座談会を開催!医療的ケア児ママの体験談〜鼻チューブ編〜

この記事は、アンリーシュパートナーズ様(毎月定額寄付)の提供記事です。
simasimatomo 様よりご支援をいただき、完成いたしました。
日頃より貴重なご支援を賜りまして、ありがとうございます。

アンリーシュのメンバーが『鼻チューブ・胃ろうを語る座談会』を開催しました。
病気もさまざま、医療的ケアに至るまでの流れもさまざまな3人の話は、同じ医療的ケアとは言えども、感じ方・捉え方が全く違うことに驚きました。

皆さんはどんな想いで、医療的ケアに向き合っていますか?

 

鼻チューブを始めたころ

アンリーシュフレンズあいちゃんの場合

生まれた時からあまり飲めなくて、顎をサポートしながら飲ませていました。
生後3日で心疾患も判明したので、哺乳が難しいことは分かっていましたが、呼吸がちゃんと出来ていたのもあって保育器にも入らず、「退院すればそのうち飲めるだろう」と言われていたそうです。

Emi
1時間授乳しても飲めずの繰り返しで、いつもミルクをあげていてホントにその時期が辛かった。生後4ヶ月ぐらいの時に自分で『経管栄養』っていうのがあるのを知って、自分から看護師さんに相談したの
Tomoko
え?自分から言ったの?
Emi
そう……あまりにも辛くて育児相談とかもしてたんだけど、「そのうち飲めるようになりますよ」っていう回答ばかりで。
原因がないと経管栄養は出来ないんだって。検査をしてもらったら甲状腺の値で引っかかって、経管栄養を始めることが出来たんだよね
Tomoko
うちは哺乳瓶で飲む練習もしてたけど、早いうちから経管栄養もしてたな……
飲める可能性があると、「授乳頑張ってね!」って言われちゃうんだね。

その時期、恵美さんは人に見られることで冷静さを保てていたようで、常に誰かに会うようにしていたと話してくれました。

Emi
助けて欲しかったんだと思う……「どうしたの?」って言って欲しくて。このまま一人でずっとミルクあげてたら死んじゃうと思ってた。

育児日記には、ずーっとミルクをあげている記録が残っているそうで、苦しかった胸のうちを明かしてくれました。

Rumi
「いつかは飲めるかも…」みたいな期待があるもんね。鼻チューブも一回入れると抜くことが難しくなるからあまり入れたくないって気持ちもあるし。
お母さんも限界まで頑張ってるよね……

アンリーシュフレンズあいちゃん

 

 

アンリーシュフレンズふうちゃんの場合

急性脳症のため治療の一環で鎮静をかけ、その時期に鼻チューブをしていました。
治療が落ち着いて抜管すると、ステロイド治療をしていたので食欲が増強しており、ミルクを薄めてやっていたそうです。しかしそれから急に飲み方を忘れてしまって……

Rumi
寝かしつける時にお口をチュッチュするから、寝るか寝ないかぐらいのところで哺乳瓶を吸わせると20mlぐらいは飲んでくれるんだよ(笑)
しばらくすると寝てしまって、飲めなくなっちゃうんだけどね。それを繰り返してたなぁ
Emi
分かる!私もそれやってた!!
ちょっとだけど飲んでくれるんだよね。

皆さん、ミルクを飲ませるために色んな工夫をしていたようです。
小さい頃は、ミルクがうまく飲めないということと、病気とがどう関係しているかの判断が難しいようですね。

アンリーシュフレンズふうちゃん

 

鼻チューブの手技指導について

Emi
私、一回で入れられたんだよねぇ!
Tomoko
私はNICUで経管栄養の手順書を作ってもらって、一連の流れを練習させてもらった。 怖かったぁ……
Rumi
私は入院中には鼻チューブを入れることはなくて、退院後に鼻チューブを入れる練習をしたよ。最初は注入の仕方だけを習ってた。

そうそう…胃残を引いた時に黄色いのがバーって出るじゃん?あれを「うぁ〜」って思いながら捨ててたんだよね、悪いものだと思って(笑)
そしたら看護師さんに「それ捨てちゃダメだよ!消化酵素入ってるから!!」って言われて

Tomoko
注入の仕方と鼻チューブ入れるのを別々で習っちゃったから、一連の流れがうまく伝わらなかったってことかな?
医療的ケアってふとした瞬間に「それ違うよ!」とか知ることあるよね(笑)

 

『鼻チューブを入れるという医療的行為』について、どう感じていたか話しました。

Tomoko
鼻にチューブ入れたり、シリンジを使ったりって怖くなかった?
よくよく考えると、シリンジって針がついてるわけではないから、そんな怯える必要もなかったんだけど、最初見たとき「注射??」って思っちゃって(笑)

恵美さんと瑠美さんは、そんな私の言葉に首を振ります……

Emi
それまでがしんどすぎて、経管栄養が出来るようになって「助かったぁ」って思ったんだよね
Rumi
そうそう!苦労しまくった中で新しい道が開けたから、抵抗もほとんどなかったかな

医療的ケアに至るまでの過程が違えば、同じ医療的ケアに対する捉え方がこんなにも違うのだと知りました。

アンリーシュフレンズあおいちゃん

 

鼻チューブで困ったこと

入らない……

Emi
大暴れしてたからタオルでぐるぐる巻きにしてたなぁ……暴れるから抵抗があるし、嘔吐も激しかった。嘔吐して口からチューブが出てきちゃうとかあった
Tomoko
鼻から入れて口から出てくることあるよね!やっぱ繋がってるんだなぁって(笑)
Rumi
うちも鼻から入って口から出てくるってことを一日のうちに何度繰り返してたことか…….泣いたら入るよね?
Emi
入る!鼻水がズルズルするから滑りやすくなって入るんだよね

皆んな、鼻チューブ交換には苦戦していたようですね。

 

肌荒れ

Tomoko
うちはヨダレでテープが剥がれちゃって抜けることが多かったなぁ。肌荒れとかあった?
Emi
あった!肌荒れすごくて、ズラして貼ったりセキューラっていうテープがつく保湿剤とかも使ってた
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注入中にチューブが抜けた!!

Tomoko
注入中にチューブ抜けたりしなかった?いつのまにかラコールの海が広がってる……みたいな(笑)
Rumi
あったあった!その時々によるけど、胃残見ながらだいたいの量でラコールを追加注入したなぁ……大丈夫かな?嘔吐しないかなぁ?ってビクビクしながらやってた!
Tomoko
えぇ!そうなんだぁ。うちは諦めて、それ以上はやらなかった(笑)
だってどれだけ入ってるか分からないから、足したらお腹いっぱいになりそうで。何が正解だったんだろうねぇ。

急なトラブルにどう対応すれば良いのか、正解が分からないままなんとなくやっていたという感じでした。
常に医療従事者がいる状況ではないところで、判断を任される医療的ケア児家族は、独自の判断でやっていることもあったのだろうなと思いました。

あいちゃんは自分で飲んだり出来るので、栄養管理が難しいと恵美さんは話します。

Emi
ストローが面白いみたいで、感覚遊びなのかなぁ……遊びながら水をいっぱい飲んじゃうんだよね。しかもお腹いっぱいとかがあんまり分かってないみたいで、時計見てお腹すいたとか、200ml入ったらお腹いっぱいとかいう感じだから、満腹感の判断が難しくて
Tomoko
お口からも栄養摂ってる子どもさんは、栄養管理難しそうだよね……ふうちゃんはお腹空いたら訴える?
Rumi
泣くのよ!お腹空いたら。自分の前にご飯が並ぶと泣き止むから、分かってるのかもなぁ
Tomoko
ごはんの量って、どうゆうタイミングで変えてる?
あおいはラコールの量、ほとんど変えてなくて
Rumi
体重曲線を見ながら減らしてたよ!
Tomoko
減らすの?大きくなるたびに増やすんじゃなくて?(笑)
Rumi
お口でも食べられるようになったから、その分ラコールを減らして調整してた!
大きくなってくれるのは嬉しいんだけど、親からしてみたら悩ましいよね……

介護目線から、体重は成長曲線のギリギリのラインでも良いって言われたりもするけど。でもやっぱり、それなりに体格良い方が身体や免疫力の面からしても強いと私は思うから、少しプニプニぐらいでも良いかなぁと思うようになったかな

栄養管理は、成長をとるのか・介助しやすさをとるのか、難しい問題のようでした。

 

まとめ

今回は鼻チューブについてまとめました。医療的ケア児の多くが経験する経管栄養。
一つの医療的ケアに関してどう感じるかは、その前の段階でどうゆう問題を抱えていたかにもよるようでした。似たような経験をしながらも想いが異なることもあり、なかなか奥が深い話となりました。
次回は胃ろうについてのお話をまとめていきたいと思います。

tomoko
ライター:tomoko
アンリーシュ運営メンバーとして活動。
兄と妹、真ん中に13トリソミーの医療的ケア児、葵結(あおい)を育てる3児の母。
医療的ケア児を育てながらお仕事を。在宅で出来る活動にチャレンジ中!!

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