私の娘は病名不明の 医療的ケア児 です。
もうすぐ5歳になりますが、呼吸も食事も医療機器に助けられ日々を過ごしています。
私達は去年まで大学病院の小児病棟で約3年間の長期入院生活を送っていました。3ヶ月〜半年で退院する家族が多い中、長期化する入院生活で特に辛いと感じたのは、「同じ病気の人と気持ちを分かち合えない」「治療の見通しがつかず常に手探りなこと」でした。周りは同じ病気同士でお友達を作ったり患者会に入会する中、孤独感と情報不足に苦しみました。
一方で入院生活の長期化に比例し多くの病気・疾患で苦しむ子供やお母さん、その家族と関わることができました。
大学病院での入院生活や医療的ケアが必要な子供を育てているという点では私の方が経験が豊富だったので、気がつけば多くのお母さんやその家族から様々な相談を受けていることに気が付きました。
時にそれは病棟での困り事であったり、医療的ケア児を育てる不安な気持ちだったり、また退院後の生活や将来への不安など私自身も悩み苦しんでいる問題も多く、各個人でクリアできる範疇を超えているものも多くありました。
そこで、私は入れ替わりが激しい入退院患者をライングループで繋ぎ、助け合うことを思いつきました。
具体的には誰かの退院が近くなったら、すでに退院したお家を見学に行き、退院後の不安払拭に努める。
四季折々のタイミングでパーティを企画しオフラインでの交流を深める。各居住区における福祉制度や役に立ちそうなイベント情報を共有する。そんな活動をしているうちに、私の孤独感と情報不足は薄らいでいきました。
「医療的ケア児とその家族が病名や疾患を超えて困りごとを解決しあえたり、色んな共通点で繋がれる場所があれば、どんな珍しい病気の人も笑顔になれるのではないか」この想いが私の原体験です。
医療的ケア児の家族が繋がるネットワークを作る。
そしてそれを発信する事で、社会への啓発や医療ケアがある子供達が生きやすい環境作りを進めていきます。