【15歳の医療的ケア】「どんな毎日を送ってるの?」栄養の取り方や学校での過ごし方を紹介!

この記事は、アンリーシュパートナーズ様(毎月定額寄付)の提供記事です。
Rumi 様 よりご支援をいただき、完成いたしました。
日頃より貴重なご支援を賜りまして、ありがとうございます。

今回は、高校生になったアンリーシュフレンズのひなちゃんの普段の様子について
お母様のHinata様が執筆して下さいました。

ひなちゃんプロフィール

名前: ひなちゃん(ひなた)

年齢: 15歳・支援学校中学3年生

疾患名: ドラベ症候群

重度のてんかん重度重複障がい(知的・肢体)

医療的ケア: 胃ろう(4歳の時)・気管切開(喉頭気管分離術、5歳の時)

ひなちゃんの特徴

身体について

 もともと低緊張で少し手足の変形が見られ始めていましたが、
脳症の後から筋緊張の高まりもあり、成長に伴い側弯の進行があります。

首が座っておらず、自分で寝返りをうつことも出来ないので移動は全介助です。

手足の変形予防のために外に出るときは装具を着けています。
足のサイズが19センチを超えてくると、
履き口が広く開くタイプの子供用のおしゃれな靴はなくなってきて、
今はJOGWALKという装具のまま履ける運動靴を履いています。

ジョグウォークの靴

栄養について

胃ろうから
・ラコール半固形200ml(朝1回)
・ミキサー食250ml(昼夕2回)
を注入しているのと、

水分と栄養補給目的で、
・粉末青汁(お湯で200mlに溶解したもの)と、
・ブイクレスという微量元素やミネラルが入ったジュース
を注入しています。

わが家ではひなちゃんが一番健康的です!

注入一式

気管切開をしているので、呼吸が楽になったのと、緊張は強いですが
自発運動や発作もなく、エネルギー消費量が少ないため、
1日800㎉ほどで体調も安定しています。
(現在のひなちゃんの身長146cm、体重26kg、BMI12.2)

小学4年生から学校でゼリーを3口程度ですが、食べる取り組みを継続しており、
2年ほど前から唾液を飲み込めるようになりました。

唾液が多くて口腔内持続吸引をしていましたが、必要なくなりました。

医療的ケア

胃ろう

不織布のやわらかいYガーゼをあてています。
もともと皮膚が弱いので、胃ろう周囲のトラブルは多く、肉芽もできやすくて硝酸銀で処置をしてもらっていました。

潰瘍ができたときは、ボチシート(亜鉛化軟膏貼付剤)をY字に切れ込みをいれて当てていました。個人的にこれはとても効果がありました。

今は抗真菌薬を塗ることで、皮膚トラブルもなくなりました。

胃ろうメーカーとの相性もあり、ミッキー、ペグロックはバルーンが割れたり、
皮膚トラブルが多かったですが、
現在のGBバルーンに変更してからは、逆流もなく調子もいい感じです。

気管切開

基本的にはカニューレフリーで過ごしています。
ひなちゃんは、カニューレが入っているとそれが刺激になって、痰が増えたり、
嫌がって手でカニューレを押したりして危ないのです。

でも、学校では気管カニューレ内吸引をしてもらうため、毎朝カニューレを挿入して学校へ行きます。
放課後デイサービスから帰ってきたら、カニューレを抜いて水に浸け、汚れを取り除いたあと、
ミルトンで消毒しており、1か月に1回新しいものに交換しています。

カニューレを入れている時は、人工鼻をつけているので、加湿や感染予防対策はバッチリなのですが、フリーの時は、気管孔の上に目の粗いガーゼをあてて両端をテープで留めているだけなので、自分の息で加湿される程度です。

そのため、乾燥予防のために気管孔に綿棒でワセリンを塗っています。
吸引は気管の中の粘膜を刺激すると肉芽が出来てしまうので、そっと綿棒で拭って痰を取るか、吸引チューブを気管の粘膜に当てないようにして痰を吸引しています。

お家での気切の様子

学校での気切の様子

 

普段の過ごし方

学校での様子

ひなちゃんは毎日学校へ登校し、下校後は
放課後等デイサービス(週3回)
・医療型特定短期入所(週1回)
・日中一時ケア(週1回)
に通っています。

今年度から、県の試行で通学支援が始まりました。

いつも通っている放課後等デイサービスの看護師さんが、福祉車両で自宅まで毎朝迎えに来てくれています。
小学1年生から9年間、毎日私が送迎していましたが、母の手を離れて初めて他者と学校へ行けるようになりました。
私が自分で連れて行くことが当たり前になっていたので、担任の先生からは「自立への大きな一歩ですね!」と言われ、感慨深い思いになりました。


とにかくひなちゃんは学校が大好きです!
入学当初は、ひなちゃんの個別マニュアルができるまでの3カ月間、職場からは介護休暇をいただき、毎日付き添いで一緒に学校へ通っていました。

付き添いの3か月間は感動しっぱなしの毎日でした。
支援学校の先生が工夫した授業や丁寧な関わりは素晴らしく、遠足では初めてひなちゃんの車椅子を親以外の誰かが押してくれるという感動に包まれました。
ひなちゃんの気持ちや声を代弁してくれて、意思表示をする力をたくさん伸ばしてくれています。

親の意向も教育に反映し、生活状況も考えてくれて、行き届きすぎて感謝しかないです。

現在学校では、胃ろうからの注入は教員の先生、口鼻・気管カニューレ内吸引は、看護師さんが担ってくださっています。
今でも校外学習の時は、看護師さんの人員の都合で保護者が付き添っていますが、楽しく付き添っています。それも、毎日のことだと大変ですが、たまにのことなので楽しめています。

学校や地域の支援者の方々のおかげで、安心して預けることができ、お仕事を続けることができています。

夜の様子

朝はママが送り出しますが、家に帰ってからは、パパとバトンタッチ。
パパが学校から帰ってきた後の着替えやオムツ交換、カニューレ抜去、吸引、夕飯注入、学校で使用したケア物品の洗浄などのケアをします。

夜間は、23時にお薬と水分を注入して、痰を取って、オムツ交換、身体の向きを変えて整えて、5〜6時間はぐっすりと寝てくれています。
そのため夜中のケアはほとんど必要ありません。

 

まとめ

ひなちゃんの色んなことをお聞きすることが出来ました。

私は『遠足で、初めてひなちゃんの車椅子を親以外の誰かが押してくれるという感動に包まれました。』というところに、とても共感を覚えました。
私も娘の車椅子を誰かが押している姿を離れてみるのが、とても新鮮に感じました。
いつもは近い距離だからあまり感じなかったのですが、ハタから見るとやっぱりちょっと小さくて。
上級生のお友達に混ざっているのが、とても可愛いなぁと感じたことを思い出しました。

病状も年齢も全く違うお子さんですが、こうして共感を覚えることで心がホッとしました。
皆さんはどうお感じになりましたか?

ひなちゃん、そして執筆してくださったHinata様ありがとうございました。


ライター:tomoko

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