(読み方)れすぱいと
目次
解説
1)レスパイトとは
一時中断、息抜き、休息などを意味する英語。病児を支えるご家族には休息が必要です。
2)レスパイトの意義
育児は24時間365日の営みです。そこに医療的な管理が加わると、どんなに体力、気力のあるご家族でも疲弊します。また病状や障害によっては一生を通しての営みともなります。お子様のためにも、ご家族は適切に休息をはさみながら、自身の心と身体を労わることが大切です。
3)レスパイトの方法
①療育、家事の代替者を集める
主たる養育者のほかに、病児の世話や家事を手伝ってもらえる家族員の検討。親類縁者、友人など、手伝いを頼める人をできるだけ集めましょう。しっかりと休める時間とまではいかなくても、自身のちょっとした用事を足すことができるだけで、ストレスが軽減します。
②家族会への参加
病児を支える養育者が集い、悩みを相談したりリフレッシュしたりする場があります。
例)ウイングス(医療的ケア児などのがんばる子どもと家族を支える会)https://wings-japan.jimdo.com/
③民間の家事代行サービスを利用する
支援者の少ない病児の養育者は、なかなか家事にまで手が回りません。家庭環境が乱雑になることでストレスを感じるご家族も少なくありません。
お金が許す範囲で、掃除や洗濯、買い物代行などのサービスを受けるのも一つの手です。掃除などはプロの手に任せると自分で行うよりきれいになるというメリットもあります。
④社会保障によるサービスを積極的に活用する
自治体により、公的なサービスの多い少ないはあるのですが、病児の療育はお金も時間も負担の大きいことですから、利用可能なサービスはできるだけお使いになることをお勧めします。
大まかなサービス種類としては下記があります。
- 訪問系サービス(ヘルパー、看護師看護師などに自宅に来てもらい必要な世話や医療的ケアの補助をしてもらう)
- 通所系サービス(児童発達支援所や放課後デイサービスなど幼稚園や学校のように通い、一定の時間子供を預かってもらい障害に合わせたケアを受けられる)
- 入所系サービス(医療型障害児入所支援=長期間のリハビリや体調回復を目的とした入所。医療型短期入所=ご家族の都合で数日~数週間、子供を泊りで世話してくれる。)等があります。
どのサービスを使うにせよ、障害区分の認定を受けていることが前提です。まずはお住まいの自治体(市役所、区役所、町役場、村役場)で障害区分の認定を申し込みましょう。そこで、その市町村にあるサービス事業所の種類や数を教えてもらうことができます。
⑤自費の看護師利用
訪問看護の事業所はそれほど多くなく、医療的ケア児には専門家の支援が必要です。
また、社会保障の範囲内では、時間や支援の内容もかなり制限されてしまいます。
長時間(2時間以上)看護師に子供を看ていてほしい、ついでにベッド回りも掃除していってほしいなど、臨機応変な対応をお望みであれば、自費の訪問看護サービスというものもあります。公的なサービスよりは費用が高くなりますが、より細やかなニーズに対応してくれるところがメリットです。
例)CANNUS(キャンナス) https://nurse.jp/
出典
参考文献
1.介護初任者研修テキスト第1巻 介護のしごとの基礎 第2版,黒澤貞夫、他編,中村法規出版株式会社,2018.
参考資料
1.札幌市ホームページ「医療的ケア児の支援に係る現状について」