パートナーズ活動紹介!わたしの想いはただひとつ 〜当事者家族でも出来ること〜

アンリーシュパートナーズの智絵さんの職業は「公認会計士」
実は、アンリーシュにお仕事を委託してくださっている方でもあるんです。

智絵さんを突き動かしているのは、
医療的ケア児やその家族のために、何か出来ることはないか…」という想い。

ご本人も当事者家族ではあるものの、自らも何か出来るのでないかと多方面へ活動を広げています。
そんな智絵さんのパワフルな活動をご紹介したいと思います。

医療的ケア児のみづきちゃんのママ 智絵さん

【パートナーズインタビュー】動ける医療的ケア児みづきちゃん 〜ご家族の想い〜

 

智絵さんのお仕事

公認会計士として企業勤務をしていましたが、みづきちゃんの病気と向き合いながらの仕事は
メンタル的にも難しかったため、税理士として自宅で開業することになりました。
これもみづきちゃんの持ってきてくれたご縁ですね。

内山会計事務所

 

「心臓病の子どもを守る会(新潟支部)」

団体について

みづきちゃんは生まれつき心臓に異常があったため、お住まいの新潟県で「心臓病の子どもを守る会」に加入しました。
ネット社会となり情報が簡単に入るようになって、家族会に入る人も減り、家族会の高齢化が問題になっているそうです。
新潟支部を存続させるため、智絵さんは事務局担当となり、精力的に活動を行なっています。

加入者が減少している状態でも、家族会を存続させる意義をお聞きしました。

「心臓病の子どもを守る会(新潟支部)」

 

団体存続の意義

智絵さん
家族会では、国に要望を出す懇談会に出席することができ、意見を出せる立場にあります。
心臓病の子どもや家族が困っていることや、小児慢性の手帳のこと、障害年金のことなどに関して、守る会の会長さんが国に対し発言できるルートがあるので、これを途絶えさせてはいけないと思いました。
本部のみならず支部が必要である理由は、全国に患者がいて、全国的に要望があるという事を伝えるためなんです。
Tomoko
国に要望を出すという役割はかなり大きいですよね。
やはり団体でなければ、できない活動ですね。
智絵さん
そうなんです。情報がネットで簡単に手に入る時代になったので、患者会に入る必要性も少なくなっています。
家族会は会報誌なども発行しているので、賛助会費が発生します。でもこの賛助会費で子どもの未来を守ってくれているんだと思うと、応援すべきだと思ったんです。
Tomoko
個人の想いって、やはり届きにくいことがありますよね。『医療的ケア児支援法』が出来てから、一気に社会が動き出したようにも感じます。
智絵さん
やはり法の力はすごいですよね。
患者から言わないと国は動けないし、国も分からないことが多いんです。
この前会合があり、家族会として呼ばれたので私も行ってきました。
意見を言える場所があって、困っていることをすんなりと伝えることが出来、とても親身に聞いてくださいました。これを続けていくことで、社会が変わっていくんだなと感じることができました。

家族会に入るハードルは少し高いイメージを持っていました。
国への要望を伝える活動を精力的に行なっていて、国も家族会の存在意義を認めているというのは、とても大きな役割と果たしていると感じました。

 

付き添い入院の過酷さを知っているから…

みづきちゃんの病院は完全付き添いの病院です。
付き添い入院の過酷さを体感しているからこそ、それに関わる活動に参加したいと常日頃から考えていたそうです。

そんな時に知り合いからある活動に誘われます。
それが、マクドナルドハウスでお弁当を作るボランティアです。

もともとは『ママノユメ』という団体の活動の一つ。
「ママノユメ」は女性や子どもたち、女性を支えるすべての人々の「幸せ」と「夢」を応援している団体です。

智絵さん
みづきの通う病院の近くにできたマクドナルドハウスへお弁当を作りに行きました。
Tomoko
ボランティアの方は当事者の方が多いんですか?
智絵さん
いえ、自分の子どもが入院して大変だったというご家族の方や、ボランティア活動や地域貢献として参加している方で、半々ぐらいです。
ボランティアは利用者と運営する側とが両方存在しないと維持ができないので、マクドナルドハウスの必要性のためにも活動を応援したいと思っています。

新潟のマクドナルドハウスは、妊婦さんの受け入れも可能。
智絵さんも、妊娠中にみづきちゃんの心臓に異常がある事を知らされ、
不安な日々を過ごしていた経験をもっています。
出産間近になると、近くで待機しておくようにと言われることが多いそうです。

そんな方達へ安心を与えられる場所になっているんですね。

お姉ちゃんとみづきちゃん

 

アンリーシュへの委託(経理事務)

智絵さんはご自身のお仕事の関係で、医療的ケア児家族の就労が応援できるのではないかと、アンリーシュの活動に自ら打診してくださいました。

智絵さん
税理士の仕事はクラウドソーシングで出来るものもあるんです。就労で困っている医療的ケア児のご家族の仕事としても多様化が進み、税理士業務の一旦を担うことが可能なのではないかと感じています。
ただ、急に経理のお仕事をクラウド上でやるのはハードルが高いので、アンリーシュを通して業務を学んでもらい、スキルアップをして自分でもお仕事をとっていけるようになって欲しいというのが私の願いです。
Tomoko
家から出ることが難しい私たち医療的ケア児家族にとっては、クラウドソーシングのお仕事は本当に希望だと思います。だけど一人でやっていても不安だし、なかなか一歩が踏み出せない思いがありました。
当事者が集まるアンリーシュという場で、一から教えてもらえるのはありがたいなと思います。

お仕事を与える側と受ける側、両方が揃って初めて形となる。
智絵さんはその「与える側」としても、アンリーシュの活動に関わってくださっています。

これからもアンリーシュは、医療的ケア児家族の就労問題について模索していきます。

医療的ケア児家族の就労インタビュー(在宅ワーク編)

 

わたしが出来ること

Tomoko
色んな活動をされていますよね?
智絵さん
ゼロイチで何かを始めるのは大変で、とても難しいことだと思います。
私は誰かが声を上げたものには協力ができるので、今はそこを頑張りたいと思っています。

あとは子どものお金の教育としてキッズマネースクールもやってみたいんですが、なかなか動き出せてないのが現状ですね。

Tomoko
声をあげただけでは活動は大きくならないですもんね。その声に賛同してくれる人がいて初めて動き出す気がします。
だから智絵さんのような存在はとても重要だと思います。

キッズマネースクールも良いですね!
学校でも金融教育が始まっていますし、とても大事な学びだと思います。ぜひ実現していただきたいです!

みづきちゃんの病気が発覚し、今までやってきたお仕事を辞め、新たにお仕事を始めた智絵さん。
みづきちゃんが持ってきてくれた縁だと捉え、さまざまな活動に参加しています。

病気によって見えてくる世界があって、それは悲観的なものばかりではなく、希望や願いを叶えられる場でもあります。
お話を聞いていて、医療的ケア児と関わることで私たち医療的ケア児家族も、やれることがたくさんあると感じることができました。

まだまだやりたいことがある智絵さんは、みづきちゃんの病気とも向き合いながら、自分ができることを楽しんで探しているようでした。

これからもたくさんの活動が生まれていく事を楽しみにしています。

 

まとめ

コロナ禍によってオンラインの普及が広がり、外に出ていくことが難しい医療的ケア児家族ではありますが、新しい可能性を見出せました。

ただ個人でお仕事をしていくには不安がつきもの。
子どもの体調も安定しないとなると、親のメンタルも壊れていきます。

アンリーシュでは、東京都の委託事業としてペアレントメンター事業を請け負わせていただいています。(2024年現在)
東京都の医療的ケア児ご家族限定ではありますが、就労に関して同じように悩んできた医療的ケア児家族と話すことで、気持ちがラクになることもあると思います。

一人で抱え込まず、気軽にお話しできる場として活用していただけますと幸いです。

東京都委託事業 『医療的ケア児ペアレントメンター事業』が始まります

tomoko
ライター:tomoko
アンリーシュ運営メンバーとして活動。
兄と妹、真ん中に13トリソミーの医療的ケア児、葵結(あおい)を育てる3児の母。
医療的ケア児を育てながらお仕事を。在宅で出来る活動にチャレンジ中!!

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