この記事は、アンリーシュパートナーズ様(毎月定額寄付)の提供記事です。
益田大介 様よりご支援をいただき、完成いたしました。
日頃より貴重なご支援を賜りまして、ありがとうございます。
歯科治療はこまめに通わないといけないし、長引くイメージありませんか?
移動の難しい医療的ケア児にとっては、悩ましい問題です。
今回はそんなお悩みを解決できる『訪問歯科』について実際に利用している方の体験談をもとに、まとめてみました。
目次
どんな人が利用できるの?
通院困難者ならOK
身体が不自由な方や障がいがある方で、通院が困難な方を対象としており、年齢や病気の認定など関係なく利用できる医療です。
自宅や施設、病院に歯科医師や歯科衛生士が訪問してくれます。
費用
訪問歯科の費用は、医療費保険や介護保険を使用することができます。
小児慢性特定疾患での適応は、特定の疾患名があれば適応されます。例えば、スモン病や全身性エリテマトーデスなどがこれにあたります。
ただし、指定難病名だけで保険適応になるわけではないので、一度相談してみるのもいいでしょう。
場合によっては保険診療の対象となるのを知っていますか?
噛み合わせは、成長や栄養摂取、運動機能にまで影響を及ぼすとても大切なものです。
障がいや病気のあるお子さんを専門で診ている歯科医院もあるので、探してみましょう!
ただし、訪問歯科で矯正治療を行うのは難しいかもしれません。
定期的な検査や相談は、訪問時でもできそうなので利用してみるものいいでしょう。
訪問歯科ってどんなことしてる?
今回は、アンリーシュフレンズのあおいちゃんの体験談を元にまとめてみました。
抜歯もしました。乳歯がグラグラし始めると麻酔をして抜いていました。嚥下が難しく誤嚥が心配だったり、気管切開をしてからは、抜けた歯が気管口にポロッと入ってしまわないかなど、いろんな心配をしていました。それでも結局、2本の歯が行方知らずなんですが(笑)
麻酔は苦いので、あおいちゃんはいつもしかめっ面をしていたそうです。
簡易的なレントゲンも撮ってもらえるのですが、あおいはもともと1本歯が足りないそうです(汗)普通の人でもあることらしいのですが、そのおかげで大きな大人の歯になっても、なんとか歯並びも悪くならずにいます。
ただ今の心配は、犬歯が歯茎の上の方から生えてこようとしていて。唇が傷ついたり、何か影響を与えてくると処置が必要なようです。
虫歯の治療なども口をずっと開けていられないだろうから、病院になるのかなぁ…その辺りが心配です。
すべての処置を訪問歯科でできる訳ではないですが、日々の口腔内のケアや歯の成長を診てもらえるのは、本当に助かりますよね。
嚥下リハビリ
STによる嚥下リハビリ
言語聴覚士STは、「言葉」「聴覚」「嚥下」などをみてくれる専門家です。
訪問のSTさんによる嚥下リハビリもあります。
特に飲み込みは誤嚥などが心配なので、プロの方に日常的に訓練してもらうのもいいでしょう。
アイスマッサージ
嚥下リハビリの中で、「アイスマッサージ」というものがあります。
口腔内に冷たい刺激や触覚を刺激することで、嚥下の反射を促します。
綿棒に子どもの好きな味をつけて、刺激してみるのも良いですよね。ちょっとした楽しみの時間にも繋がりそうです!
食前の「嚥下体操」や「唾液腺マッサージ」
食前に「嚥下体操」や「唾液腺マッサージ」をすると、唾液の分泌を促せたり、顔の筋肉が鍛えられ飲み込む力を育てることができます。
どんな人にも当てはまることなので、みんなで一緒にやるのも良いですね!
そもそも胃ろうっ子に口腔ケアは必要?
口腔内にはたくさんの細菌が存在します。『歯周病がさまざまな病気を引き起こす』ということを聞いたことがあるかもしれません。
胃ろうをしていると唾液が減るということもいわれています。この唾液、多くても少なくても厄介なものなので、唾液の質や量で歯石の出来やすさが変わります。
歯石ができると虫歯が出来やすくなったり、歯周病の原因にもなります。
逆に唾液が少ないと、口腔内が乾燥し細菌が繁殖しやすくなったり、唾液による洗浄・抗菌効果が薄れ、口腔内の衛生状態が悪化することがあります。
お口から食べないから「大丈夫!」は危険信号です!
まとめ
訪問歯科の制度は、まだまだ知られていないのではないでしょうか?知っていても、お年寄り向けのサービスと思っている方もおられると思います。
実は診察対象者が幅広く、利用しやすい制度です。
歯や口腔内のトラブルは、病気ととても密接に関わってきます。「通うのが大変だから」という選択にならないよう、検討してみてくださいね。
アンリーシュ運営メンバーとして活動。
兄と妹、真ん中に13トリソミーの医療的ケア児、葵結(あおい)を育てる3児の母。
医療的ケア児を育てながらお仕事を。在宅でも出来る活動にチャレンジ中!!