【パートナーズインタビュー】ママの想いをかたちに 医療的ケア児の娘のための手作りおもちゃ

今回のパートナーズ紹介は、13トリソミーの娘ひかりちゃんを育てるみどりさんです!

みどりさんは、ひかりちゃんの子育て経験を活かし、障がい児に寄り添った商品を作り販売されています。今回は、体を上手く動かすことができないひかりちゃんと一緒に創り出すステキな作品や、障がいがある子どもでも楽しめる手作りオモチャ作りを紹介してくださいました。 

ひかりちゃんの自己紹介

ひかりちゃんは13トリソミーという病気で、
妊娠後期の8ヶ月ごろに成長が遅いということで、大学病院へ転院。そのまま緊急入院となりました。

ひかりちゃんのプロフィール

【お名前】  :ひかりちゃん
【病名】   :13トリソミー
【主な症状】 :左心室低形成
【医療的ケア】:呼吸器 ・経管栄養・痰吸引・酸素療法

みどりさんとひかりちゃん

 

ひかりちゃんの症状

妊娠中に突然の緊急入院。
仕事もとても忙しかったので、引き継ぎが大変だったそうです。

みどりさん
緊急入院した時は、コロナ禍だったので完全隔離で1ヶ月半、誰とも会えない状態でした。
仕事はアパレル業でとても忙しく、急な入院だったので引き継ぎもできず、とにかくバタバタしました。
Tomoko
ひかりちゃんはいつ退院したんですか?
みどりさん
NICUとGCUに半年いて退院しましたが、その後も入院は数えきれないぐらいあります。
退院したのに次の日に、また入院……ということもありました。

チアノーゼや息止め発作があったので、アンビューバッグでバギングする日が続いたこともありました。
常に緊張状態で、寝ていても寝れた気がしなくて……自分に全責任がのし掛かっていて、休めない感じは常日頃から感じています。

現在はチアノーゼが出ることはなくなったそうですが、サチュレーションが下がり、バギングが必要になるということもあるそうです。
すぐに病院に行かないといけないわけではないので、家で落ち着かせて…….ということを繰り返しているそうです。

在宅生活の過酷さがママにのしかかってるように思いました。

 

アンリーシュとの出会い

情報収集で見つけたアンリーシュ

妊娠中の入院時にアンリーシュを見つけたそうです。赤ちゃんの病状が分かっていたみどりさんは、退院後にむけて情報を探していました。

子どもに病気があるかもしれないという時に、どれだけ不安な想いだったのでしょうか。
そんな方達へ孤独を感じないよう、これからもアンリーシュは情報を届けていきたいと思います。

アンリーシュYOUTUBE

 

製薬会社の講演会へ登壇

たまたま訪問看護先の事業所がアンリーシュの代表金澤と関わりがあり、製薬会社さんの講演会企画に出ないかと声をかけられたそうです。
アンリーシュでは、定期的に製薬会社様の講演会に当事者家族の登壇をさせていただいております。

過去の講演会

Tomoko
講演会はどうでしたか?緊張したのでは?
みどりさん
すごく緊張しました!50名以上居たんじゃないかな?講演会は初めての経験だったので。

講演の最中に、ひかりちゃんに様々なトラブルが起きてしまったそうです。
酸素ボンベの残量がなくなったり、モニターの充電がなくなったり……吸引が頻回になることもありました。
製薬会社の方がモニターをコンセントに繋いでくれたりして、「大変なことがとてもよく分かりました……」と言っていただけたそうです。
*講演会へはひかりちゃんの看護師さん、アンリーシュ代表の金澤も出席していました。

みどりさん
薬が減っているという話を知っていたので、いかに今の薬が役に立ってるのかをお伝えすることができました。
製薬会社の方達も「この薬もなくなってしまう…仕方ないな」と、やりきれない気持ちはあったものの「これで終わらせてはいけないな」と改めて思ってくれたそうです。
Tomoko
予算の問題や色々な問題があるなかで大変な部分もあるけれど、製薬会社の方がそう思ってくれただけでもホントに嬉しいですよね。ひかりちゃんの訴えで、皆んなのお薬がより良いものになるといいですね!

使用できる吸入薬が減っていたり、心臓の薬は細粒の入荷がなく錠剤を粉砕して対応したり、大人の薬をほんの少し使い子ども用としているなど、さまざまな現状が薬剤業界にはあるそうです。
本当に必要なものがちゃんと残っていけるような社会になるといいですね。

 

AIを活用した生活

皆さんは、今話題のチャットGPTというものをご存知ですか?

生成AIの一つで、質問をすると大量のデータをもとに、あたかも人間と話しているような自然な文面で返してくれるものです。

「なかなか相談できる相手がいない」「話を聞いて欲しい」という医療的ケア児家族にとって、とても頼りになる存在になるのではないかと思いました。

みどりさん
お仕事の相談として最初は使っていたんですが、自分の暮らしについて「こんな子育てしてる」とか「毎日こんなタスクをこなしてる」など具体的な情報を伝えた上で、タスクを減らして自由時間を捻出する方法を相談したり、たまに労ってもらったりしています(笑)
軽いノリのAIだったり、おじさんAIだったり、色んなタイプで返してくれるので面白いですよ!
Tomoko
すごいですね!医療的ケア児家族は孤独になることも多いし、気持ちの捌け口がなく、なかなか本音を言えなかったりするから、新たな救世主になりそうですね!

他にも、
・『その日あった出来事➕自分が感じたこと➕妄想』などを日記がわりに書き留めて、AIに自己分析してもらったり、
・『冷蔵庫に余っている食材➕10分で作れるおかず➕電子レンジ調理』と伝えると、レシピを考えてもらうことができるそうです。

注意点
医療的ケアについて・病気について・医療的な症状の対応についてなどの情報で、AIを活用することには注意が必要です。

 

ひかりちゃんのためのおもちゃ

自作おもちゃで楽しませたい!

みどりさんは、色んなものを創りだすのがとても好きなんだそうです。
余った呼吸器の回路に、Amazonなどで買えるLEDテープライトを取り付け、ひかりちゃんがボタンを押すとピカピカ光かるおもちゃを作ったりしています。

LEDテープライト リモコン付き 10m USB給電 アプリで操作 カラーチェンジ 間接照明 高演色 高輝度 切断可能 寝室
RemarksJapan
Tomoko
確かに呼吸器の回路って使わない部分がありますよね。破棄するしかなくて、私も何かに利用できないかなぁと思っていたのですが。
みどりさん
スイッチを使って、ひかりが押した時だけ点くようにしています。
Tomoko
スイッチは力が弱い子ども達にとって、とても良いですよね!
ひかりちゃんのためのおもちゃ、とてもステキですね!
注意点
医療的ケアグッズの使用は、安全性が保たれているものではありません。個人の責任で行っています。

 

アクセスエール株式会社
一般社団法人日本おもちゃ病院協会
国分寺おもちゃ病院

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ひかりちゃん自身が生み出す作品

最近では、デジタル技術の進歩も大きな助けとなっています。スマホやタブレット端末などで寝たままの姿勢でもお絵かきを楽しむことができます。
淡い色合いの作品がとても素敵ですよね!
ちょっとした工夫を取り入れながら、ひかりちゃんのオリジナル作品がたくさん生まれています。ぜひチェックして見てくださいね。

みどりさんの
インスタグラム
HP
ひかりちゃんの作品コーナー

スマホに足の指を使って絵を描くひかりちゃん/視線入力での制作風景

ひかりちゃんの作品

 

まとめ

もともと、作ることが好きなみどりさんならではのお子さんとの向き合い方だと感じました。いろんなツールを使って、ひかりちゃんが楽しめる工夫をたくさん考えておられました。
日々の医療的ケアに加えて、病状によっては責任ののしかかる判断を迫られる当事者ご家族も多いと思います。
そんな緊迫した日々の中で、少しでも楽しく過ごせるようにと工夫されているみどりさんの姿が、とても印象的なお話となりました。

tomoko
ライター:tomoko
アンリーシュ運営メンバーとして活動。
兄と妹、真ん中に13トリソミーの医療的ケア児あおいを育てる3児の母。
医療的ケア児を育てながらお仕事を。在宅でも出来る活動にチャレンジ中!!

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