【インタビュー】障がい児育児をもっと幸せに!病児服販売「メデルミー」代表原村さんの思い

今回お話をうかがったのは、medel me(メデルミー)代表の原村綾さんです。

2019年9月から病児服の販売をされている原村さんは、現在6歳になる障がいのあるお子さんのママでもあります。

「障がい児に関わるすべての介護者の方のストレスをなくして、「障がい児育児」をもっとラクに、もっと幸せなものにしたい。」という想いをお持ちの原村さん。

数年前はとにかく育児に必死で、心から笑うこともできなかったそうです。そんな中、どうやってその困難を乗り越えたのでしょうか?

インタビューでは「自分を大切にする」ということについて熱く語ってくださいました。原村さんの信念、またメデルミーに込めた想いをぜひご覧ください。

メデルミーに込めた想い

みどり
メデルミーっていい響きですよね。名前の由来は何ですか?
原村さん
「愛でる」+「ミー(me)」で「自分を大切にする」という想いを込めています。経験上、自分を大切にすることが結果的に子どものためになると感じているので、病児服を通してお母さんたちに「自分を大切にする」ことを伝えられたらなと思っています。

ブランドロゴのパイナップル
花言葉は「完全無欠」「あなたは完璧」
何を足さなくてもあなたも子どももそのままで完璧、というメッセージが込められています。

みどり
育児をしていると子ども第一に考えて自分のことを後回しにしてしまうお母さんが多いですよね。原村さんが「自分を大切にする」と思えたのは、どんなきっかけがあったのでしょうか?

病児服を作るきっかけ

原村さん
きっかけは息子の着替えでした。
息子は生活に全介助が必要な重症心身障害児です。先天性の難治てんかんがあり、筋緊張が強く、着替えが特に大変です。
4年程前、当時は訪問看護やショートステイなども利用しておらず、知り合いもほぼいない地域でひとりで子育てをしていました。
みどり
ほとんど知り合いがいない場所での障害児育児、心細そうです…お子さんとの二人きりで、日々のケアをどう乗り越えて行ったんですか?
原村さん
とにかく必死でした。当時(4年前)は軽くうつ状態で、心から笑えませんでした。「息子と一緒に消えてしまいたい」と思ったこともあります。
もともと我慢強い性格だったのもあり「大変」「助けて」が言えず、親だから母親だから、とずっと我慢していました。
みどり
誰にも言えずひとりで抱え込んでいたのですね。
原村さん
ある日、ひとりでお風呂で息子の服を脱がせようとしたときに、腕が服に引っかかってしまったんです。着替えってちょっとしたことかもしれませんが、食べ物で汚れて着替えて、って1日に何度もしていると「わたし1日何してたんだろう」と思ってしまいますよね。

そのときも急に涙が出てきて「何で私一人でやっているんだろう」「もしかしてすごい大変なことしているかも」ということに気が付きました。
それで、着替えが楽になるような病児服を作ろうと思ったんです。

違和感に気づけるようになった

みどり
自分の気持ちに気付いたことが、メデルミー立ち上げにつながったのですね。そこには何かきっかけがあったんですか?
原村さん
友人の紹介で、あるブロガーさんの講演会に参加しました。その講演会は「自分を大切にすると周りも自分も豊かになる」という内容でした。
ハッとして、そこから自分の感じた違和感を少しずつ大切にするようになりました。
みどり
違和感…ですか。
原村さん
例えば、「トイレに行きたいけど、息子のこのケアをしてからにしよう」など自分のことを後回しにしていた、といった違和感です。
その違和感に気付くことで、「わたし今すごく大変なことをしている」と思えるようになりました。
みどり
違和感に気づけたからこそ、やりやすいようにする仕組み(=病児服)を考えられたんですね。こっちがお洋服に合わせるんじゃなくて、服がこっちに合わせるというように…
原村さん
そうですね。なんで私だけが頑張ってるの?もっと楽していいやん!って思うようになりました。

お母さんはラクって言葉を言いづらかったり、社会的に頑張らなきゃいけないと思われがちですよね。でも時代は変わってきています。わたしは息子との出会いでそのことに気が付きました。

1、2秒の「ああもう!」という小さなストレスが大きな疲労になります。
お母さんたちに、「本当は大変なことをしているんだよ」ということをメデルミーを通して知ってもらえたら…そんな思いがメデルミー立ち上げのきっかけとなりました 。

メデルミー病児服

メデルミー病児服(長袖)

メデルミー病児服(ノースリーブ)

メデルミーの病児服ができるまで

みどり
病児服にそのような想いがあったんですね。病児服の販売をどのようにはじめたのですか?
原村さん
実際に息子の服をハサミで切って、どこがどう開いたら着せやすいかを試したりしました。
20社ぐらい縫製工場にメールを送り、やっと返事をもらえた1社とやりとりしていたのですが、途中でやはり難しいかもといわれて……でもあきらめたくなかったので、次の日息子を連れていって、実際に服に袖を通すところを見てもらいました。
みどり
すごい!確かに、見てみないとと工場側も想像できないですもんね。
原村さん
息子をテーブルの上に乗せて、工場の方の前で「こうやって腕が引っ掛かるんですよ!」「みてください!これを毎日やってるんです!」って。そしたら「これは手伝わんといかんね」となりました。その工場には今もお世話になっています。

メデルミーのこだわり、思い

みどり
あきらめなかったんですね!メデルミーの病児服のこだわりはどんなところですか?
原村さん
まずは着せやすさですね。子どもにとってというより「介護者にとって」という視点です。それは、子ども中心が当たり前じゃないよ、「自分を大切にしよう」というメッセージも込めています。自分が元気じゃないと子育ても楽しくないですからね。

あとはデザインや生地、縫製にもこだわっています。生地はオーガニックコットンを使用していて、縫製は国産のハイブランド製品も扱う工場で丁寧に作っています。

 

みどり
先ほど「自分を大切に」ということをおっしゃっていた通り、商品にもその想いが生きているんですね。ご自身のつらい経験を乗り越えて、今度は病児服を通して人を助ける側に転換されていますが、どうしてそこまで頑張れたんですか?
原村さん
一番はわたしがそういう商品(病児服)を欲しかったから、ですね。その気持ちがなければ作れなかったと思います。「メデルミーの服があってよかった」と喜んでくれた方の存在もまた原動力になっています。すごく嬉しいですね。

オレンジとブルーの組み合わせが明るくてステキなHP

育児と仕事の両立の秘訣

みどり
病児服の販売にはたくさん工程がありますよね。育児をしながらお仕事の両立の秘訣は何ですか?
原村さん
息子が児童発達支援などに行っている時に集中して仕事をするようにしています。分けるということをすごく意識しているかもしれませんね。
以前は「わたしがやらなきゃ、そばにいなきゃ」と思いこんでいて、ほとんど息子を預けていませんでした。ですが、違和感に気づき我慢をやめるようになってから、徐々に息子を預けることができるようになりました。
みどり
では、息子さんと離れている時間にガーっと仕事をされるんですか?
原村さん
はい、1人の時のスケジュールは分単位でぎっちりしています。でも、夜に発作が続きどうしても眠れなかったときなどは、「今日は寝る!」と決めて休むこともあります。
みどり
「わたしがみなきゃ!」と思っていたところから、分けるということを意識して仕事ができるようになったのはどうしてですか?
原村さん
慣れですかね。「わたしがみなきゃ!頑張らなきゃ!」という今まで当たり前だった考え方を新しい考え方に変えていくために、実践しながら慣れていきました。

お母さんから同じような相談を受けたときは、「自分が楽しいことや自分がやりたいことを考えてください」と伝えています。主語を「自分」にすることが大事ですね。そこはしんどかった時と比べて変わった考え方だなと思います。

みどり
考え方が徐々に変わってきたんですね。
原村さん
そうですね。あとは預けるって信頼だと思うので、わたしは気になることは全部先生や看護師さんに伝えるようにしています。モヤモヤしているとお互いよくないので、伝えることで理解が深まると思っています。

全ては自分の考え方次第

みどり
原村さんのお話を聞いて、考え方が変わると人生もガラッと変わるんだなと思いました。
原村さん
まさにその通りです。すべては「自分の考え方次第」です。息子に障がいがあることと私が幸せであることは、全く関係ないと思いますね。昔はそうだと思わなかったですけど、今は全く不幸じゃないです。やっぱり主語が自分であるってすごく大事だなと感じます。
みどり
子育てだけでなくその他すべてのことに共通する考え方ですね。
原村さん
そうですね、本人が変わりたいと思わないと変わらないので、わたしは発信していくのみだなあと。メデルミーの商品をきっかけに、ラクしていいんだということに気づいてもらえたら嬉しいです。
みどり
ステキなお話をありがとうございました!

medel meについて

代表責任者:原村 綾

ホームページ:http://medelme.com/

インスタグラム:https://www.instagram.com/medelme/?hl=ja

Facebook:https://www.facebook.com/medelme410

Twitter:https://twitter.com/aya_medelme

メールアドレス:info@medelme.com

電話:090-9652-0926

編集後記

自身の経験から「自分を大切にする」という思いを込めて商品を作っている原村さん。インタビューを通じて、わたし自身も前向きにものごとを考えていこうと元気をもらいました!
この記事を読んでいただいてるみなさんも、ぜひ一度自分を主語にして、楽しいことや本当にやりたいことを考えてみてくださいね。

ライター紹介

山本みどり

2014年看護師、保健師免許取得。2019年よりライター活動開始。
大学病院小児科、保育園、小児訪問看護ステーションでの勤務経験あり。
 
「その子らしい成長・発達をサポートする」をモットーに、日々看護師として働きながら執筆活動を行っています。

自サイト「Kids care(キッズケア)」にて、子どものケアについて発信中。

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