この記事は、アンリーシュパートナーズ様(毎月定額寄付)の提供記事です。
礒田 敦嗣 様よりご支援をいただき、完成いたしました。
日頃より貴重なご支援を賜りまして、ありがとうございます。
はじめまして、早川瑛一郎と申します。
今年の5月に一念発起して、北海道から東京に引っ越して来ました。
これから自立を考えている方や自立は難しいのではないかと感じている方へ、僕の体験を知っていただきたいと思っています。
年 齢 :23歳
病 名 :デュシェンヌ型筋ジストロフィー
電動車いす・呼吸器を使用しています。
家族構成:両親と7つ上の姉、6つ上の姉の5人家族です。
趣 味 :パソコン・ゲーム・アニメ監督
経歴
僕は北海道で生まれ育ち、1歳の頃、筋ジストロフィーと診断されました。
小・中学生の頃
小学校は、特別支援学級のない学校へ通っていました。小学校2年生になった8歳の頃、歩くことが難しくなり車いすを使うようになりました。12歳の頃には電動車いすを使用していました。
中学校は、特別支援学級のある学校で普通学級に通っており、14歳になると呼吸器をつけるようになりました。この頃から車いすも大型になり、学校生活が難しくなり不登校になっていきました。
不登校になってからは、インターネットでできた友だちと一緒にゲームをしたり、株取引などをしていました。
23歳の頃、東京へ上京しようと準備をはじめます。
現在の状況
2024年5月から東京で一人暮らしをはじめました。
現在は、24時間ヘルパーさんに入っていただいて生活しています。全部で5事業所を利用しており、15人ほどのヘルパーさんが入っています。
月に4回ほど、ヘルパーさんに2人ついていただいて外出をしています。医療的ケアが必要な場面もあるので、訪問介護・訪問診療なども利用しながら生活しています。
一人暮らしへの想い
将来は実家を出て同じ市内での生活ぐらいしか考えてなくて、東京に出るなんて考えは今まで全くありませんでした。
転機となったのは、体調を崩して2週間ほど入院をしたときでした。
体調は回復し退院できたのですが、入院中つきっきりでケアをしてくれていた母が、体調を崩してしまいました。
それまでは家族のケアが中心の生活か、病院や施設に入所する2択しかないと思っていて、母のケアに依存した生活を送っていました。しかし母が体調を崩したときに、母が倒れたときは自分の生活も一緒に崩れてしまうという恐怖を感じました。
これから母が体調を崩したり、もしものことがあったとしても、1人で生活ができるように自立しなければと強く思いました。
・姉が2人とも首都圏に住んでいたこと
・東京の方が介護サービスや障害者向けサービス、手当が整っていること
そして何より、都会への憧れと初めての土地へ挑戦してみたかったのが大きいです。
呼吸器をつけた息子が東京へ…母の想い
【早川さんのお母さんからのメッセージ】
「東京で一人暮らしをするから」と聞いた時の気持ちは、「驚いた」としか言いようがありません。息子の将来や自分たち家族の今後のことを考えることがあっても、そんな選択肢が思い浮かんだこともなかったからです。
頭の中には「おら東京さ行くだ」の一節が繰り返し流れていました。「東京へ出だなら 銭こぁ貯めで 東京でベコ(牛)飼うだ⋯⋯」
東京にでたからといって、できることは変わらないのではないか?
結局は「東京でベコを飼う」ために行くような滑稽なことなのではないか?
そんな疑問ばかりが浮かんでいました。
息子の話を詳しく聞いているうちに、希望通り東京へ出してやりたいと思うようになりましたが、24時間生活介助の必要な我が子を放り出すような、そんなことが許されるのだろうか……
親としてあまりにも無責任なのではないか……という罪悪感にも苛(さいな)まれました。
首都圏に住んでいる姉娘が弟の気持ちに寄り添って、道を切り開こうと必死に頑張る姿を見て、私も応援していこうと決心することができました。
たくさんの方々が親身に支えてくださり、息子の東京での生活は成り立っています。本当にありがたいことと思い、日々感謝をかみしめながら、息子の無事を祈っています。
引っ越して思ったこと
僕のような障がいがあって、北海道から東京への引っ越しという類をみない体験をしてみて、『やる気があれば、諦めさえしなければ、なんとかなるんだな』と感じました。
今までの生活に綱渡りのような危うさがあり、それを支えてくれていた母への感謝を感じました。そして今、たくさんの人に支えられ一人暮らしができています。
時代が少し違うだけで引っ越しはおろか、自分らしい生活を送ることも難しかったでしょう。
どんな障がいがある人でも、自分らしい生活がおくれる世の中になってほしいと思っています。
今後やりたいこと
外出の機会を増やしてインターネット上の友達とあったり、同じような障がいを持つ人とも交流をして、コミュニケーションの場を増やしたいと思っています。
また、得意なパソコンなどを駆使して仕事をしたいと考えています。
これまでは就労支援事業所でパソコンを使って働いていたので、そこでの経験やパソコンスキルを活かした働き方を見つけたいです。
筋ジストロフィーで車椅子で生活をしています。2024年から立川市で一人暮らしを始めました。
インターネットやパソコンを駆使して自分らしく生活を送っている姿をお伝えしたいです。