『写真を諦めている家族を減らす!』医療的ケア児家族が安心して記念写真を撮れるように

この記事は、アンリーシュパートナーズ様(毎月定額寄付)の提供記事です。
キイロミント 様よりご支援をいただき、完成いたしました。
日頃より貴重なご支援を賜りまして、ありがとうございます。

皆さんは子どもの記念撮影、どうしていますか?
お宮参りや七五三、入学式……

医療的ケアがあると、せっかくのお祝いごとでもハードルが高くなることがあります。
今回はそんな記念撮影について「赤ちゃんからお年寄り、支援が必要なお子さんのその人らしい表情を撮りたい!」というカメラマン、ゴリママさんにインタビューさせていただきました。

この記事を読んで写真撮影に行ってみませんか?

ゴリママさんのプロフィール
【お名前】:ゴリママさん
【職業】:京都府伏見区の隠れ家的写真スタジオ 『Gorimama Studio』のオーナーカメラマン

 

支援が必要なお子さんとの出会い

Tomoko
支援が必要なお子さんの写真撮影も積極的にされてますよね?
何かキッカケがあったのですか?
ゴリママさん
もともとダウン症のお子さんと触れ合う機会が多くて、とにかくカワイイと思っていました。支援学校の教員免許も持ってるんですよ。

自宅の離れに写真スタジオを作り、現在はGorimama Studioのオーナーカメラマンとして、赤ちゃんからお年寄りまでその人らしい表情を撮りたいと「悔いのないように生きる!」をモットーにステキな写真を撮り続けています。

 

病気を乗り越えるためにも楽しみを

Tomoko
医療的ケアが必要なお子さんとの出会いもあったのですか?
ゴリママさん
小児がんになったお子さんが何人かおられました。その子たちから、入院している病院の子が退屈しているという話を聞きました。

その病院では、NPO法人のボランティアさんや病院に入院していた子ども達のママがボランティアで入っていたそうです。
病院によって、ボランティアの活動具合が違うことを知ったゴリママさんは、「日常に楽しみがないと闘病生活を乗り越えられないのでは」と思い、すでに活動をしていた団体に「何かさせて欲しい!」と直談判したそうです。

そこでプレイルームにすら行けないお子さんや、15分しかバギーに座れないお子さんがいる現状を知り、そんな子達でもすぐに着れる衣装があったらと思うようになりました。

病院での活動はコロナをきっかけにストップしてしまいましたが、ゴリママさんの想いは、そこからさらに広がっていくことになります。

 

Gorimama Studioについて

自分の写真スタジオをもつことになった時に考えたビジョンが、

Gorimama Studioのビジョン
オリジナルの衣装を作って、支援の必要な人たちが、他の人たちと同じように楽しく撮影できるようにしたい!
一瞬で着せることができたらご家族の負担も減り、着物を着ることにハードルが高いママたちも一緒に家族写真が撮れる、そんな写真スタジオを作りたい!

妄想でしかなかった事を言葉に出して言ったら、「出来るかも!!」と思うようになったそうです。
ずっと「誰かのために何かをしたい!」という気持ちを持ち続けていたゴリママさんは、導かれるように活動を続けています。

Gorimama Studio
医療的ケア児用衣装ブランド『NOERU WINGS』
ゴリママさんのインスタ

https://www.gorimama-studio.com/noeru-wings%E3%83%BB%E8%AC%9B%E5%BA%A7/

医療的ケア児用衣装ブランド「NOERU WINGS」

写真を撮ることで心を支えたい!

ゴリママさん
うちのスタジオでは、衣装を年齢で分けないようにしています。
「3歳児」という表記ではなく「90㎝」といったようにサイズで表記しています。
Tomoko
どうしてですか?
ゴリママさん
成長は人それぞれです。
医療的ケアのお子さんも、昨日より今日の方が呼吸が楽になってるとか、1年前より成長があるのに、七五三などのお祝いの時って、他の子と比べてしまう時期でもあるんです。

「他の子だったら、歩くことができる年齢だよね」と思ってしまう親御さんもいて、記念日が他の子と比べる時期になってしまっていて、せっかくの記念日なのに、親御さんの気持ちが落ちているのを見てきました。
自分のせいでもないのに「あの時…」という後悔を行事のたびに思い出して、悩んでいるママもいました。

だけど私は、そのたびたび落ちてしまう気分を晴れやかにしてあげたい!と思っています。そのためにも、少しでもできる配慮をと思っています。

Gorimama Stuidioでは、「医療的ケア児のお子さんも撮りたい!」という他の写真館に向けて、イメージ写真を提供しているそうです。
そのモデルを引き受けてもらうのは、もちろん医療的ケア児のお客さま。

そんなお子さんに「〇〇ちゃん、モデルしてくれてる?」と声をかけることで、この子がやれることがあることを親御さんに伝えるようにしています。そうするとママの気分も一気にあがり、表情がぐんと晴れやかになります。

他にも、できない事を数えることが多い医療的ケア児のご家族が、なるべく選べる自由を得られるよう、ちょっとした工夫をしているそうです。

ゴリママさん
うちの衣装は、被布のボタンが磁石になっており、自由に柄が選べるようになっています。少しでも選べる自由を体感して欲しいんです。
Tomoko
確かにコレは無理だなと削除して選ぶことが多くなってる気がします。被布のボタンが選べるのはすごく嬉しいですね!

Gorimama Studioで撮影するアンリーシュフレンズあいちゃん

 

『写真』はわたしに与えられたツール

Tomoko
ゴリママさんにとって『写真』とはなんですか?
ゴリママさん
私は神様から与えられたツールだと思っています。
誰にでも生きていくためのツールを一つは持っています。私はこの『写真』というツールを使って、皆んなが喜んでもらえることができたらと思っています。
Tomoko
とっても素敵なツールですね!これからどんな喜びを作っていきたいですか?
ゴリママさん
『写真を諦めている家族を減らす!』という想いで、写真スタジオをやっています。
実家に帰ってきたような安心感、「おばあちゃんちに行ってきたよ!」と言われる存在になりたいですね。

それからパパやママにも綺麗な衣装を着てもらって、一緒に写してあげたい。
どうしても写真を撮る時はパパやママが後回しになってしまって、医療的ケアがあるからお子さんの面倒を「私がしないと!」と思っている親御さんが多い気がします。そんな親御さんに「お子さん見ておくから、好きな衣装選んでおいで!」と言ってあげられるようになりたいんです。

Tomoko
とても温かい場所ですね。
娘の医療的ケアが始まってまだ慣れない頃、写真を撮りに行ったことがあるんですけど、『自分がしっかりしないと写真館に迷惑をかけてしまう』と思い、汗だくで撮影を見守っていたのを思い出しました。
看護師さんや身内ですら、怖くて見れないと言われることもあるので、「ちょっとみておくよ!」という言葉をかけてくれるだけでも、本当に心強いです!

 

 

まとめ

医療的ケアの事を理解しようとしてくれるだけでも、私たち医療的ケア児家族にとっては頼もしい存在です。
私が写真を見た時に、まず最初に湧き上がる感情はいつも「カワイイ!」です。その時にどれだけ大変な医療的ケアがあったとしても、まずは「カワイイなぁ」という想いが湧き上がってきます。
キレイな服を着て、ステキに写真を撮ってもらう事で、さらにその想いが増幅するのではないでしょうか。

ゴリママさんは、この写真館での実績をもっと多くのカメラマンさんに広げるべく、様々な活動をされています。それはまた、次回の記事で紹介したいと思いますので楽しみにしていてください。

tomoko
ライター:tomoko
アンリーシュ運営メンバーとして活動。
兄と妹、真ん中に13トリソミーの医療的ケア児、葵結(あおい)を育てる3児の母。
医療的ケア児を育てながらお仕事を。在宅で出来る活動にチャレンジ中!!

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