この記事は、アンリーシュパートナーズ様(毎月定額寄付)の提供記事です。
simasimatomo 様よりご支援をいただき、完成いたしました。
日頃より貴重なご支援を賜りまして、ありがとうございます。
アンリーシュフレンズのせいくんが、安心して住めるお家作りを紹介してくださいました。
今年、特別支援学校に入学したせいくん。将来のことを考えた色んな工夫をしています。
胃ろうがあるせいくんは寝返りで移動をして、棚のおもちゃなどを上手にとって遊んでいます。
せいくんに合わせた工夫がたくさんある『医療的ケア児と暮らすお家づくりのポイント』を紹介していきます。
お名前 : せいくん
病名 : コフィン・シリス症候群
医療的ケア: 胃ろう
目次
広く設計された玄関
玄関は引き戸となっており、車椅子での出入りが楽にできるよう広々とした設計になっています。
車椅子をそのまま収納するスペースが確保されており、来客時にはロールスクリーンで目隠しも可能です。
靴箱は固定されているものではなく稼働棚を設置、普段は学校のカバンや上着なども置いています。
玄関のこだわりポイント
車椅子での移動を考慮し、ドアは引き戸を選びました。
車椅子を置いておく場所も考え、玄関の広さはかなり重視しました。土地の大きさもあり部屋の広さに干渉しないギリギリまで広く作っています。
エレベーターの設置スペースを確保
玄関のすぐ脇には、将来エレベーターを設置することを考えたスペースを確保しています。
設置する時に追加工事の必要ないように、電源などもとってある状態です。
現在はまだエレベーターはいらないので、収納として使用していますが、
今後の成長やせいくんの身体の状況に合わせて、設置を検討する予定にしています。
エレベーター設置のポイント
エレベーターは1階と2階の上下に同じくらいのスペースが必要です。
あらかじめスペースを作っておくと良いと思います。
工夫の詰まったLDK
お家にいる時間が長いので、明るくするためにお部屋のカラーは「白」をベースとしています。
車椅子での生活を考慮し、トイレまでの動線やトイレ内もお世話ができるよう車椅子仕様の十分な広さを確保しています。
将来的に自分で車椅子を乗り換えたりといったことを想定し、動きやすいように手すりも設置。お家の中のドアは基本的に引き戸とし、静かに閉まるソフトクローズを採用しています。
今の状態だけでなく、先のことも想定したうえでたくさんの工夫がされています。
安全に配慮したところ
手の届く棚の下段から自由に絵本やおもちゃを取り出して遊ぶせいくん。
棚はせいくんが引っ張って倒れることがないよう、備え付けにしています。
テレビ台なども飛び出ている角にぶつかると危ないので、段差をなくしフラットの状態で角を作らないように意識しました。
階段
2階へと続く階段にも工夫がされていました。
階段昇降機の設置を考えて階段の幅を広くし、昇降機用の電源も確保しています。
将来的にせいくんの身体の状態に合わせて生活がしやすいよう、エレベーターか階段昇降機の設置か、どちらの選択もできるよう準備されています。
浴室・脱衣所
今は、浴室内に抱っこをして入るので、安全のため手すりを多めに設置しています。
将来リフトを設置することも考えて、妨げにならないよう基本的に棚は設置せず、広さを重視したお風呂になっています。
小物類は全て磁石で壁に取り付けて使用しています。
入浴後は脱衣所に設置されている棚の上で着替えをします。
介助する側の負担もしっかり考えられています。
棚は備え付けではないので、せいくんの成長と共に移動したり使いやすいようにしています。
浴室のポイント
浴室のドアは「3枚引き戸」で広く開閉することができるよう工夫されています。
通常のドアに比べるとかなり広く開閉するので、車椅子や抱っこでの出入りもとてもしやすい構造となっています。
便利な収納グッズ紹介
お薬の収納は無印良品のボックスを使用し、朝・昼・晩の7日分を入れています。上部の棚にはお薬のストックや栄養剤、とろみ剤などが入っています。取っ手付きのケースはニトリの収納ケースです。
玄関のエレベーター予定地の収納スペースなども活用しながら、たくさんのお薬や物品を管理しています。
これらの内容は、Youtube「アンリーシュ日記」で紹介しています。
ぜひご覧ください。
これからお家を建てる人へ
子どもが成長していくうえで、どうなっていくのかを想定することから始めたお家づくり。
バリアフリー住宅の本なども参考にしていたそうです。他にも、インスタなどで発信されているバリアフリーの住宅も参考にしていました。
以前、アンリーシュでも紹介させていただきました「神崎工務店」さんは、バリアフリー住宅をインスタなどで発信している工務店さんです。そちらの投稿も参考にしてみてくださいね。
まとめ
おうちのバリアフリー化は、子どもの体が大きくなってくるととても深刻になる問題です。住宅のことですから、大きなお金が掛かるのも事実です。早いうちからそれを見越して考えられることはとても良いと思います。
色んな工夫があると思うで、実際のバリアフリー住宅や医療的ケア児のご家庭を参考にしてみるのも良いと思いますよ。
アンリーシュ運営メンバーとして活動。
兄と妹、真ん中に13トリソミーの医療的ケア児、葵結(あおい)を育てる3児の母。
医療的ケア児を育てながらお仕事を。在宅でも出来る活動にチャレンジ中!!