよね

遠藤さん

実は、遊びに来た方のほとんどが、悩みや困りごとを話して下さいます。

お子さんや生活について話を聞いてほしい方や、具体的な支援の相談まで本当に様々です。

フローレンスは障害児をお預かりする事業をしているので、すぐにお答えできないようなことも団体内で共有し、「例えば障害児保育園ヘレンではこういったケースがありましたよ」と伝えることができます。

ベルは、どんなお子さんも楽しく遊べる施設であると同時に、「保護者も安心できる」場所なのですね。

ベルはこうしてできた!設立の背景

ベルは品川区がフローレンスに委託している事業です。全国でも珍しい障がい児・医療的ケア児向けの遊び場は、どのように計画されたのでしょうか。

森下さん

元々は、品川区にもフローレンスにも、「障害児保育園 ヘレン」をやりたいという思いがありました。しかし用地の問題などでヘレンの開設が難しかったんです。

なので、別の形で障がい児・医療的ケア児を支援する場所として、児童館のような遊び場が計画されました。

ーーーなんとかして場所をつくろうという思いが感じられます…!

森下さん

そうですね。品川区に住む未就学の医療的ケア児は、30〜50人と言われています。

その規模の医療的ケア児にも配慮した遊び場ができたということは、品川区が今後、医療的ケア児の支援を進めていきたいという思いの現れでもあるでしょう。

ーーー医療的ケア児支援法案の影響はあるのでしょうか?

森下さん

ベルの計画は法案が通る前からありましたが、可決されて区の意識も変わってきていると思います。

ベルは障害福祉課の管轄ですが、この課だけではなく、区全体で支援に前向きになっていると感じますね。

「ここに来れば誰かがいる」そんな場所になりたい

ーーー今後はベルをどのような場所にして行きたいですか?

遠藤さん

今は、普段は一般の遊び場に行けない子、外で遊ぶのが難しい子が、安心して来れる場所として運営しています。

ですがいずれは、お友達や近所の子などどんなお子さんでも楽しく遊べる場にして行きたいと思っています。

ここの2階に児童館があるんですが、いずれ一緒にお祭りや文化祭をしたいですね!スタッフどうし顔見知りにはなってきたので、そのうち企画できたらいいなと。

ーーー今はコロナの影響でどうしても人の密集を避けないといけないですもんね

森下さん

コロナが落ち着いたら、いろんなイベントもしたいと思ってるんですよ!先生を呼んで流動食の作り方講座とか、水遊びやねんど遊びなど。今から色々と考えています。

ベルがひとつのハブのようになって、「ここに来れば誰かがいる」みたいな場所になればいいなと思っているんです。

どんな親御さんやお子さんにも気軽に来てほしい!スタッフからのメッセージ

遠藤さん

児童館や遊び場に行って、「自分の子にはちょっと難しかったな」と思われた親御さんも、ベルに来たら「今日はこれが楽しかった!」と心地よく思ってもらえたら嬉しいです。

ベルにはいろんなお子さんが楽しめる遊びやおもちゃがあります。

好きなものや心地よいものを一緒に見つけていきましょう。

森下さん

「私が行ったらおかしいかな」とか「この子が行ったら迷惑かな」とか、そういうのはベルにはいっさいありません!

暴れてなんぼ、僕らも全く気にしません。

気軽に構えることなく来てほしいです!

明るく気さくな森下さんと、優しくしっかりした遠藤さん。スタッフの方も皆さんとても優しく素敵な方ばかりでした!

左端が森下さん、右端が遠藤さんです。ベルの楽しい雰囲気が伝わってきますね。

ベルは、障がい児や医療的ケア児を対象としていながら、どんな子どもも来れる遊び場です。もちろん品川区に在住していなくても利用できます!

こうした施設がもっと全国に増えるといいなと感じました。

ぜひ利用者登録だけでもしておき、お時間のある時に利用してみてはいかがでしょうか?

【施設概要】ベルの利用や予約の方法

ベルは現在予約制。ネットから誰でも予約状況を見ることができます。

「空いてる時に行こう!」「友達家族と予約して貸切状態にしよう!」など、色々な使い方ができます。

ベルの予約について

【予約枠】 10:00~13:00/14:00~17:00
【1枠あたりの予約可能数】 各回3組
【予約方法】 ベルのHPから来館予約を行ってください。 (来館予約の前には、利用者登録が必要になります。)

ベルの施設概要

【場所】〒142-0041東京都品川区戸越6-16-14  大原児童センター1階
【休館日】 土曜日、日曜日、祝日、年末年始
【利用料】 無料
【対象年齢】 0歳から

 

詳しくはベルのホームページをご覧下さい。