医療現場において、点滴や栄養チューブなど各種のチューブを患者に接続します。その際に「経腸栄養剤を誤って点滴ラインに注入してしまう」といった医療事故が世界で増加していると報告され、製品の相互接続を防止するコネクタの制定が進められました。日本でも、経腸栄養製品のコネクタが全国で変更になり、今まで使っていた黄色いシリンジや注入ボトルが紫やオレンジ色のものになりました。
目次
新規格製品
コネクタの形状
新規格の製品はオスメス逆転の誤接続防止コネクタとなっています。静脈注射や点滴などのコネクタと逆方向になっています。カテーテル側がオス型、シリンジや注入側がメス型となっています。
また、接続部はスクリュー式のロック機能が付いていて、接続が外れなくなったことにより旧規格製品より安全に栄養注入ができるようになりました。
変換コネクタ
従来の旧規格コネクタから新規格コネクタの移行期間では、旧から新、新から旧への変換コネクタが2種類あります。医療機関により支給される所もあるようですが、支給されない場合は個人での購入もできるようなのでチェックしてみてください。
新規格を使用した医ケア児家族の声
どちらの注入物品が使いやすいですか?
むらさきシリンジは、チューブとシリンジの接続部分の掃除が大変という意見が多くあります。皆さん接続部分が汚れないように、シリンジの先端まで注入物を満たさずにしてシリンジ先端を拭き取って注入をしたり、ハブラシを使い接続部分を洗うなどされています。
注入時にシリンジの先端まで注入物を満たさずに、先端は少し空気がある状態で注入して、接続部分をあまり汚れないように工夫されているご家庭も多くいました。
掃除用のジョイフィードENスワブで掃除をしている方もいますが、物品として支給されていない方も多いようです。
むらさきシリンジのゴムの劣化に気づいたことがありますか?
・むらさきシリンジすぐゴムの部分が固くなり劣化します。
・大体1週間くらいで滑りが悪くなって固くなっちゃいます。
・私が見つけたのは、ゴムの部分の削れがシリンジの中に入っていたり、新しいものを出したばかりなのにスムーズに動かず使い物にならない。
はじめからメモリが途中から消えていたり、ゴムの部分が最初から抜けかけていたりするものもありました。
・むらさきの物品しか使ったことがないのですが、胃管導入で入院した際に看護師さんからゴム部分が劣化するので、1週間で新しいものに交換するようにと言われました。
・数回使うとシリンジ内にゴムの破片がついていることがあります。これが体の中に入ったかも、と思って焦ったこともあります。
医療的ケア児家族の願い
新規格のむらさきシリンジができたことにより、医療事故やロック機能がつき安全に栄養注入ができるようになりました。
しかし、在宅での医療物品支給の数は少ないのが現状です。家庭で使用する場合は、医療物品を毎回新しいものに替えることができない・病院からの医療物品支給の数は決っています。
毎回交換してあげたくても、個人で購入するには高額なんです。医療的ケアは病院だけではなく、家庭でもおこなわれることが当たり前になってきています。
なので、家庭で医療的ケアがおこなわれていることも想定していただけるとありがたいな、と思います。
医療的ケア児家族が、毎日安心して医療的ケアができるように願っています。