読み方【けいび ちょうかん えいよう】
目次
「経鼻腸管栄養」とは?
経鼻腸管栄養とは、経管栄養の一種です。
鼻の穴から腸までチューブ(EDチューブという)を入れて、直接腸に水分や栄養分、お薬を注入する方法です。
胃から食道への逆流が強い場合に用いられます。
経管栄養には他に経鼻胃管栄養などがあります。
経鼻腸管栄養のメリット・デメリットは?
メリット
- 胃管チューブよりも柔らかい素材で出来ており、長期間入れたままにすることが可能です。
- 注入前にチューブ先端の位置を確認する必要はありません。
- 経鼻胃管栄養よりも、嘔吐とそれに伴う誤嚥のリスクが少なくなります。
デメリット
チューブが細くて柔らかく、入れる時はEDチューブの内側に針金を通す必要があります。そのためチューブを入れるのは医師が行います。
内視鏡を使って入れることもあります。
EDチューブが入っている時の注意点
EDチューブが詰まらないように注意しましょう
【理由】
EDチューブは胃管チューブに比べてとても細く詰まりやすいからです。
【予防策】
- 栄養剤を注入する前に、必ず白湯をEDチューブに注入して開通していることを確認します。
- 栄養剤を注入した後は、再度白湯をEDチューブ内に注入して栄養剤を洗い流します。
- 粉のお薬をEDチューブから注入する場合は、あらかじめ完全に白湯に溶いてから注入しましょう。また注入後は、白湯をEDチューブ内に通して洗い流すことも忘れないようにしましょう。
チューブを確実に固定しましょう
【理由】
EDチューブは一度抜けると入れることが難しいからです。
【予防策】
テープは、鼻翼(鼻の横の膨らみ)と頬の2ヶ所で固定します。
鼻翼はテープの中央に切り込みを入れて、それをEDチューブに巻き付けるように止めます。頬はEDチューブの丸みに沿ってテープで包み込むようにし、EDチューブが直接頬に当たらないようにしましょう。
固定する時にEDチューブが皮膚に直接当たるとすぐに潰瘍(傷)ができます。潰瘍ができると、もう片方の鼻の穴から再度入れ直す必要があります。
EDチューブは、抜けないようにしっかりと固定しつつ、皮膚の保護にも注意することが大切です。
経鼻腸管栄養のトラブルの時の対応
白湯を注入しても入らない場合
万が一、白湯を注入しても入らない場合は、無理に注入すると、EDチューブ内の圧が上昇し、
EDチューブが破損・断裂する可能性があります。
力を入れて無理に注入せず、医師に連絡しましょう。(おそらく病院で入れ替えとなります。)
EDチューブが抜けかけている場合
EDチューブは、NGチューブよりも素材が柔らかいので、抜けた分を再度入れることは難しいです。どのくらいの長さが抜けたのか、医師に連絡して指示を待ちましょう。
まとめ
今回は経鼻腸管栄養とEDチューブの特徴・注意点をお話しました。
NGチューブと違ってご家族で入れることが出来ない点が大きな違いです。EDチューブが詰まらないようにすること、抜けないようにすることを覚えておいて下さいね。
【参考文献】
【参照】
【ライター&監修】
ゆっこ
【経歴】
看護師歴17年目。大学病院では、救命救急センター、外来、病棟、透析センター、内視鏡センターで勤務。その他に看護専門学校教員、訪問看護など様々な現場を経験。得意分野は救急看護。
2020年からはフリーランスとして、看護師ライター、看護師シッター、オーダーメイド看護、イベント救護室、健康相談員として幅広く活動している。
プライベートでは、9歳、5歳の子どもを育てる2児の母。
5歳の子どもは先天性声帯狭窄症で気管切開をしている医療的ケア児。都内の認可保育園に看護師配置のもと通園している。就学前の抜管に向けて治療中。
自身の経験をブログで発信中。