この記事は、アンリーシュパートナーズ様(毎月定額寄付)の提供記事です。
みっちゃんママ 様よりご支援をいただき、完成いたしました。
日頃より貴重なご支援を賜りまして、ありがとうございます。
医療的ケア児と考えるブランドto:allaが誕生!
『みんなと違うところはあるけれど、みんなと一緒がいい』
そんな医療的ケア児や家族の思いを受け、
日々の暮らしの中で、家族も友達もみんなが心地よく使えるタオルを
繊維専門商社の丸眞株式会社さんが考えました。
開発の様子や込められた想いなどをご紹介します。
目次
プロジェクトスタートのきっかけ
丸眞社員の想い
このプロジェクトを任されたのは、医療福祉ビジュアルディレクターでもあるアートディレクター河東梨香さんです。
河東さんは、まず丸眞株式会社の歴史を調べるところからスタートしました。
どういう想いで会社がスタートしたのか、最初はどんなものを作っていたのか……
さまざまな年齢層の社員にヒアリングを行い、今の会社に対して何を考えているのかをピックアップしていきました。
その中からでた答えが
・色んな人のためになるものをつくりたい!
・じっくり考えた開発をしていきたい!
という声。
丸眞株式会社の社長の想いは
・ただただ作り続けるのではなく、社員がやりがいを感じてできる仕事を作ってあげたい!
両者の想いを総括し、社会課題をピックアップ。
その中で出てきたキーワードが『医療的ケア』でした。
『丸眞の事業』と『医療的ケア児のニーズ』が一致
医療的ケア児のことを調べていくと、家族が手作りをしていることに気付きました。
『手作りをしている=世の中に出ていない、モノが足りていないのではないか……』
また調べていくと、大量にタオルを使うことがあり、洗濯物がすごく多い。
丸眞はタオルを中心にものづくりをやってきた会社です。
「これは丸眞が役に立てる場所なんじゃないか!」
その想いから、医療的ケア児と一緒に考えていくプロジェクトがスタートしました。
実態のリサーチ
オレンジキッズケアラボとの出会い
今回、オレンジキッズケアラボさんに協力をお願いし、河東さんは一週間ほど通いました。最初の頃は「しっかり学ばなきゃ!」という想いで、メモや撮影を必死にしていたそうです。
しかしある時、「これは間違っている。メモとか勉強するためじゃなくて、一緒に過ごすために来たんだ」ということに気づきます。
それからは、ただただ一緒に居るだけの時間を過ごします。

オレンジキッズケアラボさんとの交わりは、商品を決定づけるうえで大きなヒントになったようです。
開発秘話
開発に2年以上かかったというこの企画。
アンリーシュの代表金澤が、開発会議に参加させてもらったり、オンラインでアンリーシュのメンバーもお話をさせていただきました。
開発チームは、たくさんの想いを受け取ることができたそうです。

Zoomにて開発会議に参加するアンリーシュ運営メンバー
当事者の想い
「名前が書ける場所が欲しい」
「バギーにつけて飛ばないようにして欲しい」
など、たくさんの意見が出ました。

それで、『なんの機能もついていないタオル』を作ることとなりました。
企業側の想い
一方で、企業側の想いも河東さんは汲み取らなければいけません。

だけどやっぱり、子供たちの肌に傷がつかないように、あえてネームやタグをつけないという選択をすることにしました。
企業ブランドを押しださず機能性にこだわったというところに、真剣に社会課題に向き合う丸眞さんの姿勢を感じることができます。
タオルの機能
ちょっとしたモヤっとを解消!



そうすることでパッと出してどこでも拭ける、裏返しても拭ける、そんなどちらの面も同じ手触りのものを作りました。


あと、ふわふわ感にはすごくこだわっていて。

不思議な感触です。
ユーザーのお母さんから、何ページもある写真付きの熱いメッセージをいただいたそうです。
そこには、ふわふわタオルに恋したという感じで、『いつもは傷ができてしまっていたんだけど、このタオルを敷いたら傷がなくなりました!』との声が。その時、コレ一本でいこうと思いました!!と語ってくださいました。
この熱いメッセージが、タオルの方向性を決める決定打になったようです。

支援する側・される側
今回のプロジェクトでは『to:allaの売上の一部がアンリーシュに寄付される』という形を作ってくださいました。
このような仕組みになったのは、あるキーワードが河東さんなかで引っかかったからだと言います。
立場が入れ替わることはない

このことがすごく気になっていて、ただ寄付されるという仕組みではなく、医療的ケア児家族がこれを購入することで、他の家族を支援する側にまわれるということをやりたかったんです!!
確かに、支援される側はいつも受け身の想いを抱えていることもあり、申し訳ないという想いがよぎることがあります。
アンリーシュは当事者が自分の経験や想いを発することで、別の当事者家族の支えになったり、専門家の方へ気持ちを届けたりと、当事者が活躍できる場として活動してきました。
アンリーシュの活動と、今回のプロダクトの想いが一致した寄付の仕組みを作ってくださいました。
また、パッケージには「医療的ケア児と考えた」と記されています。
『お店に並んでいる時に医療的ケア児のことを知らない人に見てもらい、考えるきっかけにして欲しい』という想いを込めているそうです。
知ってもらうことで新しい繋がりがふえることを願っています。

まとめ
私は「支援を受ける側は、永遠に支援受ける側」と感じていることに改めて気づきました。
医療的ケア児の子育てをする上で、常に誰かの支援を受け、それをありがたい!と想いずっと受け身で過ごしていました。しかし、それが時には苦しくもあり、誰かのお世話になってばかりだと思うこともあります。
その一方で、支援が受けられないと知るとそこに違和感を覚えたり、自分の中で苦しくなることさえありました。
「支援される側も支援できる、お互いがお互いを助け合うことでもできるんだよ!」と気づかせてくださった丸眞株式会社さんのto:allaプロジェクトには、とても共感を覚えました。
これからも当事者ならではの出来ることを探していきたいなと思います。

アンリーシュ運営メンバーとして活動。
兄と妹、真ん中に13トリソミーの医療的ケア児、葵結(あおい)を育てる3児の母。
医療的ケア児を育てながらお仕事を。在宅で出来る活動にチャレンジ中!!
表現が難しいですけど、どういう風に想いを通じ合ったらいいのかっていうのを、ただ一緒にいるだけで感じたというか……