【作文】「絆ー夫へー」 あまね

【アンリーシュ作文コンテスト2020】開催中!

こちらのコラムでは、アンリーシュメンバーによる「私たちの絆」をテーマとした作文を連載していきます。

 

「絆 ー夫へー」

あまね

 

絆という言葉を思い浮かべた時に、色んな人が思い浮かびつつ、やっぱりこの人以外の選択肢はないなと。今日は夫について書こうと思う。

 

少し恥ずかしいけど、今日は私たち家族、特に夫との思い出を振り返りたい。

 

私たちの第二子の息子は、2019年8月26日に生まれた。

妊娠中に異常は見つからず、産後8日目に発熱し、病院で心臓の動きが悪いと言われ、救急車で運ばれてICUに入った。

 

「心臓の左心室が動いてない。心筋梗塞です。」

 

当時は、医者にそう言われてもよくわからなかった。

後でやっと理解できたが、息子は心臓の太い血管であるはずの冠動脈が非常に細く、左心室の外側の壁に血液が行き届かないために石灰化していた。

左心室は全身に血液を送る非常に重要な部分である。

数ヶ月後にセカンドオピニオンにも行き、さまざまな医師に意見を聞くと、よくこの状態で生きてる、まず産まれてきたことが奇跡だと言われた。

その時にだいぶ状況も飲み込めて受け入れられたが、息子が入院した当時は、絶望としか思えなかった。

何度も悪夢なら早く覚めてほしいと願った。

一生分泣いたと思えるほど涙が止まらなかった。

 

入院した次の日に容態が悪化して医者に呼ばれ

「もう生きられない。お別れを言ってください。」と言われた。

もう一緒にいられないのかと夜通し息子の手を握りしめていたが、なんとか容態が持ち直した。医者から状況を説明されて、少し落ち着いたから、とりあえず一回家に帰って休もうとなった。

 

病院から駅に向かう道中、横を見ると一緒に歩いていた夫が泣いていた。正直かなりびっくりした。夫は普段悲しみを表現することはほとんどなく、私の前で泣いたところは一度も見たことがなかった。

 

実はその涙を見るまでは、夫はきっと息子と別れることを、そこまで悲しんでないのではないかと思っていた。もちろん子供を失うのは悲しい、けど夫が息子と一緒に過ごした時間は非常に短い。世間から見たら、産後すぐに亡くなってしまうのは流産したようなもの、珍しくない話なのかもしれない。

きっと夫もそうなんじゃないか。私が感じてるこの悲しみを本当にわかり合えるのは誰もいない。私だけが暗闇のどん底の絶望を味わってると思ってた。誰も私の気持ちは理解できないと思っていた。

けど、今横にいる夫は一緒に悲しんでくれた。私達の息子がいなくなることを涙を流して悲しんでいる。 私だけが悲しいんじゃないんだ、夫も息子を愛おしく思い、生きて欲しかったと思ってくれている。

一緒にいられたのは短い時間でも、夫も私と同じく今絶望的な気持ちになり、息子を愛して思ってくれている。

私と同じなんだと気付き、思わず夫の肩に手を置いた。泣いてる人に向かって言うのも変だけど、ありがとうと言いたくなった。

 

その後、息子は何度も命の危機に直面するも奇跡を起こし続け、二回の手術を経て、なんと最後11ヶ月になる直前に家に戻ってきた。

 

私たち家族はこの1年で沢山の困難にぶつかってきた。難しい選択を迫られた時には、夫婦で話し合い、悩みながらも、2人が納得する道を選び、前に進んできた。息子が生まれてから悲しいことも沢山あったけど、その分幸せを感じることも沢山あった。家族4人みんなで支え合いながら今日も生きてる。

 

夫じゃなかったらきっとこんな風に思えなかったと思う。

私が大好きな息子や娘を一緒に目一杯愛してくれる、大事なパートナーであり、人生の先輩であり、尊敬する夫。

普段は照れくさくてなかなか言えないけど、いつもありがとう。本当に感謝しています。

何があろうと私たちは全力で息子と娘を守り愛していこう。

これからもよろしくお願いします。

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4 件のコメント

  • なんと言ったら良いのかわからないんだけれど、
    あたたかい文章で、愛にあふれていて涙が止まらなくて、この感情をどうしたら良いかわからなくてコメントをしています。

    だれしも生きていることは当たり前じゃないのに、当たり前だと思って生きている。
    そして人は一人でいきられなくて、気持ちを分けあって、支え合って生きているんだよね。
    周りへの感謝。愛情。日常の大切さ。儚さ。大切なことをわすれてはいけないね。

    身の回りも世の中も色々なことが起こるけれど、
    素敵な旦那さんと子供たちがいて、それを素直に表現できるあまねちゃんが強くて素敵だなと思います。

    綴ってくれてありがとうございます。

    • Haruちゃん
      コメントありがとうございます!そんな風に言ってもらえてとてもうれしいです。
      本当ですね、この1年間でたくさんのことを息子に教えてもらって、命の儚さ、人生は一度しかなくて有限なこと、人に支えられて生きてることとか、大切なことを身に染みて感じてます。
      家族で支えあって今があると私は感じているので、できれば息子にも私達家族の元に生まれてきてよかったと思ってもらえるよう、全力で愛してあげたいと思っています。
      こちらこそ、読んでもらって感謝です。ありがとう!

  • おふたりを少しだけ見てきた時があり、
    パートナーがあまねちゃんでなければ中野先生はこんな風に素晴らしい夫にはなれていないかも。。。
    と思ったりします。

    パートナーが中野先生だからこそ、あまねちゃんが素直に感謝の気持ちを伝えることができるのであり、パートナーがあまねちゃんだからこそ、中野先生は素直に悲しみを表現できているように思います。

    わたしも結婚生活が長くなってきましたが、夫婦がひとつのことに対してきちんと納得いくまで話し合うことって、実は難しいことも多いなと感じています。

    日本においてはなぜかいまだに妻が夫に従うべきと思っている人も多く、対等な立場で夫婦が納得いくまで話し合うことって、本当に難しく大変なこと。

    それができている あまねちゃんと中野先生だからこそ、お子さんも頑張って生きてくれている!

    そんなふうに感じています。

    素晴らしいご家族、ご家庭だなと思います。

    ステキな作文をありがとうございます。
    見習わせていただきます。

    • みゆきさん

      コメントありがとうございます!
      結婚前から見守っていただきそのような感想をいただいて、大変恐縮ですが嬉しいです(*^^*)照れますが笑、夫に読ませようと思います笑

      夫婦は他人なのでうまくいかないこともとても多いと思いますが、今は息子や娘の為に夫婦二人三脚で歩めていることは幸いよかったなと感じます。
      息子の幸せは何なのか、その為に私たちは何ができるのか、考え続けて歩んでいきたいです。
      これからも見守っていただけたら嬉しいです!
      今後ともよろしくお願いします。

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