【パートナーズインタビュー】動ける医療的ケア児みづきちゃん 〜ご家族の想い〜

今回は、アンリーシュ設立当初からパートナーズとして
アンリーシュを支えてくださっています智絵さんをご紹介します。

2回に分けてお届けする今回のパートナーズインタビュー。
1回目は「動ける医療的ケア児のみづきちゃんについて」

医療的ケア児といえども、元気に動き回れる我が子にとっては
まだまだ理解が追いつかない社会があると
智絵さんは話してくださいました。

みづきちゃんの自己紹介

みづきちゃんは、先天性心疾患で在宅酸素を必要としています。
何度も心臓の手術を繰り返した頑張り屋さんで、
発達や体の成長は平均的。
現在年中さんで、看護師の居る地元の保育園に
元気いっぱい通っています。

みづきちゃんのプロフィール

【お名前】  :みづきちゃん
【病名】   :先天性心疾患
【主な症状】 :酸素低下
【医療的ケア】:在宅酸素

みづきちゃん

 

病気を知るタイミング

みづきちゃんの病気を知ったのは、まだお腹の中にいる時。
すぐに大学病院を紹介され、そこから智絵さんの葛藤の日々が始まります。

智絵さん
辛い時期でした…
みづきの上にお姉ちゃんもいたので、その子の事も気になっていました。

どのくらい入院しなきゃいけないのか、どうゆう状態で生まれてくるのかもわからず、「あなたの子は心臓病です」「手術が必要です」と言われ、不安が積み重なり先が見えなかったですね。

Tomoko
うちの子は生まれてから病気が発覚したんですが、確かにお腹にいる時からどんな状況か分からないって、苦しいですよね。
智絵さん
それぞれ違う辛さがありますよね。
でも、みづき的には生まれる前に分かって良かったんです。すぐ処置をしてもらえるし、万全の体制で出産にのぞめたので。

 

動ける医療的ケア児の課題

みづきちゃんは、医療的ケア児の受け入れが進んでいる県内でも中心的な保育園に入る事が出来ました。
前例もあり、受け入れもすんなり進んだそうです。

酸素と共に生活すること

Tomoko
どんな感じで保育園に通ってるんですか?
智絵さん
1対1で先生が付いてくれて、1.5ℓの酸素ボンベを先生が背負って一緒に動いてくれています。小学校ではこれが出来なくなるだろうなと思っているので、小学校に上がるまでには酸素から離れられると良いのですが。
Tomoko
酸素ボンベって、教育の場では受け入れのハードルが高いイメージがありますが…
智絵さん
医療的ケア児の受け入れが進んでいる地域なので、大丈夫だったんですが、小学校になるとどうなるかな….という不安がありますね。病状的にも酸素が取れても良い頃なので、クリアになると良いなぁと思っています。
Tomoko
周りのお友達の様子はどうですか?危ないことなどはありませんか?
智絵さん
必要とする酸素量が多かったので、本当は酸素濃縮器を置いて欲しかったんですが、やはり他のお子さんがつまづいたりすると危ないからということで、先生が酸素ボンベを背負う形になりました。
でも子ども達も年中さんぐらいになると「コレ、みづきちゃんのチューブね!」と言って、チューブをくぐったりしています。子ども達は柔軟で、とても配慮が出来ているんです。
Tomoko
周りのお子さんが、みづきちゃんの事をちゃんと認識し、それが当たり前だと受け入れられてるのが、教育の面からみてもとてもステキな事ですね。
智絵さん
色んな子がいる環境はプラスだと思います。普通に受け入れられる環境が色んなところで整ってくれると良いなと思います。
Tomoko
おうちではどうしてるんですか?
智絵さん
酸素濃縮機を利用しているので、ソファの周りを走り回ってチューブが絡まったりしてますね。「自分で戻してね!」って言ってます(笑)

 

3人目を決意した理由

みづきちゃんは、姉と弟の3人きょうだい。
病気が見つかったみづきちゃんの後に、きょうだいを望んだ智絵さんの想いをお聞きしました。

Tomoko
うち場合も2番目が医療的ケア児で、下にもう一人妹がいるんです。3人目をと考えた時に、すごく覚悟がいったんですが、どうでしたか?
智絵さん
みづきの病気は就労は出来るかもしれないけど、やっぱり普通の子と同じような生活は難しいかもしれないと考えた時に、きょうだいで支えてほしいなという気持ちは芽生えました。

みづきの病気のことがあったから大学病院で検査をしてもらい、「心臓は大丈夫そうだね」と言われたんですが、「でも生まれてみるまでは分かんないからね」「無事に生まれてきても、そのあと何かあるかもしれないしね」と言われました。

その言葉を聞いて、「とりあえず今のところは元気そうだから大丈夫か…」と思いましたが、不安はずっと付きまとってました。

Tomoko
未来に何があるかなんて誰も分からないですよね。

 

 

母の想い

お話をしていても、すごく前向きで明るい智絵さん。

下のお子さんがお腹にいる時に、みづきちゃんの手術が決まり妊婦のまま付き添い。
みづきちゃんの主治医にママの体調を心配されたり、コロナ禍で手術に踏み切るのが大変だったり、下のお子さんが生まれてからもたくさんの事をご家族で乗り越えてきたそうです。

智絵さん
一番辛かったのはみづきがお腹にいた時で、色々あってもう一周回っちゃって。これを乗り切ったから『なるようにしかならない!』と思えるようになりました。
Tomoko
一周回っちゃったんですね(笑)
動ける医療的ケア児のお子さんってまだまだ課題が多いように思うんですが。
智絵さん
みづきが持ってきてくれた縁だと思っています。マイナスには捉えてなくて。
でも確かに、動ける医療的ケア児は「医療的ケアが必要」と言ってもなかなか響かないんですよね。結局は「でも動けるんですよね?じゃぁ、お母さんがみてあげてください」って言われるんです。元気だから他の子と遊ばせてあげたいけど、感染症が怖くて遊ばせてあげれない…
動ける医療的ケア児は外とのつながりも多く、選択肢が増えるので、どう進むべきか悩みます。

動ける医療的ケア児と重度心身障害児の医療的ケア児は、同じ悩みもあれば違うものもあって、なかなか同じ土俵で考えるのも難しいなと感じています。

改めて、動ける医療的ケア児の課題が浮き彫りになりました。
一見元気そうに見える医療と共に生きている医療的ケア児のお子さんにも
自分らしくいられる社会が整うことを願うばかりです。

智絵さんのインスタはこちら

アンリーシュについて

アンリーシュとの出会い

地域の子育て支援団体が医療的ケア児の会を作りたいからと、みづきを誘ってくれました。
そこで、こうゆうサークルがある事を知り、医療的ケア児について調べるようになり、アンリーシュを知りました。

代表の金澤さんの魅力に惹かれたのもありました。
とてもパワフルで、ここまでの活動ができているのは彼女の力が大きいと思います。

これからのアンリーシュに望むこと

立ち止まらずに、次から次へと活動を当事者や家族のために続けている姿勢に共感しています。

就労に関して発信しているのを見て、私はお仕事を渡せる側として参加できるのではないかと思いました。ゼロイチで声を上げるのは難しいですが、誰かが声を上げたものに関して、私が協力できることをやっていきたいと思っています。

これからもどんどん進んでいってほしいなと思っています。

【セミナーのご案内】働きたい人大集合!!自分の強み、ぴったりのお仕事を一緒に見つけませんか?

まとめ

動ける医療的ケア児のお子さんへの理解は、まだまだ難しい課題も多いと思います。
医療と近い場所に居ながらも、社会の中に溶け込まなくてはいけない部分に
多くの問題が発生するのではないかと思います。

『共に自分らしく生きられる社会へ』
みづきちゃんが医療と向き合いながら、お友達と楽しく過ごせるよう
アンリーシュも応援しています。

tomoko
ライター:tomoko
アンリーシュ運営メンバーとして活動。
兄と妹、真ん中に13トリソミーの医療的ケア児、葵結(あおい)を育てる3児の母。
医療的ケア児を育てながらお仕事を。在宅で出来る活動にチャレンジ中!!

医ケア家族を寄付で応援する!【サポーターズ体験記】


この記事が参考になったら、以下のボタンよりシェアをお願いします