医療進歩、社会後手に。医療ケア必要な子 10年で2倍 (日本経済新聞)

家庭で日常的な医療ケアがいる子どもが10年前の2倍に増えた。受け入れる学校は少なく、保護者の付き添いがいるなど家族の負担は重い。

たんの吸引経管での栄養投与など日常的に医療の処置が必要な子どもがいる。「医療的ケア児」と呼ばれ、2016年時点の推計では約1.8万人。出生数が減っている中で10年前から2倍近くに増えた。

在宅医療では、気管を切開するとたんが詰まり呼吸できなくなるため、吸引が必要だ。多いときは30分に1回は吸引などをしなければならない。栃木県の調査では睡眠時間が5時間未満だという保護者は3割を超える。

保育所や学校はリスクを避けたがる。健常児と同じ保育所に預けられる自治体はわずか50程度。小学校に進んでも、親は登下校の付き添いと授業中の校内待機を求められることもある。

 

医療の技術の進歩によって難病を治療することができ、小さな命が救えるようになった一方で、日常的に子供たちの医療的ケアをする家族の負担が増えた。

家族の負担を社会で分散し、孤立することなく支え合えるための法律、施設、情報整備が遅れをとっている。

フランスでは障害児1人に対し学習指導員や心理学者、医師が連携して就学計画を立てる。障害児が通うのは原則、普通の学校だというが日本にその体制はほとんどない。

日経新聞によると、「健常児と同じ保育所に預けられる自治体はわずか50程度」とあるが、2018年の地方自治体の総数は1741だ。よって全体の3%にも満たない。

家族や支援者の生活は毎日続く。法整備や社会福祉制度が整うまで何もせずに待ってはいられない。同じ境遇にいる親・支援者同士で手をとり、助け合う動きもみられるようになってきている。ボトムアップとトップダウン両方向からこの現状を解決できるようになることを願っている。

 

(文・竹内真)