2月15日(金) 医療的ケア児 を取り巻く問題を知るため、アンリーシュの金澤、竹内で「永田町子ども未来会議」に参加してきました。
この会議は衆議院議員や区議会議員、NPO団体や医療関係者が集まる会議で毎回テーマを決めて議論する会議です。
今回は、医療的ケア児の学校問題について議論が行われました。
アンリーシュは中央区議のわたなべ恵子さんの紹介で会議にて傍聴させていただくことができました。
(まだ立ち上げて1か月なのにこのような場に参加させていただきありがとうございます)
テーマ:医療的ケア児をとりまく教育現場の壁
会議には医療的ケア児で現在9歳の山田萌々香ちゃんとおかあさんが来ていて、冒頭にスピーチされていました。
そのスピーチで萌々香ちゃんは「一生懸命勉強するから学校に通いたい」とはっきりとした口調で話されているのを聞いて心打たれました。
医療的ケア児 が小学校に通うことができない理由
萌々香ちゃんは基本的に人工呼吸器を装着しています。
人工呼吸をしていると、小学校に通うのがかなり厳しいです。理由は、学校における医療的ケアを受け入れる体制が整っていないからです。
なので週に3回、2時間の訪問教育を受けているとの事でした。
しかしそれだけだと勉強時間は圧倒的に足りません。実際に萌々香ちゃんが学ぶ時間は1年間で約232時間。一般の小4の児童は学校で学ぶ時間は980時間です。
実に1/4の時間しか勉強時間がありません。本人は学校に通って勉強したいのです。
一方で別の児童では訪問教育から通学に切り替わったことで、本人の自己肯定感や身体変化など良い反応が出てきたという事例も紹介されていました。
(やっぱり学校通いたいよね。。。友達と触れ合いたいよね)
経済的負担が大きすぎる現状
また、経済的な問題もあります。萌々香ちゃんのおかあさんは普段仕事をしているので、訪問教育の時はヘルパーさんに来てもらっています。
ヘルパーさんには1時間2,500円かかるので、1回2時間の勉強するのに5000円がかかる。月にして6万円前後です。
ご存知の通り中学生までは義務教育です。萌々香ちゃん本人も、親御さんも教育を受けたいと望んでいるのに、呼吸器があるということで学校に通えない(通うには負担が大きすぎる)社会課題があります。
また、萌々香ちゃんが学校に行くためにはヘルパーが必要です。ヘルパーがいると通うことができる学校もすこしずつ増えてきています。
しかし通学時間も含めると、1日6時間、月20日間ヘルパーさんを依頼すると、1ヶ月で30万円ほどかかるのです。
小学校に通うのに月30万円は高いです。
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現在、就学の適齢期にある医療的ケア児の数は約8,000人。今後学齢期の医療的ケア児は増加していくことがわかっています。
児童たちにとっては、適齢期に学習ができないということが課題だし、適齢期を過ぎて、学びの体制が良い方向に変わったとしても、今度は大きく成長した子どもが学習をキャッチアップするのが大変になる可能性がある。一刻も早く対応できることが必要だということがわかりました。
医療的ケア児 の教育現場でアンリーシュができる事
今日の会議を傍聴して、「アンリーシュは何ができるのか?」をこれまで以上に深く考えました。
今、行っている医療的ケア児に関する情報発信を継続していくと同時に何かできることはないか?と。
例えば、医療的ケア児のママたちの「困ったこと」を集めてまとめる。レポートにして行政に提案していくということもできるかもしれない。
もしかしたらICTと教育で新しい事業がつくれるのかもしれない。
もちろん会議で議題に上がったことだけが社会課題ではない。
癒し、エンタメなど別の観点からもできることはあるだろうと思います。
このようにいつもとは違う視点で、深く考えさせられる会議でした。
とても貴重な経験をさせていただきありがとうございました。