【特別児童扶養手当とは?】金額や申請方法について。体験談も記載!

こちらの記事では、医療的ケア児がもらえる可能性がある手当について解説していきます。

今回は「特別児童扶養手当」です。

ライタープロフィール

お名前:増子邦行

経歴:認定NPO法人フローレンス(医療的ケア児コーディネーター)

NPO法人フローレンス・ナンシー https://nancy.florence.or.jp/ 

医療的ケア児コーディネーターまとめサイトhttps://kodomoday.jimdofree.com/

「特別児童扶養手当」とは

特別児童扶養手当とは、精神又は身体に障害のあるお子さんに手当を支給することにより、これらのお子さんの福祉の増進を図ることを目的にしています。

20歳未満で精神又は身体に障害のあるお子さんを、育てているご家庭に支給されます。

特別児童扶養手当の金額はいくら?

特別児童扶養手当の金額は、等級によって異なります。

1級が52,500円、2級が34,970円です。それぞれの等級について、対象になる方を解説していきます。

 👉手当は物価変動によって調整されるため、金額や所得制限が変更になる場合があります(こちらはR3年度の情報です)

特別児童扶養手当はどんな方が対象になる?

どのくらいの障害で対象になるかは、以下のような目安があります。

ですが、自治体によって判断基準が違ったり、また診断書の内容で判断されるので該当にならない場合などもあります。

特別児童扶養手当1級の対象者とは

以下の障害程度の方が1級の対象です。

  1. 身体障害者福祉手帳1~2級程度
  2. 療育手帳A程度(知的障害1~2度 程度)

特別児童扶養手当2級の対象者とは

以下の障害程度の方が2級の対象です。

  1. 身体障害者福祉手帳3~4級程度
  2. 療育手帳B程度(知的障害3~4度 程度)
  3. 手帳をもたないが、障害・疾病等により日常生活に著しい困難がある場合(所定の医師診断書が必要)

特別児童扶養手当は年何回、何月に支給されるの?

4月、8月、12月に、原則として前4ヶ月分がまとめて支給されます。

原則として11日に振り込まれる自治体が多いようです。

例)1級の方であれば、52,500円 × 4ヶ月 = 210,000円が、毎年4月、8月、12月に支給されます。

所得制限について

特別児童扶養手当の支給には所得制限があります。

保護者(扶養義務者)の前年の所得が基準額を超えた場合は、支給対象から外れてしまいます。

この基準額は、扶養親族(生計を共にする、養っている人)の人数によって変わります。下記に一覧を載せたので参考にして下さい。

扶養親族の人数 保護者(扶養義務者)の前年の所得
1人 653万6000円未満が対象
2人 674万9000円未満が対象
3人 696万2000円未満が対象
4人 717万7000円未満が対象
5人目以降 1人につき21万3000円加算

 

また、所得の計算方法は、

所得額 = 保護者の年間収入額 - 諸控除

となります。

稼いだ金額から、控除額を引いたものが所得ですね。

控除にはいくつか種類があります。参考までにいくつかの控除を載せておきます。

障害者控除 270,000円
特別障害者控除
(障害の程度により障害者控除とどちらか)
400,000円
寡婦控除 270,000円
ひとり親控除 350,000円
医療費控除 当該控除額

特別児童扶養手当の具体的な申請方法

ここからは、具体的な申請方法について解説していきます。

特別児童扶養手当の申請先

特別児童扶養手当は国の制度であり、都道府県が実施主体です。なので全国どこにお住まいの方でも申請できます。

申請窓口は、お住まいの市町村の「子ども課」などの子育て支援の窓口です。※自治体によって、担当する課や課の名前が違います)

事前に役所に電話をし、「特別児童扶養手当」の申請はどの課になるのかを確認しましょう。また、「必要書類があっているか」「所要時間」「窓口が空いている時間帯」を確認のうえ手続きに行くと、スムーズです!

申請のための必要書類

以下が主な必要書類です。自治体によって変わりますので、必ず事前に申請窓口に電話をするなどして確認して下さいね。

  • 所定の診断書(診断書がなくても、身体障害者手帳や療育手帳でお手続きが可能な場合があります) 
  • 身体障害者手帳または療育手帳(愛の手帳)をお持ちの方はご用意ください(必須ではないです
  • 戸籍謄本(申請者と子ども) 
  • 住民票の写し(世帯全員記載のもの) 
  • 所得証明書(扶養義務者
  • マイナンバーが確認できるもの
  • 印鑑
  • 銀行通帳 ※自治体により、口座名義人の指定がある場合がありますので、担当課に確認下さい

その他の注意点

特別児童扶養手当は、毎年8月〜9月に「現況届」を提出する必要があります。

「現況届」とは、手当を引き続き受給する条件に当てはまっているかどうか、所得状況やお子さんの養育状況等を提出するものです。

未提出のままですと、受給資格がなくなりますので注意してください。

迷ったら窓口で相談が一番!

行政は必要な情報を発信していますが、やっぱり自分で動かないと情報は得られません。

正確で手っ取り早いのは、やはり行政の相談窓口への相談です。

ネットの情報では、自治体による細かい必要書類の違いなどは書かれていません。実際に書類を提出する、お住まいの自治体などに確認した方が確実です。

行政に相談しても、残念ながら頼りにならない相談者もいます。もしもそういう時は早めに見切りをつけ、別の相談相手を見つけた方がよいです。(障害福祉課勤務の経験者より)

実際に申請したみなさんの体験談

こちらは、アンリーシュに寄せられた、実際に申請した方の貴重な体験談です。

これから申請する方はぜひ参考にして下さいね!

特別児童扶養手当は、引っ越したら隣にある義実家と収入をひとまとめにされました。世帯が別でも、道を挟んだ反対側くらいの距離だと世帯収入をひとくくりにされる場合があります。(ひとり親家庭の手当と同じだとか)

なので、義実家の収入の確認等の手続きがすごく大変でした。

「うちの子は特別児童扶養手当には当てはまらないな。もっと重度な子だろうなぁ」と思ってました。保健師さんにも「〇〇ちゃんは当てはまらないと思うよ」と言われていたので、2歳まで申請しませんでした。

でも2歳過ぎに入院中に知り合ったママさんから、多分〇〇ちゃん当てはまるよ!同じ病気でもらって子いるよ!と言われ、念の為申請してみたら、なんと1級に該当👀

あーーはやく申請しておけばよかった😢😢ととても後悔しました。県によって基準もばらばらですし、HPに書いてある基準に当てはまるかどうかは聞いてみないとわからないので、迷ったら申請してみたほうがいいと思います!生活費にかなり大きく響きます!

我が家はこんな感じで申請しました!

病院のソーシャルワーカーさんに対象か確認する▶︎申請が通るだろうとなる(主治医にも確認済だが、基準が変わることもあるので確実とは言えない)▶︎診断書作成依頼をする▶︎受け取ったら役場の障害福祉課に申請▶︎県からの結果待ち▶︎郵送で結果が送られてくる

申請時には、診断書と調査票(日常生活でどこまで出来るか、介護がどの程度必要か、また在宅生活なのか通所を利用しているのか等の簡単な質問事項に答える)とマイナンバーが分かるものと印鑑が必要でした。

心疾患で2級・呼吸器疾患で2級の認定が降りたので、1級の額が支給されています。(2級の認定が2つ降りると合わせて1級相当になるそうです)

気をつけないといけないのは、診断書の日付を申請期間中の日付で書いてもらわないといけない点です。うちの病院は依頼した日付になってしまうので、備考欄にこの日付で書いて欲しいとお願いしました。

ちなみに初回は基本的に有効期限が1年なので、1年後に再申請して有効期限が伸びる感じです。

障害児福祉手当と両方とも該当なのに、1つずつ紹介されて、診断書をもらい申請するという手続きを2回やりました。

両方とも該当するなら一気に手続きやりたかったなと思いました。

【参考資料】

・厚生労働省 特別児童扶養手当について
https://www.mhlw.go.jp/bunya/shougaihoken/jidou/huyou.html

・神奈川県 令和3年度特別児童扶養手当パンフレットhttps://www.pref.kanagawa.jp/documents/59409/tokuzi.pdf

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