アンリーシュにとっての2023年はまた一歩、歩みを進めることができ大きく前進することができた年であったと思います。
数年間に及び引き続くコロナの感染拡大の影響を受けスケジュール調整等に困難を期しまして
2年間に渡りメンバー一丸となって制作を続けていた「就学事例集」もついに完成となり、
冊子として無事にみなさまにお届けすることができました!
また、今年5周年を迎えたのを機にアンリーシュは
2026年1月には当事者家族10人に仕事を提供できる体制を整えることを目標に掲げ、組織体制の構築を進めて参りました。
当事者家族の就労をテーマにして大々的に行ったキャンペーンや、
これまでなかったアンリーシュ初のリアルイベントも開催し、
みなさんからのアンリーシュに対しての想いにもより深く触れることができ、
これまでのアンリーシュのしてきた活動の意義を感じることができました。
それと同時に、改めて当事者ご家族の抱えるさまざまな課題も顕在化され、
これからアンリーシュがやるべきことの指針を示していただけたように思います。
このような大きな取り組みも成功させることができたのはみなさまの温かい励ましのお言葉や応援があったからだと思っています。
本当にありがとうございました。
目次
医療的ケア児と社会をつなぐ架け橋に
日本の新生児医療の発展と共に今まで救えなかった命が救えるようになった反面、
特殊な医療行為を自宅で行う子どもたちは、この10年で2倍に増えました。
そして、この医療的ケアに関する情報は不足し、不安や孤独感と戦う家族も同時に増加しています。
私たちは、医療ケア児とその家族を含めた誰もが安心感を持って自分らしく生きられる社会の実現を目指します。
アンリーシュは、社会課題を抱えているたくさんの当事者家族にご協力いただき自分たちの現状や困っていることを直接メディアを通して社会に訴え、課題解決へむけて共に活動を行ってきました。
これまで「アンリーシュフレンズ」として63家族の当事者家族に動画・記事に出演していただいています。
たくさんのアンリーシュフレンズちゃんたちの笑顔や頑張っている姿はとってもキラキラ輝いていて、いつも私たちに元気や勇気を届けてくれています。
2023年のアンリーシュの活動
医療的ケア児就学事例集
プロジェクトがスタートしてからクラウドファンディングなどを行い2年かけて完成いたしました「医療的ケア児の就学事例集」の販売がスタートしました。
医療的ケアが必要な子どもたちがなかなか希望の学校へ就学できないとの声を受け、
「前例がないから」と断られるのではなく、 「この前例を参考にしよう!」
そう思って もらえる資料があれば、医療的ケア児の学校への 受け入れはもっと進むはず!
そんな熱い想いを込めて動き出したプロジェクトです。
事例集には、東京都3自治体の受け入れ事例をインタビュー・掲載しております。
具体的な就学までのステップが図で示してあったり、学校で使われいる資料のテンプレートが掲載されています。
この事例集を通して、医療的ケア児の就学についてたくさんの方が動いてくれている。
現実が前に進んでいることを感じて欲しいです。
これからどんどん良くなっていく。
そんな期待が持てるような冊子になれば嬉しいです。
第一回アンリーシュフェスin大阪
夏にはアンリーシュ初のリアルイベントを開催しました!
ご参加くださいました医療的ケア児ご家族へ癒しの空間や医療的ケア児同士のつながりの場をお届けすることができ、大成功!となりました。
コロナ禍でお出かけが難しく、
家族の思い出がなかなか作れない。
医療的ケア家族同士、横のつながりが欲しい。
普段、気安く出かけることが難しく、いろいろな制限もあって経験させてあげることができないこともたくさんある。
そんな想いをお持ちのご家族も多く、当日には医療的ケア児家族50名に対し、
多くのスタッフさん始め10名以上のボランティアの方々にご協力いただき、
ご家族が安全に安心して過ごすことができるよう、会場設営や受付、駅から会場までの案内やトイレの補助など、色々なことに配慮してくださいました。
ボランティアスタッフをはじめクラウドファンディングでご支援いただいた方々、そして応援してくださいました皆さん、本当にありがとうございました。
当事者家族の「就労」にコミットしたイベントを開催
今年アンリーシュは、新たに2026年1月には当事者家族10人に仕事を提供できる体制を整えることを目標に掲げ活動をしてきました。
「医療的ケアの社会課題解決を、当事者そして家族の仕事へ」
というテーマのもと行ったマンスリーキャンペーンでは多くの方々に関心を持っていただくことができたと感じています。
11月には「自分の強み・ぴったりの仕事発見セミナー」と題し、
一般社団法人Ayumiさんとのタイアップ企画。
株式会社マザーズさんに協賛いただきまして、強みを活かした自分らしい理想の働き方の実現へ向けてのセミナーを開催しました。
医療的ケア児の受け入れ先はまだまだ少なく、『働きたいのに働けない』など孤独と闘っている医療的ケア児ご家族がたくさんいます。
医療的ケア児を育児する母親の70%は就労せず24時間付きっきりで子供の看護にあたっている現状があります。
ならば医療的ケア児と一緒に輝く、医療的ケア児育児と両立しながら働ける。
そんな新しい働き方、自分の環境に合った働き方を見つけていくといったワークを交えてのセミナーとなりました。
アンリーシュ理事、岡田恵美さんに登壇いただき『3人のタイプの違う障がい児育児と仕事の両立』についてのお話をしていただきました。
子どもたちの育児に加えて頻繁な病院受診や入院、毎日の付き添い登下校などから一度は断念した『お仕事をする』ということ。
そんな日々から、アンリーシュと出会いえみさんが見つけた「自分らしい働き方」「自分の強みを活かせる場所」
2部では、実際に会場参加してくださった方を対象に、
自分らしい働き方とは?どういう強みを活かせるのか?
ワークを通じて自分自身を考える。そんな時間となりました。
これまでの人生においての感情のアップダウンなどの出来事を振り返り、そこから強みを発掘していく。
自分の人生を一回棚卸するといった意味でもすごく貴重な時間になったのではと感じています。
会場はとても盛り上がり、意外なお仕事が向いていると分かった方や、向いていると分かったお仕事が実はすでに経験があって辛かった、という方もおられました。
ではそれはなぜなのか?というところまで、その場でディスカッションを行いました。
ご参加いただいた皆さま本当にありがとうございました。
医療的ケア児ママ・障がい児ママの『働く』に関してはアンリーシュがこれまで5年間、解決すべき課題として挙げてきたことのひとつです。
代表をはじめメンバーにとっても大きなテーマとなっており、付き添い入院や預け先の問題から働くことを諦め試行錯誤を重ねてきた現体験があります。
だからこそ諦めてほしくない!という強い思いがあります。
自分が持っている強みを活かしながら、尚且つ今の自分に合った環境で働ける。
そんな場所を見つけていただきたいと心から思います。
またこれからアンリーシュをさらに医療的ケア児ご家族の輝ける場所にしていきたい。
そんな想いを胸にこれからも進んでいきます。
2024年へ向けて、みなさんへの感謝の気持ち
今年も、多くの活動を通してアンリーシュとしてまた一歩大きく前進できた年であったと思います。
これまでオンラインでの活動を中心としていましたアンリーシュですが、
リアルでのイベントも開催できみなさんと直接触れ合うことができました。
オンラインとは違った、とっても熱い想いをリアルに感じることができとても素晴らしい時間となりました。
そんな挑戦の一年でしたが、パートナーとして共に歩んでくださったみなさま。
本当にありがとうございました。
またインタビュー等のご協力、ボランティアへの参加など
たくさんの心のこもった応援のお言葉やお気持ち本当に感謝しております。
来年におきましても、さらにまた一歩大きく前進すべくさまざまなことにチャレンジしてまいります。
2024年度も「共に歩む存在」としてみなさまと一緒にアンリーシュを作っていけたらと思っております。
来年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
代表からみなさまへ
ご寄付の使い道
アンリーシュはみなさまの温かいご支援によって支えられています。
例えば1年間で以下のようなことが可能になります。
<月1,000円で可能になること>
全国の医療的ケア児家族へ情報を提供するためのメディア運営を行うことができます。
<月3,000円で可能になること>
医療的ケア児家族に必要なサービスを行なっている施設等に1件取材にいくことができます。
<月5,000円で可能になること>
医療的ケア児家族一人が、アンリーシュで働くための職場環境を用意することができます。
どんな子育てであっても選択肢の狭まることのない、そんな社会を私たちと一緒につくっていきませんか?
アンリーシュの目指す「共に自分らしく生きられる社会」をつくるには、あなたの力が必要です。