パートナーズ活動紹介!「身体の動く部分を使って家電を操作できるリモコンの開発へ」クラウドファンディング開催中!

ALS(筋萎縮性側索硬化症)などの難病や、
突然の交通事故により重度の後遺症をおった方など、寝たきりで意思疎通が困難な方は全国で10万人以上いると言われています。

これまでできていたことが、
自分では何もできなくなる、

言葉も想いも伝えられない。

もしも自分が…と
想像することができますか?

しかし、決して自分には起こり得ないことではないのです。

「もう一度想いを伝えることができたなら…」

「身の回りの物を自分で思うように操作する
ことができたなら…」

そんな当事者・ご家族の切実な願いを叶える
ため長年に渡り、福祉機器の開発を続けておられる
アクセスエール株式会社
代表、松尾光晴さんの活動についてインタビューをさせていただきました。

開発当初から多くの方に愛され続けている松尾さんの福祉機器

代表の松尾光晴さんは、以前勤めておられた
会社で、重度障がい者を対象とした「意思伝達装置レッツ・チャット」や「障がい者向けリモコン、レッツ・リモコン」の開発を手掛けておられました。

2020年に独立され、
クラウドファンディングを経て新たに「意思伝達装置レッツ・チャット」の代替機として「意思伝達装置、ファイン・チャット」を開発されました。

 

操作のシンプルさ、使いやすさから
意思疎通の困難な方のコミュニケーションツールとして多くの方に支持され、当事者・ご家族の希望となりました。

意思伝達装置
ファイン・チャット

Rumi
暮らしや、コミュニケーションの課題に特化した商品を開発しようと思った理由は何ですか?
松尾さん
もともと電機メーカーだったので、
家電感覚で使える障がい者向けの福祉機器が欲しかったんです。

介護保険で使えるもの
ポータプルトイレやシャワーチェアなどはあるのに家電製品での福祉機器はなかなかないですよね。
「福祉家電」というようなイメージで、高齢者や障がい者のことをすごく考えているものを作りたかったんですよね。

まず以前勤めていた会社で
意思伝達装置の後、音楽プレイヤーの障がい者向けアダプタや障がい者が外部スイッチで操作できるテレビリモコンを作ったんです。

そして、独立後ファイン・チャットを開発しました。

Rumi

「福祉家電」ですか!なるほど…
確かに家電製品での福祉機器はないですね。
私たちの生活において、家電はなくてはならないものですが、
それは、障がいのある方にとっても同じですよね。
そしてその家電を自由に扱うことも障がいのある方にとっては、難しい場合も多いかと思います。

新たなリモコンの開発へ向けてクラウドファンディング実施!

松尾さんは障がいのある方が、
体の動く部分を使って家電機器を操作できる汎用リモコンの開発へ向けて、
クラウドファンディングを実施中です。

 

以前のリモコン「レッツ・リモコン」

レッツ・リモコン

以前勤めておられた会社時代に
開発・販売された商品「レッツ・リモコン」は、松尾さんの退職や製品在庫の終了等の理由から
2021年に販売終了となりましたが、販売当初より高い評価を得ていたそうです。

・手前のスイッチ(身体状況に合わせていろいろなものがある)を押すと「電源」の上に赤いマーク(LED)が点滅する。

・一定時間が経つと赤いマークが順次、次のボタンのところへ移動する。

・操作したいボタンの上が光ったところでスイッチを押す。

この操作によって高齢者や障がいのある方、
体を動かすことが困難な方がスイッチひとつでのテレビコントロールが実現しました。

今回はさらに新機能を搭載した
「家電リモコン」の開発へと向けて進んでおられます。

松尾さんの開発しておられる『家電リモコン』とはどのようなものなのでしょうか。

新たに開発するリモコンの特徴

今回新たに開発するリモコンは、
多様なニーズがあることが分かってきたので、ベースをスマートフォン・タブレットにして制作し、その画面の中で当時のレッツ・リモコンの機能を実現させます。

 

① 障がい者に対応したアプリ!

テレビの最小限の操作からさまざまな家電の操作ができるマルチリモコンまで対応。

もっと色々なことがしたいという方には、
テレビ以外にもエアコン・照明など赤外線で使える家電製品なら同時に同じスイッチでとスマートフォンの画面から入力スイッチ1つでの操作が可能となります。

 

② 誰でも安心・安全に使えるリモコン!

スマートリモコンで多くの実績のあるラトックシステム社と連携して、
WiFiを使わないことでシンプルかつトラブルのないリモコン環境を提案。

高齢者の自宅・病院・施設等は
インターネット接続がされてない、または自由にできない場所があります。

例えば、利便性の高いスマートスピーカーは
全てインターネット接続が前提となります。
停電後の復旧時などのネットワークトラブルや場所によっては使用できないこともあります。

本来なら電池などで当たり前に動くリモコンが使えなくなるとすごく不便なんです。
今回開発するリモコンは、インターネットも関係ないし、サーバーやプロバイダー契約も必要ありません。

 

③ 今までにない手に取りやすい価格!

高機能な障がい者向けのテレビリモコンはこれまでにもあったのですが、それらは30〜40万円もする高価なものでした。
今回開発するリモコンは同等のシステムを4万円以下で提供予定としています。

使用するにはスマートフォン・
リモコンユニット・入力スイッチが必要です。

今回のクラウドファンディングでは、リターンとしてフルセットをご用意されているそうです。
あとはスマートフォンがあれば手軽に使用可能となります。

 

商品の詳細はこちらから

 

松尾さん
自宅でまた入院生活において、
身動きが取れない・体の自由も効かない。
テレビを見たくてもリモコンも操作できない。
何度もナースコールをすることもできない。
そんな状態が
自分で自由にテレビ操作をできる
だけでも苦しい入院生活、一人の生活が少しでも変わるんです。

それだけでもすごく大きなことなんです。
Rumi

自由に好きな時にテレビを見ることができる。またそれを自分で操作できるようになるってすごく大きなことだと思います!
日々の生活も変わってきますよね。
自分でできることが自信にもなるし、QOLの向上にも直結しますよね。

Rumi
新たに商品開発へと動き出したのは何故ですか?
松尾さん
最近はタブレットやスマホでも
スマートスピーカーを使ったらリモコンになるので必要ないかな…と思っていたんです。

でも使いやすい、障がい者に特化した
リモコンがなかったので、最近になって

「レッツ・リモコンを修理して欲しい!」

「もう一つだけ欲しいのですが何とかなりませんか?」

などの声が多数寄せられました。
それを受けて『作らないといけない!』と立ち上がったんです。
今だに根強いニーズがあると感じています。

クラファンページでも、多くの支援者の方
からの応援のメッセージが寄せられています。

身体のわずかにでも動く部分を使って操作できる様々なスイッチ

こんなにも便利な商品があっても、
操作できなければ意味はないですよね。
身体の不自由な方が機器を操作するための
補助機器である「入力スイッチ」は必要不可欠です。

障がいも様々で、動かせる部位や動く方向・
力の加減もそれぞれ違います。
松尾さんはこれまで、多くの身体障がい者の
もとへ自ら足を運び、その方に合った多くの
スイッチをよりよく使えるよう支援して来られました。

人差し指や
まぶたのわずかな動きに対応

親指や
足の動きに対応

商品本体の存在は知っているけど、
体が動かないから操作は不可能だ…

うちの子には無理かな…

そんなふうに思っている方は、少なからず
おられるんじゃないでしょうか?

身体のわずかでも動く部分があれば、
意思を伝えることやテレビ、身の回りの家電を
自由に操作することが可能なんです。

それを可能とする様々なスイッチを、松尾さんは提供してきました。

スイッチの選び方に関するHP「マイスイッチ」はこちらから
(「スイッチ事例」に実際に使用されている利用者のお写真や動画があります。)

スイッチ集はこちらから

 

松尾さんよりこんなエピソードをお聞きしました。

松尾さん
あるお宅の子どもさんで、妹さんが
重度障がいがあり意思の疎通や体を動かすことが難しく、お姉さんは健常者の姉妹がおられたんです。

お母さんは、姉妹としてこれからどのように付き合っていくのだろう…と
心配されていたんです。
機器・スイッチを導入し、妹さんが
自由にテレビのチャンネルを変えることができるようになって、
今までは、お姉さんの方にテレビ権があったようですが、
妹さんもチャンネルを変えれるようになったことで、チャンネル争いをするようになったらしいんです。
お母さんは、自由にチャンネルを
変えれるようになったことも、もちろん嬉しいですが二人がチャンネルを通してケンカをしてるのが本当に嬉しくて!とお話ししてくださったんですよ。

たまにお姉さんが負けて泣いちゃってることもあるとか。

Rumi
うちも姉妹なので、お母さんの気持ちすごくわかります!
それは、嬉しいですね!
自由にチャンネルを操作できるようになるのも夢のように嬉しいことですが、そこからどんどん世界が広がりますね。
本当に家族にとっても希望になる商品だと思います!
こんなにもたくさんの種類のスイッチの存在を、多くの方に知って欲しいです!
そうすると、きっともっと多くの方に使っていただけると思うんです。

新たな商品開発にかける想い

Rumi
新たな商品開発にかける、松尾さんの想いを聞かせてください。
松尾さん
パナソニック時代の時に作った
自分の商品が、評価してもらえると分かって、改めて内容をリニューアルして作るというのが自分としては嬉しいです。
これまでやってきたことが時代の
流れに関わらず必要とされているんだと思ったんです。

障がい者・高齢者の場合、
健常者と違って高機能、多機能がいいわけじゃないんです。

そして、最先端の物ががいいわけでもない。

例えば、テレビのリモコンに
押したことのないボタンはありませんか?
一般の人からしたら、必要のない
ボタンはただ押さなければいいんです、
でも障がい者・高齢者からしたら間違えて押しちゃうんです。

その人のニーズに合わせて適切なものでないといけない。
今回のリモコンも適切なものに
画面をカスタマイズできるものにしていこうと思っています。

その人その人に合ったニーズや
理解力・使用場所に応じたリモコン環境を作れるようにしたいです。

それによって、格段に生活が
豊かになるんですよね。

まとめ

今回はアクセスエール株式会社、代表 松尾さんにお話をお伺いしましたが、
実はお父様がALSに罹患され、闘病されていたという経験をされています。

家族という当事者の立場をご経験されて
おられるからこそ、少しでも障がいのある方の生活が豊かになるようにと利用者さんの立場に立って物事を考え、また寄り添ってこられました。

とても温かいお人柄が伝わってきました。

松尾さんの想いが、また当事者・介護されているご家族の希望となる商品が、
必要とされる多くの方へ届いたらいいなと思います。

クラウドファンディングは6月末日まで
開催しています。

ご興味のある方はぜひクラファンページをご覧ください!

アンリーシュは、松尾さんの活動をこれからも応援しています!

松尾さんはアンリーシュパートナーズ
(毎月継続寄付)として、アンリーシュをご支援してくださっています。

最後にアンリーシュについて質問させていただきました。

これからのアンリーシュへ

Rumi
いつも温かいご支援を賜りまして、ありがとうございます。
最後に、これからのアンリーシュに望むことはありますか?
松尾さん
医療的ケア児の社会環境を良くすること、またご家族の生活を守るというところで一生懸命活動されていますね!

そうですね…
一緒に連携することによって、
お子さんのQOLを上げるために、またこの電子機器が増えている時代に合わせて育っていくことができるように、
いろいろな機器などを使えるところまでを支援して、将来的に自律へ向かえるよう何かできたらいいなと思います。

そして私もそのお手伝いができたら嬉しいです!

Rumi
ありがとうございます!
これからもよろしくお願いします。
私も当事者として、またたくさんの医療的ケア児ちゃんと繋がりを持たせていただいていますが、本当に子どもの可能性は無限大だと感じます。
子どもたちが豊かな生活を送れるように、QOLの向上に向けて一緒に活動できるのが楽しみです。

nbsp;

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