サチュレーションモニターとは

(読み方)さちゅれーしょんもにたー

 

解説

 

サチュレーションモニターとは人体の酸素飽和度を測定する器械です。別名パルスオキシメータ―とも呼ばれています。

 

酸素飽和度とは
酸素は英語でoxygen化学記号O₂、飽和度は英語でsaturation、経皮的に(皮膚を通して)は英語でpercutaneous。

これらを合わせて略して病院では「SpO₂(えすぴーおーつー)測って!」「サチュレーションいくつ?」などの言葉が飛び交っています。

耳にしたことがある病児のご家族もいらっしゃるかと思いますが、これらは全て「酸素飽和度」を意味しています。

呼吸を通して身体に取り込まれた酸素は、血液中のヘモグロビン(血色素)と呼ばれる成分と結合して、全身に運ばれます。この結合の割合をパーセンテージで表したものが酸素飽和度です。つまり、酸素がヘモグロビンに結合している割合が高ければ全身に滞りなく酸素がいきわたっていることの目安になります。逆に割合が低ければ、身体に酸素が不足していることを意味します。

酸素飽和度の正常値は95%~99%とされています。

 

人体と酸素の関係

生命が維持されていくためには、身体の隅々まで酸素が行き渡っていることが必要です。通常、私たちは口や鼻から空気を吸い込み、それが肺に届き、肺から血管を通して血液中に酸素を取り込みます。全身に張り巡らされた血管はすべての細胞に酸素を行き渡らせます。何らかの病気や障害によって、この酸素を全身に供給する行程が妨げられると、酸素不足となった臓器は活動が低下し、長引けば生命の危機につながります。特に脳などは、全身の酸素供給量のうち25%ほどを、その活動に必要とします。脳は身体全体の働きを司る指令塔です。重篤な低酸素状態では脳がダメージを受け、その結果あらゆる臓器に障害が波及する恐れがありますので、速やかに医療処置を受ける必要があります。

 

サチュレーションモニターの構造

一口にサチュレーションモニターといっても、病院で使用される大掛かりな機器から、在宅療養で使用される簡易モニター(指先に洗濯ばさみのように挟む小型の物)まで、さまざまな種類があります。

いずれも原理は同じで、器械から発するLEDライトを皮膚に当てることで、酸素と結合したヘモグロビンの赤色の度合いを検知しています。酸素を運ぶのは動脈血なので、脈拍(動脈の拍動)も同時に検知して、動脈血だけを測定する仕組みになっています。

図解にするとこんなイメージです。右側にあるように皮膚(この場合は指先)にLEDを充てます。

(イメージ)機器はこのような小型のもあります。

 

日本光電工業株式会社ホームページ「プローブ装着のポイント」より引用

https://www.nihonkohden.co.jp/index.html

 

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使用器機の選択

前項でもサチュレーションモニターにはさまざまな種類があることを述べましたが、医療的ケア児においては、器機のサイズや装着方法も吟味が必要です。

例えば1歳未満で病院から在宅療養に切り替わる場合、一般に市販されている洗濯ばさみタイプのモニターはサイズが合いません。4歳くらいからなら、手の親指で測定可能なサイズがありますが、病児の場合必ずしも年齢通りの体格であるとは限りません。重症児あるいは看取りを目的としての帰宅である場合は、24時間装着の持続モニターが一般的ですので、皮膚に負担のないソフトな装着器機が向いています。

その子の体格や病状にあった器機の選択が必要です。入院中から家庭に戻った時の療養を想定して、主治医や看護師、医療相談員と器機の購入について相談しておくとよいでしょう。

(イメージ)新生児用サチュレーションモニター(左のセンサーを右のモニターに接続して使用)

 

 

測定における留意点

本人は穏やかで様子が変わらないのに異常値が出る、もしくは測定値がうまく出ない場合

  • 身体に装着するセンサーが正しい部位にあたっていないとうまく検知できません。装着状態を今一度確認しましょう。
  • 測定している部位の冷えや圧迫などによる阻血がある場合。温めたり、血の巡りをよくしたりしてから再度測ってみましょう。
  • センサーの汚染や劣化により、正しく測れないことがあります。器具の清掃や交換頻度をよく確かめて使用しましょう。
  • 重症児では体位を変えるなど少しの動きで数値が下がることがあります。動き終わって30秒ほど待ったところでの数値を確かめましょう。

 

センサー装着部位の皮膚トラブル

  • 24時間持続モニターを使用しているお子様は、粘着剤による皮膚のかぶれ、ベルト式なら圧迫による皮膚損傷、まれに電熱による低温やけどなどの危険性があります。適切な交換方法や皮膚のケアは看護師が詳しいので、ご家庭でも訪問看護を利用して、一緒にケアを行うとよいでしょう。

 

測定値が正常なのに、本人が苦しそうな様子を示している場合

  • サチュレーションモニターで測定できるのは酸素飽和度と脈拍数だけです。例えば病状によっては、血液中の二酸化炭素濃度が上昇する場合があります。この場合、モニターは正常値を示していても、苦しげな呼吸となったり、頭痛が起こったり、血圧が上昇したりということがあります。ご家族が見ていて様子がおかしいと思ったときは、モニターを過信せず、主治医へ相談をしましょう。
  • 人工呼吸器を使用中のお子様は、サチュレーションモニターは正常値でも呼吸器のアラームが頻回に鳴る場合があります。原因究明が必要なので、訪問看護の緊急コールを利用しましょう。

 

主治医への連絡が必要な酸素飽和度の数値

普段の平均的な数値よりも3%~4%低下した場合は、病状の急性増悪が疑われドクターコールする目安になります。(一般社団法人 日本呼吸器学会が提唱する目安です)普段の平均的な酸素飽和度が97%だとしたら、93%~94%まで下降したらドクターコールということになります。前述(1)の状況がないのに数値が下降した場合は迷わずコールです。連絡の取りやすい訪問診療医が担当されている場合はダイレクトにコールが良いと思いますが、大抵の場合多忙で個々の患者様のコールには対応できないことが多いと思います。訪問看護の緊急コールを使うと、主治医へ緊急性の高さを通訳することができ、無駄な時間をかけず必要な対処を受けることができると思います。ぜひご利用ください。

 

 

出典

 

1.Q&Aと事例でわかる訪問看護 小児・重症児者の訪問看護,田中道子/前田浩利 編著,中央法規出版株式会社,2017.

 

2.病棟ナースのための人工呼吸器ここが知りたい!,エキスパートナース2017・11臨時増刊号,照林社.

 

参考資料

 

1.一般社団法人 日本呼吸器学会ホームページ「Q&A パルスオキシメータ―ハンドブック」

  http://www.jrs.or.jp/

2.コニカミノルタ株式会社「パルスオキシメーター知恵袋」

http://www.konicaminolta.jp/instruments/knowledge/pulseoximeters/