【これから自宅で在宅酸素療法をする方へ】退院時に必要な手続きやアフターケア

今日は、自宅で在宅酸素療法を使用するための手続きについてご紹介します。

私の娘は、酸素吸入を行いながら生活する医療的ケア児です。

娘が1回目の手術の後に鼻にカニューレをつけていた時、「術後でまだ安定しないから酸素を入れてもらっているんだろうなぁ」と簡単に考えていました。

しかし、退院前に主治医から「念のために酸素持って帰っておこうか」と言われ、

「酸素持って帰るって…一体何?今だけじゃないの?病院外で酸素とかどうするの?娘はどうなるの?」

とパニックに。

心配する私に主治医は、「そんなに大げさに考えなくていいよ、大丈夫。薬の一つだと思ってくれたらいいですよ」と言ってくださいました。

在宅酸素について私が説明を受けたのは、

  • 酸素は24時間必要です。起きている時も寝ている時もつけていてください
  • 常時0.5リットルの流量で使ってください
  • 出かけるときも酸素ボンベを持って行ってください
  • 顔色や唇の色が悪い時はすぐに連絡してください(当時はパルスオキシメーターを使っていなかったのです)

の4点でした。それから約1年にわたって在宅酸素療法のお世話になっています。

この記事は、医療的ケア児のお母さんの体験談や感想をもとにしており、医療的監修は入っておりません。ご自身の手続きや医療情報については、必ず医療機関に相談の上ご判断ください。

在宅酸素療法とは?

酸素濃縮器とカニューレ、酸素ボンベ(小)です

在宅酸素療法とは、家庭で行える酸素吸入療法です。

Home Oxygen Therapy →HOT(ホット)とも呼ばれています。

在宅酸素療法を行うには、医師の診断のもと、業者と契約して自宅に酸素濃縮器を設置してもらう必要があります。

外出用の酸素ボンベや、酸素を吸うためのカニューレも同じ業者から手配してもらいます。

在宅酸素の業者を選ぶポイント

まずは酸素を手配してくれる業者を選びます。

選ぶ際のアドバイスや、連絡のやり取りなどは基本的に病院内のソーシャルワーカーさんが対応してくれます。

我が家は「帝人在宅医療株式会社」にお世話になっております。ほかにも「フィリップス」などが有名でしょうか。

きちんと比較されているご家庭もあると思いますが、我が家の場合は「この病院の人たちはほとんど帝人さんにお願いしてるよ、全国展開で融通も利くし」と言われたので、そのままそこで契約しました。

「全国展開なら旅行とかも手配しやすそう」とやっぱりここでもお出かけが基準となっていました。

初めてのことですし、いきなり酸素とか言われてもわけがわからないと思います。

基本的には病院の方の言う通りで大丈夫かと思いますが、比較検討の材料としては、

  1. パンフレットを見る
  2. 院内の実際に使っているご家庭の話を聞く
  3. 実際に使用している方のブログなどを見る

などの方法が挙げられます。

業者の担当さんから説明を受ける

在宅酸素の業者が決まったら、次は担当さんが来て説明をしてくれます。

私の場合は病室に来てもらいました。

在宅酸素療法とはどういうものかなどの説明等があり、時間としては30分ぐらい。そのまま契約もお願いしました。

我が家の場合はソーシャルワーカーさんも同席してくれました。

実際にボンベやカニューレを見る

担当さんが病室に酸素ボンベを持ってきてくれたため、大きさのイメージなどはつかみやすかったです。

ここでは実際に触らせてもらって使い方を知っておくことが大事です!

また、カニューレも未熟児用から幼児用まで様々なサイズがあります。

カニューレは4種類ぐらい持ってきてくださって、我が家は最初の2か月ぐらいは未熟児用を使用していました。

今は小児用を使用しています。サイズの変更等については後述します。

自宅に酸素濃縮器の搬入・設置をする

自宅に酸素濃縮器を設置する日を決める

設置の際は必ず家で誰かが対応しなくてはいけないので、家族に休みをとってもらったり、その時間だけ看護師さんに子どもを預けて家に戻ったりするなどして設置の日を決めます。

里帰り出産されている方など、どうしても家に誰もいないという場合は退院後に設置してもらうこともあるようです。

我が家は夫が朝対応してくれることになったので、夫の連絡先を担当さんに渡して2人でやり取りしてもらいました。

お子さんの具合などで都合が悪くなってしまったら、担当さんに連絡してみましょう。

我が家も設置予定日当日に大地震があって、一度予定を延期してもらいました。

自宅のどこに設置するのかを決める

事前に「どこに酸素濃縮器を置くかを決めておく」ということがとっても大事です。

設置場所のポイント
  • 普段の子どもの居場所を決めておく
  • お風呂などの移動に何m必要かを考えておく(延長コードの設定のため)
  • 平らで周囲15センチ以上あけることができるところにする
  • 火気から最低2メートル以上離れた場所に設置する!!!!!

以上4点です。特に最後の4点目は本当に重要です。

在宅酸素療法を行うときは、絶対に火気厳禁です!!!ご注意ください。

当日は業者の方から

  • 在宅酸素療法の説明
  • 事前に決めた設置場所で大丈夫かどうか
  • 延長コードは何メートル必要か

など確認があります。

無事に設置が完了し、動作確認までできたら書類にサインをして完了です。

説明書なども一緒にもらいますので、酸素濃縮器のそばで保管をしておきましょう。

機械設置後のアフターケア

設置後、思っていたよりも延長コードが短かった、カニューレのサイズが合わなかった、替えがなくなったなど、使ってみるといろいろとトラブルが発生します。

延長コードが短くてお風呂までたどり着けないことがわかった時は、担当さんに相談したらすぐに延長コードの手配をしてくださいました。

物品の管理

カニューレは郵送で届くので、残り2本ぐらいになったら送ってもらうようにしています。

カニューレのサイズでどれが合うのかわからない時は、とりあえず大きめのものを2種類ぐらい何本か送ってもらって、サイズを検討することもできます。

年に数回、機器の点検をしに訪問してくださるので、余ったカニューレなどの返品や、サイズの再相談も可能です。

物品は在庫管理もありますのでまとめて管理しておくことをおススメします(^^♪

左がパルスオキシメーターのセンサー、右がカニューレの在庫です。

我が家は一つの箱にカニューレの在庫がわかるようにまとめています。常に5本ぐらい入っていて大体2週間に一回交換しています。

緊急時の対応

我が家では、2018年の台風21号で停電し、その時に急きょ酸素濃縮器からボンベに切り替えるというトラブルがありました。

幸い、すぐに復旧したので手持ちのボンベで事足りたのですが、そんな時は急連絡先に連絡すれば、すぐに対応してくれます。

わからないことや不安なことがあればすぐに対応してもらえるので、安心してくださいね!

まとめ

いかがでしたか?

入院している間に酸素業者を決めろなんて言われるとびっくりしますが、病院も業者の方も慣れているのですぐに手配してくれます。

わからないことや不安なことはソーシャルワーカーさんや業者の担当さんに相談してみてください。

酸素濃縮器やボンベの使い方も、最初は「できるかな!?」と不安になるかもしれませんが、とっても簡単です。

怖がらずに一度触ってみてください。

退院前後のシミュレーションを家族と相談しておく事をおすすめします。

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