医療的ケア児が着れる衣装を作って写真撮影を簡単に!〜他業種から参入できる支援〜

この記事は、アンリーシュパートナーズ様(毎月定額寄付)の提供記事です。
みっちゃんママ 様よりご支援をいただき、完成いたしました。
日頃より貴重なご支援を賜りまして、ありがとうございます。

Gorimama Studioのオーナーカメラマン、ゴリママさんは支援の必要なお子さまのために様々な活動をしています。
今回はゴリママさんの活動をご紹介しながら、他業種が参入することで広がる支援について考えていけたらと思います。

ゴリママさんのお人柄は、こちら

 

医療的ケア児用衣装ブランド「NOERU WINGS」

ブランド構想

医療的ケア児用衣装「NOERU WINGS」の構想は、病院でのボランティア活動に興味をもったところから始まります。
入院しているお子さんの中には、プレイルームに行くこともできない子やバギーに15分すら座っていられない子も居るという現状を知りました。

そんな子どもたちを撮影するには、『簡単に着られる衣装を作るしかない!』『バギーから一度も降りることなく着れる衣装を作りたい!』
最初は漠然としていた妄想のような事が、言葉にして表に出すことによってどんどん前へ進んでいきます。

医療的ケア児用衣装「NOERU WINGS」

こだわり

衣装のイメージは初めから浮かんでいたそうです。
こだわり抜いた衣装は、こちらの動画をご覧ください。

ゴリママさん
選べることが少ない支援が必要なお子さんでも、色々選んでもらえるように工夫しています。衣装以外にもバギーのベルトが見えない工夫や、バギーを隠すためのカバーなども用意しています。
Tomoko
バギーを隠せるのは良いですね!結構存在感があるので、気になっていました。
ゴリママさん
だけど、私たちは最初からバギーカバーがありますよ!とはお話ししません。
バギーは今まで一緒に歩んできた大切なものと考えている方もいらっしゃいます。そんなご本人やご家族の気持ちを知ることは、とても大切だと考えています。カバーを掛けるか掛けないか、決めるのはお客さまだと思っています。
Tomoko
確かに、医療的ケア用品や福祉用具ってなくてはならないもので、それを否定したい気持ちと、否定せずにいたい気持ち色々あると思います。そんなところまで配慮してくださるのは、とても嬉しいです!

Gorimama Studio撮影

 

クラウドファンディング

衣装の制作をするため、ゴリママさんはクラウドファンディングに挑戦します。
目標金額を大きく超え、クラファン達成!!

しかし、このクラウドファンディングで集まった資金は、最初の一歩にしかなりませんでした。衣装を揃えていくには、もっともっとお金がかかることが知ったゴリママさん。
その一方で、ある想いに気づくこともできました。

それが写真業界の中には、同じように思っているカメラマンがたくさんいるということ。

支援が必要なお子さんを撮ってあげたいけれど、どうやって撮ったらいいのか分からない。どのような配慮が必要なのか、そもそもそういう方との繋がりもない中で、いきなりお客さんとしてステキに撮ってあげられるのだろうかと悩んでいる人がいることを知ります。

Tomoko
クラファンは、どんな方達が支援してくださったんですか?
ゴリママさん
当時、医療的ケアが必要なお客さまはあまりいなかったので、同じ写真業界の人やお客さま、プライベートなお友達や私が趣味でやっている音楽業界のつながりの方達でした!
Tomoko
当事者はぜひ衣装作って欲しい‼️という希望があるから、クラファンに参加する人もいると思うのですが、特に関わりはないんだけどという方達の応援は、当事者家族としてもすごく嬉しいです!

趣味である「音楽」を楽しむゴリママさん

活動の広がり

業界最大スケールの「PHOTONEXT2023」に出展

ゴリママさんに「セミナーをして欲しい!」という声が掛かり、写真業界最大スケールのイベント「PHOTONEXT2023」に衣装の展示とセミナー開催で出展しました。

Tomoko
皆さん、どんな反応でしたか?
ゴリママさん
去年と今年出展せていただいたんですが、去年のセミナー参加者は50人程度で、皆さん遠巻きに見ている感じでした。しかし今年のセミナーでは90人ほどの方が参加してくださって、増設する騒ぎに。すごく前のめりな参加者さまもいて、泣いている方もいらっしゃいました。

今後もセミナー講師や座学会などを開催して欲しいという声が上がり、支援の必要なお子さんたちにどう対応していけば良いのか、カメラマンの皆さんへ向けてセミナーや撮影会などを開催されています。

ポータルサイトの開設

支援が必要なお子さまを撮影しているスタジオと出張カメラマンを無料で検索できるサービス『NOERU WINGS』の運営もされています。(*写真館の掲載も無料で行っています)

Tomoko
なぜこの検索サイトを作ったのですか?
ゴリママさん
医療的ケア児のご家族は撮影所まで行けないと諦めている方が多いのではないかと感じていました。だから「近くにあるオシャレな写真屋さんを紹介したい!」という思いから開設を決めました。

こうゆう写真館があることは誰かに届かないと意味がないので、ポータルサイトを通して知っていただけると嬉しいです。

ポータルサイトでは、ゴリママさんのZoom面談やカメラマンさんの想いをしっかり受け取った上でサイトに載せているそうです。「本質に愛がある上で、この事業に参入してもらいたい」とゴリママさんは言います。

Tomoko
ポータルサイトの良さを教えてください。
ゴリママさん
まず支援が必要なお子さんって、問い合わせすること自体にハードルがあると思うんです。嫌がられないかなぁ…どう説明したらいいのかなぁ…って。ポータルサイトはすでに受け入れる体制の人たちの集まりですから、そこで問い合わせ自体のハードルが下がると思います。そこの気楽さを感じて欲しいです。
Tomoko
予約の電話って意外と勇気がいるんですよね。まず最初の話で相手の声のトーンが変わります…きっぱり断るわけにもいかないだろうから、双方のモヤモヤした感じは私も感じてきました。

ぜひお近くのおしゃれな写真館を探してみてくださいね。
NOERU WINGS

 

活動の姿勢

つなげる役割になりたい

ゴリママさんの趣味は「音楽」
音楽業界に精通しているゴリママさんの周辺には、福祉業界だったり教育関係者だったり、たくさんの音楽好きの人たちがいます。

バンドでイベントをする時、「このイベントは小児がんの子どもたちに寄付をします!」と伝えるそうです。違う業界がこういったイベントを開催することで、一般の人が自然と小児がんのお子さん達と関われるようになります。
もちろん当事者の方たちが開催しているイベントも素晴らしいのですが、「小児がんのイベントをやっているのを見たことはあるけど、全く関わりがないから入っていくにはちょっと…」という方がいるのも事実。
イベントに参加しているだけで、自然と支援に関わっているという環境をゴリママさんは作っています。

ゴリママさん
自分だっていつ交通事故で体が動かなくなるかもしれない、決して人ごとではないんです。だからこそ「当事者の方」と、「今は関係ないと思っている方」をつなぎたいんです。
Tomoko
どうしても当事者だけでかたまってしまうと、傷の舐め合いというか、グチの言い合いというか(笑)そうゆうことになっている時もあると思います。当事者の枠を出るのも必要だなと思います。

「バービー人形にダウン症の子がいたり、機関車トーマスにも自閉症の子がいる、多様性が当たり前の時代になっている。その人の力が活かせる場所に居れる社会を作っていくべきだ」とゴリママさんはお話ししてくださいました。

色んな人が色んな人を知ってもらえる機会を作っていきたいと活動されています。

Gorimama Studio
医療的ケア児用衣装ブランド『NOERU WINGS』
ゴリママさんのインスタ

https://www.gorimama-studio.com/noeru-wings%E3%83%BB%E8%AC%9B%E5%BA%A7/

医療的ケア児用衣装ブランド「NOERU WINGS」

 

まとめ

私も当事者家族と困り事や悩みをたくさん共有してきました。気持ちを分かってくれるし、当事者家族の情報量は素晴らしい!と感じることも多くあります。しかしそこだけでは解決しない部分もあって、モヤモヤすることも。
社会の色んな人と情報を共有するだけで、色々なアイディアが生まれると思います。
アンリーシュも『医療的ケア児家族と社会をつなぐ架け橋に』なれるよう発信を続けていきたいと思います。

tomoko
ライター:tomoko
アンリーシュ運営メンバーとして活動。
兄と妹、真ん中に13トリソミーの医療的ケア児、葵結(あおい)を育てる3児の母。
医療的ケア児を育てながらお仕事を。在宅で出来る活動にチャレンジ中!!

医ケア家族を寄付で応援する!【サポーターズ体験記】


 

この記事が参考になったら、以下のボタンよりシェアをお願いします