医療機器を必要とする子ども達(医療的ケア児)は年々増加傾向にありますが、その存在の認知は追いついていません。
幼稚園、小・中・高等学校に在籍する医療的ケア児等の推移も、平成30年は974人だったのに対し令和1年は1,122人となっています。
進学先も特別支援学校だけでなくその子に合わせた選択をする例が増えてきました。
そんな背景を受けて、アンリーシュでは二枚目の名刺との共同プロジェクトをスタート。(アンリーシュONELOVE)
医療的ケア児の認知向上を目的に、小学生を対象にした授業プログラムの作成を行いました。
道徳の授業で医療的ケア児を題材に
5月20日(金)埼玉県戸田第ニ小学校の 6年生を対象に、医療的ケア児の認知向上を目的とした授業を行いました。
道徳の時間を利用し、授業テーマは「やさしい人になるには」。
胃ろうをしながら普通小学校に通うあいちゃんの日常を動画を通して知りながら
✔胃ろうって何だろう
✔あいちゃんがクラスにいたら、どんな事が一緒にできるかな?
✔もし自分に胃ろうがあったら?
などの問いかけを対話を通して行いながら、「違いを認めるとはどういうことなのか」「優しい人って何だろう」と子どもたちが考えるきっかけになりました。
1人の女の子の日常生活から感じる
授業はオリジナルの動画教材を活用しながら進行していきます。
まずはクラスで「自分はどんな人ですか?」「どんな人になりたいですか?」というアンケート実地。
なんと44%の子どもが、優しい人になりたいと答えていました。
という先生の一言とともに、胃ろうを使っている小学校3年生のあいちゃんが画面に映し出されます。
この子はどんな子なんだろう?と子どもたちで話し合うも、まだまだどんな子供か分かりません。
じゃああいちゃんの事をもう少し知ってみよう!
と動画の続きが流され、あいちゃんが胃ろうを使っていること・胃ろうについての紹介へと進んでいきます。
胃ろうを使ったあいちゃんにどんな事ができるかな?あいちゃんは何が難しそうかな?という先生の問いかけに
ジャングルジムや鉄棒は難しそう
困っていることがあったら声をかけたい
など、たくさんの声が上がりました。
優しさとは何か?
胃ろうを使っても元気に遊んでいたり、食べられる分だけのご飯は食べている様子を見ながら
「ジャングルジムできるんだ!」などといった素直な驚きの声が上がっていきます。
胃ろうがどんなものなのか・あいちゃんの日常や学校生活がどうなのかを知った子どもたちは最後に
もし自分が胃ろうだったら….と考えます。
✔自分でチャレンジすることを止めないでほしい
✔困ってそうだったら、声をかけてほしい
✔普通に接してほしい
といった、たくさんの声が上がりました。
最後に先生から
優しい人になるには、
①相手のことをより深く知ること
②相手の立場になって考えること
この2点が大切であること、そして違いを認めあって生活していくことの大切さについてのお話がありました。
先生の言葉とともに授業は終盤へ。
体験者からのメッセージ
最後にゲストスピーチとしてアンリーシュ代表の金澤から、直接子どもたちへメッセージを伝えさせていただきました。
金澤は医療的ケア児の子供を6歳で亡くしています。
その体験から、元気に学校に来れることは当たり前ではないこと、そして私たちは皆いつか病気になったり、体力が落ちたりする。
もし自分がそうなっても、楽しく生きられる社会を創っていこうというメッセージを伝えました。
教員関係者/報道関係の皆様へ
NPO法人アンリーシュでは、医療的ケア児者に関する情報を、YouTubeやWEBメディア・SNSを通して発信しています。
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それでは、今日は1人の女の子を紹介します。