【医療的ケア児】動ける医ケア児あいちゃん・重度心身障がい児ふうちゃんが飛行機に挑戦!

この記事は、アンリーシュパートナーズ様(毎月定額寄付)の提供記事です。
上間 さわ 様 よりご支援を
いただき、完成いたしました。
日頃より貴重なご支援を賜りまして、
ありがとうございます。

 

 

医療的ケアが必要でも、お出かけや旅行を思いっきり楽しみたいですよね。

栄養剤や必要物品などのたくさんの荷物に加え、ケアをしながらのお出かけは
事前の準備も必要で移動も大変なことが多いですが、

公共交通機関を利用してのお出かけでは、『新幹線の多目的室』を使ったり、
駅員さんの誘導やスロープ設置などの援助を受けることができ、
最近ではバギーや車椅子でのお出かけもしやすくなってきたように感じます。

 

では『飛行機』は…?

「どうやって乗るの?」「栄養剤は持ち込めるの?」「バギーは…?」
飛行機はハードルが高い・不安だなと感じておられる方も多いのではないでしょうか?

今回は、アンリーシュフレンズのお二人、
動ける医療的ケア児のあいちゃん・重症心身障がい児、寝たきりっ子ふうちゃんの飛行機での体験談をご紹介します。

あいちゃんの飛行機体験談

あいちゃん自己紹介
名前: あいちゃん

必要な医療的ケア: 胃ろう・毎日の浣腸

栄養剤: エンシュアH

 

【子ども用車椅子使用】

チケット予約

あいちゃんの利用した航空会社は『SKYマーク』です。

チケットを予約は電話にて行いました。
その際、あいちゃんの医療的ケアや車椅子について問い合わせをしました。

・胃ろうがついている(医療的ケアが必要なこと)

・栄養剤(エンシュア)の持ち込みについて

・子ども用車椅子に乗っている子どもが搭乗すること

栄養剤の持ち込みは大丈夫なのですが、処方箋を当日確認するので持ってきてください!とのことでした。

そして、バギーや車椅子に乗っている方は飛行機が離陸する1時間前までには飛行場へ行く必要がありました。

当日の荷物検査

飛行機に搭乗する前には、荷物検査が行われます。
栄養剤などは、カバンから出しての検査が必須です。
栄養剤は栄養物品として一緒にまとめていて、重いのでカバンの一番下に入れていました。

それを取り出し検査してもらわなければいけなかったんですが、
あいちゃんも車椅子だし、とっても大変でした。

機械に通さないといけないものは、ひとまとめにしておいた方が当日の荷物検査をスムーズに進めることができるなと感じました。

搭乗からフライトまで

車椅子はフロントまで持って行き、フロントで車椅子を預かってもらいます。
それからは、航空会社の車椅子に乗り換えて従業員さんに飛行機への搭乗を手伝っていただきました。

あいちゃんは、初めての飛行機で大きな音にビックリしてしまうと思うので、
いつも使っている3Mのイヤーマフを持って行きました。

あいちゃんは、新しい環境が苦手だったり、音過敏もあるので途中で体調が悪くなったり、泣き出したりしないかママはとても心配していました。

でもあいちゃんは飛行機に乗っている往復間、飛行機が離陸する前から飛んでいる間は、
ずっと寝ていたので、今回は泣くこともなく乗っていることができました。

本人は、一度泣かずに飛行機に乗れたことですっかり自信がついたようで、
「また飛行機に乗りたい!」と言っています。

 

カウンターから飛行機に乗る前の移動や降りる際に、係の方に手伝っていただいたり、
機内でもCAさんが「もうすぐ出発だよ。」「最初は大きな音がするよ。」
と優しく声をかけてくださって、ママもとっても安心することができました。

また家族で飛行機に乗っていろんなところへ
旅行できたらいいなと思っています。

【あいちゃんの初めての飛行機!アンリーシュ日記YouTube動画はこちら】

ふうちゃんの飛行機体験談

ふうちゃん自己紹介

名前: ふうちゃん

必要な医療的ケア: 胃ろう・必要に応じて吸引

栄養剤: ラコール(液体)

【バギー使用】

チケット予約や事前の準備

初めはとっても不安でした。
空の上で調子が悪くなったらどうしよう…

ふうちゃんは、気圧により体調やてんかん発作の頻度・強弱が左右されるので、
その辺りもかなり心配だったので、まず主治医に相談をしました。

先生からは、当日は万全の体調で臨むこと
ふうちゃんと同じ状態でも飛行機に乗って旅行する子をたくさん見てきたから、
今の調子なら大丈夫!との言葉をいただき、飛行機利用を決めました。

 

ふうちゃんの利用した航空会社は、『ANA』です。

うちは空港に近いので、直接ふうちゃんと一緒にバギーに乗って予約をしに行きました。
予約を取ったら、『おからだの不自由な方の相談デスク』へ問い合わせるよう言われました。

ふうちゃんは座位が保持できないので「アシストシート」のレンタルが必要でした。

アシストシートとは、チャイルドシート様なもので実際に使用したのは、
普段自家用車にて利用しているのと同じものでした。

いつも使っていて慣れているせいか機内の座席に座ってからも、おりこうで過ごすことができました。

 

搭乗からフライトまで

栄養剤の持ち込みには、証明できるものが必要とのことで『お薬手帳』を持参しました。
ケトルに用意してきたお茶や、ソリタなどの注入物は、その場で紙コップにて私が少し飲むことで持ち込むことができました。

バギーは必要なので荷物と一緒には預けず、皆さんが搭乗された後に搭乗させていただき
搭乗口ギリギリのところで、荷物として預かっていただきました。

機内に入ってからは、ひとつ問題が…

子どもの座る位置は、基本的に奥側(窓側)という決まりだそうです。
(*非常時に大人がすぐ行動できるように大人は通路側の席に座る。)

ふうちゃんは、いつも右を向く・右に倒れるという特性があります。
ふうちゃんのお世話や、フライト中に泣き出して、発作が誘発されたら大変なのでママはふうちゃんの右側に座る必要があったのですが、そうするとママが奥側になってしまうという問題。

どうしよう…困ったなぁ。

そこでその場でCAさんに事情を説明し私が奥側に座りたい旨を伝えました。
検討していただいたのち『では…今回は…』とのことで許していただきました。

座席の位置によっては、そんな思わぬ問題も出てきたりもするので、事前に身体の特性など、
気にかかることはお伝えしておいた方が安心ですね。

今後のためにトイレも見させていただきましたが、小さなベビーシートが設置されていました。
この時ふうちゃんは、4歳でした。
ふうちゃんの身体の大きさでは、トイレでのおむつ替えは無理でした。
搭乗する前に、済ませておいた方がいいですね。

注入に関しては、滴下でのボトル注入は難しいなと感じました。
手押し注入であれば、可能だと思います。

ふうちゃんを連れて、初めてで不安もありドキドキなフライトでしたが、
そんな私の思いを察してかCAさんが何度も声をかけてくださり、
ふうちゃんの体調を気にかけてくださいました。

すごく親切にしていただいてとってもありがたかったです。

 

着陸してから

無事に着陸をすると、場合によっては着陸地点からターミナルまでバス移動しなければいけないことがあるかと思います。

移動用のバスはものの5分・10分くらいの距離ですが、満員でギュウギュウな状態で、その中にバギーでの乗り入れは難しいです。

そこでバギーや車椅子利用の方は、家族も一緒に『リフトバス』を利用してターミナルまで送り届けていただくことができます。

吸引機について

吸引機をご使用されている方は、事前にメーカー名・製品名・型番号を伝えて、機内に待ち込めるか・機内での使用が可能かというのを確認する必要があります。

ちなみに今ふうちゃんの使用している、【日東工器のキュータム】は、持ち込みは大丈夫でした。
機内で使用する場合は、電池でのみ可能ということでした。

それぞれの航空会社によっても違いがあると思うので、問い合わせてみてくださいね。

Qtam (キュータム)日東工器

障がい者割引運賃について

障害者手帳・療育手帳等があれば障がい者割引が利用できます。

年齢が12歳以上で手帳をお持ちの方、および介護者1名までが対象になります。

12歳以下でも利用可能ですが、大人料金からの割引となってしまうため、
子ども料金が適応範囲内の場合、割引を受けるよりも割引なしの子供料金で購入した方が安値になるという場合もあります。

ふうちゃんも、障がい者割引を利用せずに、子供料金にて航空券を購入しました。

まとめ

飛行機は、身体が不自由だったり医療的ケアが必要だと、なかなかハードルが高いイメージですよね。

私もこれまで不安が大きくなかなか踏み切れずにいましたが、快適に安心して搭乗できるように
空港の従業員さんを始め、機内に入ってもCAさんたちが気遣いの言葉をかけてくださったり、
たくさんの方にお手伝いいただき、安心して利用することができました。

またひとつ利用できる乗り物が増えることで、お出かけや旅行先の範囲も格段に広がってきますね。

今回は、あいちゃん・ふうちゃんの体験談ということでご紹介させていただいております。

航空会社によっても多少の違いはあるかと思います。
また、身体の状態やバギーの仕様により、機内での過ごし方も変わってくるかと思いますので、
ぜひ、ご利用予定の航空会社へお問い合わせてみてくださいね。

 

 

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