「厚生労働省 医療的ケア児の支援で新規事業をスタート」https://unleash.or.jp/news/2019/03/1740/
この記事にあるように、2019年4月から、「医療的ケア児等総合支援事業」の実施が開始されました。
その中のひとつとして、医療的ケア児等コーディネーターの養成、配置があります。
今年度(2020年度)、医療的ケア児等コーディネーター養成研修を受けてきたので、その内容を個人的感想も含めて紹介します!
医療的ケア児等コーディネーターって??
名前の通り、医療的ケア児が地域で安心して暮らしていけるよう、各種サービスや支援を総合調整(=コーディネート)する人のことです。
今までも、各種サービスや支援を調整する役として相談支援専門員がいました。
ですが医療的ケアについて詳しい相談支援専門員は少ないこと、発達に遅れがなく、身体障害者手帳や療育手帳のない医療的ケア児が使える福祉制度がないことなどの課題に対して、新たに養成されることになりました。
だれが医療的ケア児等コーディネーターになるの?
一番多いのは相談支援専門員ですが、保健師、訪問看護師、行政職員など様々で、職種の制限はないようです。
ただし、研修受講のためには市町村からの推薦を必要とする場合もあります。
都道府県や市町村のホームページで、自分の自治体にはどこにコーディネーターがいるかを調べることができます。
実際の研修内容と感想
研修は、講義2日間、演習2日間の計4日間でした。
科目としては、次のようなものがありました。
- 総論
- 医療
- 本人・家族の理解
- 福祉
- ライフステージにおける支援
- 支援体制整備
- 計画作成のポイント
- 演習(計画作成)
- 演習(事例検討)
内容は都道府県によって多少の違いがあるようですが、医療的ケア児、ということもあり、医療の内容が多かったような気がします。
基本的には福祉系の仕事の相談支援専門員が多いからかな…?医療系職種にとっては、もう少し福祉や発達支援の話もあるとよいのかもしれないなと思いました。
コーディネーター養成の背景
今までは、医療的ケア児といえば重症心身障害児でした。
ほとんどの子どもは療育を受ける場所へ通い、特別支援学校へ通う、という流れが当たり前でした。
それが、医療の進歩を受け、動ける医療的ケア児や、発達の遅れがない医療的ケア児が少しずつ増えてきました。
それに伴い、子どもたちが育つ場所が、保育園や幼稚園、一般の学校へと広がってきています。
ですが現在、それぞれの持つ可能性を発揮できる場に行きたい!と思ったら、たくさんの高い壁を乗り越えるためにご家族が奮闘しなければならないという現実があります。
その役目をこれから担うのが、医療的ケア児等コーディネーターで、これはとても大きな一歩だと思います。
コーディネーターに求められるもの
講義の中で、コーディネーターに求められる資質と役割として、「地域に必要な社会資源等の改善、開発に向けての実践力」が強調されていました。
今、ないものは作る!ということです。
前例がないことを打ち破るのが難しい日本の社会で、それをする役割を持った人を行政が養成する、ということの意味は大きいように感じます。
そして、この動きは、今まで当たり前に療育、特別支援学校へと進んでいた重症心身障害児の子どもたちの選択を増やすことにもなります。
医療的ケア児が地域を変える!なんて素敵なことが日本全国で起こるかもしれませんね。
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