東京都教育委員会は、痰の吸引などが必要な医療的ケア児が安全で安心して通学できるよう都立学校に学校看護師を配置しています。
今回は、ある特別支援学校での学校看護師の業務内容を紹介します。
目次
学校看護師の1日 ~特別支援学校~
登校
痰の吸引などが必要な子供の多くは、8時45分に看護師が乗車する専用のスクールバスで通学します。
登校後は保健室に向かいます。 教員はバスに乗車していた看護師から車内の様子を引き継ぎ保健室にいる学校看護師へ伝えます。 学校看護師は引き継ぎを踏まえて他の看護師や教職員とともに子供の健康状態を確認します。
朝の健康状態の確認
クラスのお友達同士挨拶をして子供たちは授業が始まります。
同じ部屋に看護師がいると子供のタイミングに合わせて、痰の吸引などを実施してもらえるので 子供も教員も安心して学習に集中することができます。
ケアをするときは優しく言葉かけをするとともに、子供の表情や反応を見ながら実施しています。 普段、子供のことを1番よく見ている教員が子供の姿勢を安定させ言葉かけをすることで、より安全にケアが実施できるようになります。
学校での医療ケアは医師の指示を記載したマニュアルに沿って行っており、どの看護師でも同じようにケアが実施できるようにしています。
給食
家庭から持ってきた栄養剤を滴下やシリンジで胃に注入したり ペースト状の給食を胃ろうから注入したりします。
言葉かけをしながら医療ケアが必要な言葉も、そうでない子供も楽しい給食の時間を過ごしています。
注入後は安静にしている子供の健康状態を観察して、その様子を記録し注入物品を片付けます。
帰りの会
気管切開部の吸引をする時は、吸引の前後で気管カニューレが適切な位置にあるか、固定バンドに緩みがないかなど細やかな観察をします。 また、痰の量や状態なども確認して記録します。 下校時に保健室で健康状態を確認後、子供はスクールバスに乗り込みます。
子供が下校した後は物品の片付けをします。 共用で使うパルスオキシメーターなどは毎回アルコール消毒をします。 また、医療機器の充電状況などを毎日点検して翌日に備えます。 常勤看護師にその日の子供の様子を伝えて学校看護師の1日の仕事が終わります。
学校看護師の働き方の特徴
学校看護師は、夜勤や残業はなく学校以外での土日勤務もありません。
週31時間勤務(1日7時間45分×4日)のほか週19時間以下の範囲で、朝から昼までの勤務など 柔軟な働き方が可能です。) ブランクがある方、小児看護や療育の経験がない方も勤務可能です。
学校看護師は子供の成長を近くで見守れる喜びがあります。
医療的ケア児が安全に楽しく学校生活が送れるようあなたも学校看護師として 一緒に働いてみませんか?
YouTubeで都立特別支援学校・学校看護師の1日の業務の様子を紹介しています。
非常勤看護師採用選考の詳細は、東京都教育委員会HPでご確認ください。