この記事は、アンリーシュパートナーズ様(毎月定額寄付)の提供記事です。
tomoriaku 様よりご支援をいただき、完成いたしました。
日頃より貴重なご支援を賜りまして、ありがとうございます。
生後3ヶ月の時にSMA1型という病気の診断を受けたアンリーシュフレンズのサラちゃん。
人工呼吸器を使って生活をしています。
サラちゃんの病気が分かった時の想いや、今後保育園へ通いたい!という想いをお話ししてくださいました。
最後には現在のサラちゃんの様子を教えていただきました。
【お名前】 :サラちゃん
【病名】 :SMA1型
【医療的ケア】:気管切開・呼吸器・胃ろう
目次
SMA1型とは
SMAは4万人に1人ぐらいの割合で発症します。『脊髄性筋萎縮症』というのが正式名称です。
先天性の神経の病気で、筋肉が萎縮してしまいます。
呼吸をすることや食事をすること、生きることすべてに筋肉が使われているので、2歳までに治療しなければ、9割の子が亡くなってしまうという怖い病気です。
病気をいち早く発見する「新生児拡大マススクリーニング」という方法もあります。
こちらの動画をご覧ください。
脳には影響がないこともこの病気の特徴で、東大へ行かれてる方もいるそうです。ただ運動機能は個人差が大きくて、サラちゃんは一番重い1型と言われています。
サラちゃんの症状
生後2週ごろからフロッピーインファントといって、足が両サイドにパタンと倒れるような状態や、シーソー呼吸がありました。
生後3ヶ月のときに、SMA1型と診断されました。
風邪をひいただけなのに
生後5ヶ月のときに風邪をひいてしまいました。咳をしたり痰を出したり、私たちが当たり前にやっていることが筋力のないサラちゃんには難しく、肺炎になってしまいました。
新たな医療的ケア、人工呼吸器
酸素が全身にいき渡らなくなり、ICUへ。
挿管を行い、一時的に人工呼吸器を使い肺を動かしていました。
風邪症状が落ち着いたときに、呼吸器を外してみようと試みたのですが、その時には自力での呼吸は難しくそのまま再挿管。
そのタイミングで気管切開をし、人工呼吸器になりました。
声を奪われた瞬間、わたしは怒りを覚えた
サラちゃんの様子を見たときは、ママもまいってしまった様子で、
からだも思い通りに動かせくて、色んな人に助けてと伝えていかなきゃいけない病気なのに、どうして声まで奪われるんだろうと思ったそうです。
ICUを卒業し、小児病棟に戻ってからはどんどん元気になって、お鼻にチューブが入り、栄養がしっかり取れるようになると体重も増えていきました。
呼吸器の生活や鼻チューブからミルクをあげることは、想像していたより大変でした。やはり声が聞こえない、泣き声が聞こえないというのは、母親として何より辛かったです。
運動面の発達も著しく、首が少しずつ安定したり、呼吸器の回路を巻き込みながらも寝がりをしたりして、在宅生活にも慣れていきました。
保育園へ通いたい!
「春には地域の保育園に入園したい!」と頑張っていたものの、医療的ケア児の就学の課題は多かったそうです。呼吸器がついているという事もありスタートラインに立つまでに、さまざまな問題がありました。
スタートラインに立つまで
そもそも医療的ケアが必要な子が保育園に入ることは、全国的にも難しく、例があまりないということを知り、普通に保育園に行かせて仕事に復帰しようと思っていたママは、かなり厳しい現状に立たされました。
市役所の担当者に「保育園に入れたい」とプレゼン資料を作り、お話をしました。市役所の担当者も動いてくれて、ガイドラインを作ってくれました。
これでようやくスタートラインには立つことができました。
医療的ケア児を受け入れるための課題
最難関は『看護師の採用』でした。
吸引や胃ろうからの注入は、医療行為になるため看護師についてもらわないといけないのですが、採用がかなり厳しい状況でした。
サラちゃんは、呼吸器を必要としていたため呼吸器管理などの経験がある看護師さんも少ないようで、採用はかなり難航していまいた。
この記事は以下のYoutubeよりの書き起こしです。
詳しくはこちらの動画をご覧ください。
サラちゃんの現状
サラちゃんのママに、現在の様子をお聞きしました。
園のホールでは歌やダンスを見て、一緒に踊っているそうです。
色々壁もありましたが、保育園側もだいぶサラのことを分かってきてくれているように思います。
とても嬉しいご報告をいただきました!!
ご家族が悩んでいた現状をお聞きしていたので、こういうお話を聞けるのはとても嬉しいです。
きっとこれから就園を迎える皆さんにとっても、心強い存在となることと思います。
これからもアンリーシュはサラちゃんご家族を応援しています!!
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まとめ
医療的ケア児支援法ができて、支援がとても進んできていると感じます。
しかし、法律とは比例せず現状は厳しい状態です。ただでさえ人手不足と叫ばれている中での看護師配置の問題。医療的ケアができる看護師さんの確保は、特に地方都市では難しいのが現状だと思います。
法律ができたらからといって、急に受け入れが可能になるというわけでもないのです。
ただ、皆さんが努力してくださる姿を感じることができ、法律の大きさを身に染みて痛感しています。
これから1人でも多くの医療的ケア児のお子さんが、ご自身やご家族の望む教育が受けられる社会が実現することを願っています。
アンリーシュ運営メンバーとして活動。
兄と妹、真ん中に13トリソミーの医療的ケア児、葵結(あおい)を育てる3児の母。
医療的ケア児を育てながらお仕事を。在宅で出来る活動にチャレンジ中!!