毎日、モニターの音に耳を澄ませ、たくさんの医療物品を管理し、役所や病院と交渉する。
医療的ケア児を育てる家族にとって、それは「あたりまえ」の日常かもしれません。 でも、その「あたりまえ」の中には、「すごい才能」がぎゅっと詰まっています。
「いつか、落ち着いたら働きたい」 「でも、今の状況じゃ、きっと無理…」
医療的ケアが必要な子どもを育てる日々のなかで、そうやって自分の願いに蓋をしてきた人は、少なくありません。24時間の緊張感、予期せぬ体調の変化、そして「社会との断絶」
ケアという尊い経験を「空白」ではなく「資産(キャリア)」として定義し直し、社会の資源として循環させていく、日本の『働く』を根底からアップデートする挑戦をアンリーシュはおこないます。
制約を強みに変えてきた医療的ケア児と、未来を創る企業が手を取り合う。 「働きたい」という当たり前の願いが、当たり前に叶う社会へ。
アンリーシュがこれまで出会ってきたステキな「暮らしのクリエイター」たちをご紹介します。
目次
【気づきのプロ】「もっとこうなればいいのに」を形にする力
純子さん・瑠美さん×製薬会社講演会
アンリーシュフレンズななみちゃんのママ純子さんと、アンリーシュフレンズふうちゃんのママ瑠美さん。
2人は製薬会社様への講演会に、何度か登壇させていただいています。
医療的ケア児の子育てをし、社会と繋がることが少ないママたちにとっては、スーツを着た大勢の社員の方の前で話をすることは、並大抵のことではありません。
しかしながら、この2人には現状を知ってほしいという強い気持ちがあります。
当事者家族の声を企業様に聞いていただける機会は、とても重要です。
また当事者・当事者家族のことを想い、日々薬の開発などに携わってくださっている方達が居ることを知れる機会も、とても重要です。
両者にとって、価値があるこの機会は「本当の使いやすさ」「真の想い」を伝える合うことができます。それは、誰もが使いやすい商品(ユニバーサルデザイン)を社会に循環するための最高の資産なのではないでしょうか。
【伝えるプロ】「想い」で人を動かし、味方を増やす力
恵美さん×大学講演の事例
アンリーシュフレンズのあいちゃんママ恵美さん。恵美さんは、精力的に外部への講演会に参加しています。
アンリーシュフレンズのあいちゃんは動ける医療的ケア児。色々な社会参加への課題があります。そんな娘の現状をもっと知ってほしい!と、これからの社会をつくっていくであろう学生さんへ訴えかけます。
「医療的ケアというものを初めて知った」「在宅での医療的ケアの知識を身につけたい」と学生さんから感想をいただいており、社会に「医療的ケア」を広める活動をしています。
娘の将来のために……その真っ直ぐな想いを言葉にして、味方を増やしてきた恵美さん。
あいちゃんは現在、地域の中学校に病弱児級を新設してもらい、楽しく通っています。
医療的ケア児家族の声は確実に社会に届いています。そして社会もこういった声に真剣に向き合おうとしています。
医療的ケア児家族の「助けて」に対し、「支えたい」という支援者の想いが確実に広まっています。
【つくるプロ】道がないなら、自分で切り拓く力
みどりさん×スイッチおもちゃの事例
近年、医療的ケア児や障がい児に向けた支援機器が発展しています。
発達の遅れを伴うことも多い医療的ケア児。
イマイチ反応がない…肢体が不自由なためうまくおもちゃで遊べない…そんな悩みを抱えるご家族も多いのではないでしょうか。
そんなお子さんに急速に広まってきたのが、支援機器の存在です。
「テクノロジー」という言葉は、現代では「IT」や「最新メカ」と同じ意味で使われがちですが、本来はもっと広くて、「人間の願いを叶えるための『知恵』や『手段』の体系」を指すこともあります。つまり、支援機器は「制約を突破して、自由を取り戻すための武器」とも言えるもの。
そんな武器が発展しているのに、特異性の強い医療的ケア児にとって、どの支援機器が最適なのか……外出の難しい医療的ケア児にとっては、支援機器に触れる機会が少ないことこそが課題です。
それなら見よう見まねで作ってみよう!と立ち上がったのが、アンリーシュフレンズひかりちゃんのママ、みどりさんです。
この能力は、ものづくりの資産へと繋がるのではないでしょうか。
我が子のため、まさにユーザー目線をしっかりと捉えた立派な資産だと言えると思います。
【守るプロ】どんな時も「備え」を忘れないリスクヘッジ
防災についての投稿事例
アンリーシュではたびたび防災についての投稿をしてきました。
医療的ケア児は、災害時に被害者になりかねないこともあり「災害時要配慮者」に該当します。
台風が来たら? 停電になったら?
医療的ケア児とその家族にとっての「備え」は、命を守るための最低限のラインであり、同時に、極限状態を生き抜くための「究極のリスクマネジメント」です。
また災害時に関わらず、医療的ケア児家族は24時間、在宅にて素人だけの医療的管理をおこなっています。そこには常に最悪の事態を想定し、先回りして準備する。この「危機管理能力」は、どんな社会においても重要な視点となるのではないでしょうか。
【希望のプロ】分かち合いと未来の道具を育てる力
ひなくん福祉車両・座談会の事例
アンリーシュフレンズのひなくんが紹介してくれた福祉車両のYotutube動画や、Way➕プロジェクトの企画で行った「であい工房」さんとの座談会。そこにあるのは、「私たちが毎日を楽しく過ごすための、生きた知恵と仲間への共有」です。
「こんな福祉車両があって、こんな使い方が出来るんだよ!」「バギーのこの部分、こうだったらもっと楽なのになぁ」
その声は、同じ道を歩む仲間にとっては何より心強いガイドになり、道具を作る企業さんにとっては、新たな希望を満たすヒントになります。
「こんなことで困っているのは私だけかな?」と思うような小さな不便。でも、それを言葉にしてみると、「私もそう思ってた!」と共感が広がり、新しい工夫が生まれます。
私たちが発信する使用感やアイデアは、同じ空の下で頑張る仲間の毎日をちょっとだけ軽くするもの。みんなの「これ、いいよね!」を積み重ねていくことで、これからの社会が変わってきます。
そしてそれをキャッチしてくれる企業さんもたくさんいます。
家族のリアルな声に耳を傾け、一緒に「どうすればできるのか…」と語り合ってくれる企業さんの存在は、私たちにとって大きな希望。そうして生まれた「優しい道具」は結果として、世界中のたくさんの人を笑顔にする力を持っています。
不自由をただただ受け入れるのではなく、仲間と分かち合い、作り手へ届ける。この「対話から新しい価値を生み出す力」は、これからの社会をより良くしていくための、とても大切な力(キャリア)だと私たちは信じています。
まとめ
ケアは「空白」ではなく、最強の「キャリア」になります。
「子どものケアで、仕事から離れてしまった」 「履歴書の職歴が止まったまま……」
もし、そんなふうに感じている方がいたら、どうか自分自身の毎日をもう一度見つめてみてください。
医療的ケア児家族には、社会をアップデートする力があります。 あなたの培ってきた知恵や感性は、決して「自分たちだけのもの」ではありません。それは、同じ道を歩む仲間の明日を照らし、企業の製品を優しく進化させ、日本の「働く」という概念そのものを書き換えていく、大きな社会の資産となり得るのです。
「働きたい」という当たり前の願いを、社会の「当たり前」へ。 アンリーシュは、皆さんが持つこの「ケアの力」を信じ、共に新しい未来を創っていくパートナーであり続けたいと思っています。

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アンリーシュ運営メンバーとして活動。
兄と妹、真ん中に13トリソミーの医療的ケア児あおいを育てる3児の母。
医療的ケア児を育てながらお仕事を。在宅でも出来る活動にチャレンジ中!!