お子さんに何らかの障害があると診断された場合、ほとんどの方が主治医から リハビリ テーションを受けるよう指示されるのではないでしょうか。
今回はこのリハビリテーションの超基礎用語である「PT」「OT」「ST」についてご紹介します。
「PT、OT、STって何?」という方はもちろん、「なんとなく知っているけどPTとOTの違いはわからない・・」という方、「とりあえずリハビリを受けているけど何をやっているかよくわからない!」という方は是非参考にしてみてください!
目次
リハビリ の基礎用語「PT」「OT」「ST」ってなに?
皆さんがこの先出会うリハビリテーションは、主に3種類あります。それが、「PT」「OT」「ST」です。それぞれ、
- PT=Physical Therapy:理学療法
- OT=Occupational Therapy:作業療法
- ST=Speech Therapy:言語聴覚療法
という意味です。
文脈によっては、
- PT=Physical Therapist:理学療法士
- OT=Occupational Therapist:作業療法士
- ST=Speech Therapist:言語聴覚士
と、それぞれのリハビリテーションを実施するセラピスト名を指すこともあります。
詳しくはこれ以降説明していきます!
「PT」とは?
PTとは、理学療法(Physical Therapy)、もしくは理学療法士(Physical Therapist)のことを指します。脳性麻痺などの脳疾患で座ったり歩いたりといった運動に制限がある場合、ほとんどの方が受けるであろうリハビリテーションです。
主に、座る、立つ、歩く、などの「大きな動作」の獲得を目指し、動作練習や環境設定をすることが専門です。
「OT」とは?
OTとは、作業療法(Occupational Therapy)、もしくは作業療法士(Occupational Therapist)のことを指します。こちらもPT同様、ほとんどの方が出会うであろうリハビリテーションです。
大きな動作を専門とするPTに対して、OTでは主に、「文字を書く」「スプーンを持つ」「靴下をはく」などの「小さな動作」の獲得を目指し、動作練習や環境設定をすることが専門です。
また、動作練習だけでなく、コミュニケーションや遊びの発達などの「精神発達」を専門としているという特徴もあります。
自閉症、ADHDなどの発達障害のリハビリテーションは主にOTが担当しているので、身体障害と合わせて精神発達面にも心配事がある場合は、OTに相談してみましょう。
「ST」とは?
STとは、言語聴覚療法(Speech Therapy)、もしくは言語聴覚療法士(Speech Therapist)のことを指します。
こちらはもしかするとPT、OTよりも出会う頻度は少ないかもしれません。
「Speech」とあるように、話すことをはじめとした、コミュニケーション能力の向上を専門としています。
また、口の機能を専門とすることから、「食べ物の飲み込み」など食事に関連するリハビリも担当しています。
リハビリ どんなことをするの?
次に、各リハビリテーションでどんなことをするのか、ざっくりと紹介します!
1.評価
PT・OT・ST共通して、リハビリテーションがスタートしたら、まず「評価」というものを受けます。
これは、リハビリのメニューを立てるにあたって、いま子どもがどんな能力を持っていて、どんな能力を獲得できそうか、どんなことに困っていてどんな支援が必要か、調べる作業です。
診断名、画像所見、体の状態など医学的な情報だけでなく、子どもの好きなことや苦手なこと、ご家族の介護負担や自宅の環境など、普段のお子さんの生活情報を踏まえてリハビリテーションの目標とメニューを立てます。
つまり、お子さんがまだ幼かったり、意思疎通が難しかったりする場合は、親御さんからの情報提供がとても重要になります。
リハビリテーションがスタートしたら、普段のお子さんの生活の様子や困りごと、リハビリテーションに期待することなど、遠慮なく伝えましょう!
2.介入
評価が終わりリハビリテーションの方針が決まると、早速介入開始となります。
ここからはPT・OT・ST別に介入例をご紹介します。
あくまでも例であり、介入内容はセラピストによって大きく異なるので、リハビリを受ける際の参考程度にお読みください!
◆PT
- 筋緊張緩和:麻痺が強いお子さんは、座る、立つなどの動作の前段階として、麻痺を弱める介入をすることがあります。うつ伏せなど姿勢変換をしたり、マッサージをしたり、ストレッチをしたりすることが多いです。
- 姿勢保持練習:座る、立つ、などの姿勢を保持する練習をします。
- 移動練習:寝返り、肘ばい、歩行、車いす操作など自分で移動する練習をします。
◆OT:
- 手指の基本動作練習:手指を使った生活動作を練習する前段階として、積み木やパズルなどのおもちゃを用いた遊びを通して、手を使う練習をすることがあります。一見遊んでいるだけに見えることもありますが、握る、つまむ、手を伸ばす、などの基本的動作が含まれる遊びに取り組んでいるはずです。
- 書字練習:ペンを持つことから始め、線を引く、曲線を描く、字を書く、など段階を追って練習します。
- 更衣練習:靴下をはく、上着を脱ぐ、などの着替え動作を練習します。
- 食事動作練習:手づかみ食べ、スプーン使用、はし使用などお子さんにあった食事方法を練習します。
◆ST:
- 食べ物の形態の提案:お子さんの嚥下能力に合った食べ物の大きさや形状(普通食、刻み食、ミキサー食、など)を提案します。
- コミュニケーション練習:苦手な音を練習したり、発語が難しい場合は絵カードやタブレットなどの代替手段を提案したりします。
◆番外編:
PT、OT、STを通して、訓練だけではなく、能力を補うための「自助具」や「装具」といったお子さんオリジナルのアイテムを作成することがあります。
例えば、OTで指一本一本の細かい動きが苦手なお子さんに対して、握りやすい柄のスプーンを作成したり、PTで椅子に座るのが不安定なお子さんに対して、胸ベルト付きの椅子を作成したりします。
なんでも作ってもらえるわけではありませんが、もし必要なアイテムやこんなものあったらいいなあ、と思うアイテムがあれば、遠慮なく相談してみましょう!
◆OT:作業療法。食事、更衣、書字といった「細かい動作」と、「発達障害」を担当
◆ST:言語聴覚療法。話す、飲み込むといった「口周りの動作」と、「コミュニケーション」を担当
リハビリ テーションを受けるときに知っておいてほしいこと
最後に、リハビリテーションを受けるにあたって、覚えておいていただきたいことがあります。
それは、リハビリテーションの究極の目的は「生活の質(専門用語でQOL:Quality Of Life)を上げること」、これに尽きるということです。
なぜこれを覚えておいていただきたいかというと、どうしても最初は子どもの「できないこと」に目がいってしまい、「歩けない子を歩けるようにすること」「しゃべれない子をしゃべれるようにすること」など、「普通の子どもになること」を目的としてしまう方が少なくないからです。
もちろん、「普通の子ども」になってほしい気持ちは自然ですし、それを否定するつもりはありません。
筆者も理学療法学生時代に、障害を持った子どもをいかに「普通の子どもに近づけるか」、考えていたこともあります。
しかし、必ずしも「普通に近づけること」=「生活の質を上げること」ではありません。
二本足で歩くのが苦手だったら歩かなくてもいい、しゃべるのが苦手だったらしゃべれなくてもいいんです。
100人の子どもがいたら100人の移動の仕方、コミュニケーションの仕方があっていいんです。
車いすを使ったって、絵カードを使ったって、移動はできるしコミュニケーションはとれます。それで子どもたちが笑って生きていければ十分ではないでしょうか。
「普通」にとらわれず、子どもの持っている能力を最大限引き出し、その子らしく生きていく方法を探るのが、小児リハビリテーションだと筆者は思っています。
とはいえ、お子さんの障害を認知していく中で、悲しいことも落ち込むこともたくさんあると思います。それはごくごく当然のことです。
でも、普通にとらわれない多様な生き方を模索する過程には本当にいろんな学びがあって、一喜一憂、試行錯誤していくうちに、お子さんも親御さんもきっと、今より幸せになっていけると信じています。
お子さん、ご家族、医療スタッフ、みんなで手を取り合って、ゆっくりゆっくり、時には立ち止まりながらも、少しずつ歩いていきましょう!
リハビリ用に、フロアに敷くジョイントマットがおすすめです!
ジョイントマットは、一つ一つが大きい方が、掃除の時なども楽だと言われます。こちらは大きさもあり、防音性もしっかりしていて、お値段もお手頃なのでおすすめです。
- 大きさ:58cm(サイドパーツを含めた大きさ)
- 厚さ:1cm
- 床暖房対応:使用可(推奨温度70度以下)
- セット枚数:16枚(3畳分)
- 素材:樹脂
防音効果が非常にしっかりしており、国内の第三者機関で防音性能検査を受け、遮音等級が2番目に高いΔLL-4等級と評価されました。
このΔLL-4等級は、人が走り回る音や飛び跳ねる音が、「聞こえるが、気にならない程度」の音まで遮音されているレベルになります。
さらに、こんなかわいいお子さん用のバランスボールはいかがでしょうか😊リハビリにも使えますし、お家にあったら楽しくなっちゃいますね!
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