この記事は、アンリーシュパートナーズ様(毎月定額寄付)の提供記事です。
Free&Clear合同会社 様 よりご支援をいただき、完成いたしました。
日頃より貴重なご支援を賜りまして、ありがとうございます。
みなさんは『住環境整備』について考えたことがありますか?
いざバリアフリーのお家を考え新築する・リホームするとなった時、障がい児を育てる私たちはまず何を考え、どう動いていけばいいのか分からない方も多いかと思います。
大きい買い物だからこそ、失敗はしたくないし慎重にもなりますよね…
障がい児の住環境整備についての情報はまだまだ少ないのが現状です。
今回は障がい児者の住環境整備を専門に行なっておられる神崎工務店の福岡営業所、
所長の吉村さんにインタビューさせていただき、お仕事に対する想いや障がい児の住環境整備についての押さえておきたいポイントをお聞きしました。
目次
株式会社神崎工務店、吉村さん福祉住環境整備への想い
神崎工務店さんは福岡を中心に障がい児者の住環境整備を専門とされている工務店さんです。
福岡営業所、所長 吉村さんは大学時代に取得した【福祉住環境コーディネーター】の試験を受けたことをきっかけに初めて医療・介護について勉強されたそうです。
その時に身体の中に電流が流れるような感覚に。
「これだ!!」と感じたそう。
最初の10年は高齢者の住環境整備に従事され、今から10年前に障がい児者の住環境にシフトチェンジされました。
それから今日に至るまで数々の実績を積んでこられました。
初めは、介護と障がいの制度の違いにショックを受けたんです。
障がいの住環境整備に関してはできる業者が少ないのが現状です。
そこが整っていない分、私たちがどうにかしないと!という気持ちが強くなって…
今は障がい児者の住環境整備をメインでやっているんです。
いつも話を聞いた段階でみなさん住環境を整えないと日々の生活が大変な状況が多く、そこをどうにかしたい!という強い想いがありますね。
そして障がい児の住環境整備を専門にプロとしてやっているので、障がいのある子どもさんに対する住環境をよくしたいという意識を強く持ってやっています。
そこが他の工務店さんとの違いでもあります。
でも最初の頃は、「障がい」の分野に関して全然わからなくて…
個人的に勉強されたとか?
いろいろ質問して。それで覚えていったという感じです。
そのうちにお母さんたちの口コミで広がっていって。
いろんな方に会うたびに私も情報をたくさんいただけるので、それをこれまでずっと繰り返してきました。
結果的に幅広い事例があることと、経験が多いこと。これが本当にうちの一番の強みになっていますね。
これまでコツコツと積み上げてこられたんだなというのが伝わります。
障がい児の住環境整備にとても熱い思いを持って日々向き合っておられる吉村さん。
日々福岡各地の当事者ご家族のもとへ出向き、相談・打ち合わせを行なっておられます。
これまでの数多くの経験で得た幅広い事例や情報の数々をインスタグラムにて発信しておられます。
では新築・リホームを考えた上で押さえておきたいポイントとはどういったところでしょうか。
住環境整備の3つのポイント
1、情報収集
まずは情報収集ですね。
SNSや先輩ママさん方のお話を聞いたり、実際にバリアフリー住宅にされている先輩ママさんのお宅を見学させていただくといいかと思います。
助成金も市町村で違いもありますので、その辺りも調べておくといいですね。
一番わかりやすいですよね。
最近ではSNSでも発信されている方をお見受けすることもあります。
また子どもが小さいとなかなかイメージがしにくいかと思いますが、吉村さんが思う住環境整備を考え始める時期とはいつですか?
リフォームで言いますとポイントとして多いのは、抱っこの動作が限界になってきた時期です。
小さい頃は基本的に抱っこなので、そこからの座位保持やバキーやシャワーキャリーへの移乗で、介護者が限界か子どもが大きくなったかで難しい状態になる。
その時に整備をすることが多いです。
こないだのお客様は小学校1年生のお子さんをお持ちのお宅でした。
最近では、昔よりも皆さんの意識が高くなってきているように思います。
昔に比べると情報も多いので、昔は『大変だけど頼らない』というような考え方が多かったんですよね、最近は逆で『少しでも早い段階で対策できれば』という方が多いです。
2、知識より意識の高い業者を選ぶ
福祉住環境コーディネータさんがおられる業者さんは多くあるものでしょうか?
実践を積んでいる方が少ないということが言えます。
『建築➕福祉用具等』になるので、『建築』だけでは福祉用具を理解していないと、難しくなってきます。
例えば廊下の幅にしても、お風呂・トイレの広さにしても決められないんですよね。
そこが皆さんが苦労する建築業者を選ぶ難しさかなと思います。
そういう細かいところまで専門的に特化した工務店は少ないのが現状なんです。
吉村さんが思う建築業者選びのポイント!
会社というより窓口となる担当者の方が、その子のことを知ろうとしてくれているかどうか。
そういう方のいる会社だと、たとえ専門的な知識や経験がなくてもご家族・子どもさんにとってより快適バリアフリーな住まいの実現が可能になるのではないかと。
『知識よりも意識!』だと私は思います。
3、シュミレーションが大事
障がい児と高齢者のバリアフリーは全然違うものだと吉村さんはおっしゃっています。
障がい児の住環境整備では、発達をある程度予測していかないといけないという難しさがあります。
そのため、【聞き取り】が重要になってくるそうです。
疾患・疾病・進行性かそうでないか・家族・本人・リハビリ(PT/OT)での内容・訪問看護師など関わっている事業所の意見を聞くことはとても大切で、そこから色々情報収集しシュミレーションをしていきます。
【取り付けれるから付けたけど使えなかった…】といったケースがとても多いと言います。
『建築』としては工事・設置は可能、でもそれが使えるのか使えないのか、そこを使えるようにしていくのが建築と住環境の違いだとおっしゃっています。
そのためにもシュミレーションは必要不可欠で住環境の最大のポイントになります。
介護リフトを付けているお宅に一緒に行ってどういうふうに使っているのかを実際に見ていただいたりもしています。
子どもの住環境整備は基本的にオーダーメイドが多いです。
そのためお客様から学んだ経験が必要です。
『これが正解!』がないのでそれぞれ一人ひとりに合わせた住環境つくりを進めていくことが重要になってきます。
バリアフリー住環境整備もっとも多い場所ランキング
1位:玄関周り(道路〜お部屋)
トイレやお風呂は自宅で使わない場合もありますが、『外出』はどんな状態の方でも必ず必要になってきます。
バギーの仕様(ティルト・リクライニングなど)も踏まえた上で成長を見越して考えていきます。
2位:トイレ周り
座位がとれない場合はクッション・ベルト・ヘッドサポートなどの仕様も考え一人ひとりに合ったプランをご提案します。
3位:お風呂周り
シャワーチェアを使用しての入浴、また脱衣室まで伸びる座位保持から乗れるリフトなど、お風呂場のレイアウトなど条件はありますが、それぞれのお宅の浴室の仕様や日々の生活の仕方に応じてプランをご提案します。
4位:それぞれの場所へつながる部屋からの動線
車椅子やバギーの移動や方向転換などを考慮して安全にスムーズに移動可能な動線作り。
例えば、訪問サービス利用のある方はリビングを通らない導線作りなど。
アンリーシュの読者さんへのメッセージ
これから家を建てる方、リフォームを考えておられる方のヒントや参考になれたら嬉しいです!
最後にアンリーシュは、幅広い年代や障害に関してもさまざまな方が見てくださっているんですけど、読者の皆さんへメッセージを頂けましたら嬉しいです。
やっぱり、基礎がしっかりしていないと、動作や生活自体の範囲が縮まってしまいます。
QOLも低下してしまいますよね。
【住環境=基礎】これを整備することはとっても大事なことなんです。
インスタグラムでは、数多くの事例を発信しています。ぜひご覧ください!
オンライン個別相談(有料)も随時受け付けております。
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ご相談のご案内
神埼工務店さんでは、zoomを利用して約1時間程度、新築やリフォームに関しての個別の相談に乗る有料のオンライン相談を行なっております。(税込5,500円)
ご希望の9:00〜19:00までの時間帯でご都合に合わせて相談をすることができます。
個別相談では地域を問わず全国各地よりご相談のお問い合わせを頂いております。
情報収集としても有効ですし、建築(家のこと)とリフトなどの福祉用具のこと両方を気軽に相談できるのが魅力的ですね。
神崎工務店インスタグラムDMよりお問い合わせください。
まとめ
今回は障がい児の住環境整備のプロでもある神埼工務店の吉村さんにお話をお聞きしました。
障がいのある子を育てる日々の生活の中で、子どもの成長と共により意識も強くなる分野でもあります。
個人的にも、子どもが成長し日常的に困難なことが増えてきたため漠然とですが住環境整備について考え始めたところでした。
しかし、これからさらに成長することを見越した上での住環境整備や、タイミング、具体的にどのようなことができるのか…
自分たちだけで考えていくには難しく困ることもあるかと思います。
「建築」と「障がい児の住環境」の両方からの視点で専門家に気軽に相談ができるのは、とっても心強いですよね。
本人にも家族にとっても生活しやすい住まいつくりをお考えの方はぜひ一度、情報がたくさん詰まった神埼工務店さんのインスタグラムをご覧ください。