みなさんこんにちは!アンリーシュライターのなおこです。
私は先日、ついに骨髄バンクに登録をしました!が、実際に登録までの流れは意外とわかりづらく、調べてもなかなか欲しい情報にたどり着かない…
そもそも骨髄バンクって何?骨髄を提供するってどういうこと???
っていう方もたくさんいると思います!今回はそんな方のために、骨髄バンクの解説と、登録までの流れ、そして実際に骨髄移植のドナー(提供者)になったらどうなるのか?を徹底解説しちゃいます。
骨髄バンクに登録してみようかなとは思うけれども、いまいちよくわからない…そんなあなたの、少しでも助けになれば幸いです!
目次
骨髄移植について知ろう
骨髄移植とは
骨髄移植には、実は2種類あります。
まずは「骨髄移植」。これは、ドナーの骨の内部にある骨髄液(血液を作る細胞を含む液)を採取し、患者に移植する方法です。
それから「末梢血管細胞移植」。こちらは、ドナーの血液中から造血幹細胞(血液を作る細胞)を採取し、患者に移植する方法です。
これにより、急性リンパ性白血病(血液のがん)や、再生不良性貧血(血液を作る細胞の機能が低下する病気)などの病気から、患者を救うことができます。
次に、詳しい採取の方法とそれぞれのリスクについて解説していきます!
骨髄液採取の方法
骨髄液は、骨の内部に存在しています。
腰の骨から採取するのが一般的で、採取の際は全身麻酔をし、骨盤を形成する腰の骨に数十カ所注射器を刺して採取します。所要時間は通常1〜3時間。
2〜3日で退院でき、採取して減った骨髄液は、その後速やかに元に戻ります。
骨髄採取に伴うリスク
①採取した場所に痛みが残ることがあります。こちらは個人差があり、概ね7日未満で消えますが、稀に1ヶ月以上残ったという例もあります。
②発熱や吐き気といった症状が出ることがあります。通常1〜2日で戻ります。
③注射針を刺した針の跡が残ることがありますが、半年以内に消えることがほとんどです。
末梢血幹細胞採取の方法
末梢血幹細胞移植は、ドナーの血液中から造血幹細胞を採取する方法です。
採取前の数日前から白血球を増やす薬を投与し、その後、造血幹細胞を主に腕の血管から採取します。通常かかる時間は3〜4時間で、ほとんどの人が1〜2日で退院できます。
全身麻酔をしないだけ、リスクは骨髄採取よりも低くなります。
末梢血幹細胞採取に伴うリスク
①採取により、頭痛、倦怠感、節々の痛み、吐き気などが出ることがあるが、すぐに回復します。
②血小板が減少することがあるが、その際は適切な処置が行われます。
以上が、骨髄移植の方法とリスクです。ここからは、具体的な、ドナー登録の方法について解説していきます!
ドナー登録の方法
ドナー登録は、骨髄バンクに「骨髄バンクドナー登録申込書」を提出することで登録できます。その際に少量の血液を採取しますので、登録は、登録を受け付けている施設や場所まで出向く必要があります。
登録できる場所は、「登録窓口」として、骨髄バンクのホームページに一覧が載っています。関東近県は、献血ルームが多いですね。全ての献血ルームで受け付けている訳ではないので、事前にチェックが必要です。
また、地方によっては、その地域の福祉センターや保健所、赤十字血液センターなどの場合もあります。
「骨髄バンクドナー登録申込書」は、事前に骨髄バンクのホームページからダウンロードすることもできるし、郵送で取り寄せも可能です。当日、会場で書くこともできると思います。
私の場合は、献血をしようと思って献血ルームに行ったら、登録キャンペーンを行なっていたので、その場で説明を聞いて登録しました!
(申込書はこんな感じです!)
提供候補者になったら
骨髄バンクに登録した人のうち、生涯で1度でも提供候補者になる確率は、約30%です。中には、2回以上通知が来る人もいるらしいです。
候補者になった場合は、郵送で候補者通知が届きます。なので、もし引越しなどをした場合、住所を更新しておく必要があります。
事実、住所の更新をしておらず、宛先不明で通知が届かない場合もあるそうです。なので、現在は献血者コードを持っていれば、そちらに紐つけておくこともできるそうです。
もし、実際に骨髄を提供することになれば、数日の入院が必要になります。
その時の健康状態や、家族の意向、また仕事やその他の事情で入院できない時もありますよね。その場合は、もちろん提供を断ることもできます。
通知が来てから、返答をするまでには数週間の猶予があります。
しかし患者にとって時間は有限であり、もしマッチングできなかった場合は速やかに次の候補者を探したいため、返答をなるべく早くしてほしいという問題が、最近はあるようです。
もし通知が来たら、提供の可不可に関わらず、早めに返事ができるといいですね。
提供の最終的な同意は、移植コーディネーターと医師、立会人が同席のもと、本人と家族による最終的な意思決定の合意が行われます。
入院が必要になり、リスクもあるので、家族の同意がない場合は提供できません。
また、最終合意がなされた場合、それ以降の撤回はできません。
なぜなら患者はその時点から移植に向けた準備を始めるからです。骨髄移植は患者にとっても大きなリスクを伴います。重篤な患者にとって、それは決死の覚悟となります。
骨髄提供に伴う入院費用や補償制度について
提供に伴う入院費は一切かかりません。
また、万一健康被害が起きても、補償制度として、最高1億円の補償があります。移植後はコーディネーターによるフォローもあります。
万一、死亡した際は一律1億円、後遺症が残った場合は、その程度により400万〜1億円の補償がありますが、日本ではまだ、移植に伴う死亡事例はありません。
骨髄バンク制度が始まってから、過去2万人以上から骨髄が採取され、入通院保険の適用事例があるのは181人です。(2019年12月現在)
提供に際し、休業補償などはありませんが、その一部を助成金として補助してくれる自治体もあります。
また、骨髄提供に伴う入院に、給付金を出している保険商品もあります。こちらは、各保険会社への問い合わせとなります。
提供後のドナーと患者の交流について
ドナーと患者の面会は、公平さと相互プライバシーの点から認められていませんが、移植後に、骨髄バンクを通じて、年に2回だけ手紙を出すことができます。
また、ドナー側も患者側も、相手を特定できるような個人情報を知ることはできません。
ただし、最終同意後に希望があれば、患者の性別・年代・居住地方はコーディネーターを通じて知ることができます。ドナーについても同様の情報が、患者主治医を通じて患者に伝えられます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
ドナー登録も、提供も自由意志なので、提供を断ることもできます。一度登録したけれども、やっぱり辞めたくなれば、登録を保留したり抹消することもできます。
献血と同じで、全ては提供者の善意で成り立っているシステムなのです。骨髄バンクが「命のボランティア」と言われているのはそのためです。
骨髄バンクの発表では、過去に実際に適合した人は登録者のおよそ30%ですが、実際に提供に至った人は2.4%と、適合した人の1割以下の数字となっています。
ドナー側の健康状態や、仕事やその他の都合、家族の同意が得られなかったなどの理由の他に、患者側の病状悪化や、適合しても移植前に亡くなってしまうという場合もあります。
私は以前から骨髄バンクには興味がありましたが、数年間登録を迷い、また登録した今でも、やっぱり若干の不安はあります。
でも、実際に登録し、その際に調べたことや経験をこうして書くことにより、少しでも多くの人が、骨髄バンクに興味や関心を持ってくれたら嬉しいと思いました。
関連ホームページ一覧
→骨髄バンクに関するあれこれが、漫画やアニメでわかりやすく解説されているサイト。
→まずはここから。
→非常に簡潔にまとまっています。