EAファーマ株式会社様にて「医療的ケア児とその家族の生活」をテーマに社内研修を行いました

6月17日、エーザイ株式会社のグループ会社EAファーマ株式会社様の社内研修をアンリーシュ が担当しました。

EAファーマ株式会社様は「ヒューマンヘルスケア」(hhc)を経営理念に、ビジネス時間の1%を患者様やご家族と過ごすという取り組みを行なっています。

今回は「医療的ケア児とその家族の生活」をテーマに、講師にU-Rex  増子栄子さんをお招きし、医療的ケア児の家族の実態をお伝えし、抱えている課題の解決策を共に考える場を作りました。

多様な部署から12名の社員の方が参加し、それぞれの部署の視点から意見を出し、解決策を模索した濃い時間となりました。

【難病を支える】EAファーマ株式会社 hhc推進グループ 吉永 享史様インタビュー

医療的ケアを知ろう!

まずはじめに、医療的ケア児とはどんな子供達なのかをお話させて頂きました。

「医療的ケアという言葉、聞いた事ある方?」という問いかけに挙がった手は0…

まずは存在を知ってもらおう!と気合が入りました。

医療的ケアとは、病院で看護師さんが行うような処置を自宅で本人や家族が行う事を指します。

少し難しく感じるかもしれませんが、実はとても身近な存在です。

例えば、今日本の死因第1位はがんで、3人に1人はがんでなくなると言われています。

私たちが食道癌になって、口から食べる機能を失ったら「胃ろう」という胃に小さな穴を開けたり、血管にチューブを埋め込んだりして、そこから栄養や水分を補給しながら自宅で生活するようになるかもしれません。
これはまさしく「医療的ケア」の一つです。

医療の進歩によって、今まで病院で行なっていた処置が自宅でできるようになってきました。

自宅で生活できる喜びがある一方、医療ケアを本人・家族が担わなければならないケースが増えています。

医療的ケアは、私たちの身にもいつでも起こりうる可能性があるものです。

医療的ケアは近年テレビなどでも取り上げられつつありますが、その中でも特に注目されているのが、医療的ケア児と呼ばれる子供の医療的ケアです。

人工呼吸器や吸引などを行いながら生活している子供の実態をお伝えし、そういった子供たちは医療機器だけでなくお薬によっても支えられている事をお伝えしました。

医療機器に触れよう

次に実際の医療機器を体験するワークの時間です。

まず、6人づつのグループになってもらい医療機器の写真と説明を組み合わせる「医療機器カルタ」を行いました。

「これは口に当てるマスクがついてるから、呼吸関係かな?」などたくさんの予想が飛び交いました。

会場を自由に歩いてもらい、医療機器を観察したり、娘が実際に使用している様子を観察したりしながら、どんな用途で使われる医療機器なのか、真剣に話し合い写真と文を組み合わせていきます。

さすが製薬会社の皆さん。2グループとも全問正解でカルタは終了しました。

答え合わせが終わった後は、娘に医療機器を使っている様子を見て頂いたり、医療機器に触れながら質疑応答の時間を設けました。

「災害時の対応は?」

「持ち運びはどうしているのか?」

「医療機器は購入なのか、レンタルなのか?」

などたくさん疑問が飛び交い、医療的ケア児の生活の様子を具体的にイメージしてもらえる時間になりました。

患者家族の生活に共感する

休憩を挟み、後半の時間がスタート。

患者家族の体験と抱えている課題について知っていく時間です

まず初めに、私(金澤)の娘を産んでから今までの治療の経過と患者家族の感情の変化をお話しました。

私と娘は病名がつかない中、3年間の入院生活を送りながら手探りの治療を続けてきました。初めて医療的ケアを行なった時の受け入れがたい気持ちや、余命宣告された際の家族の過ごし方など、その時の気持ちを出来るだけリアルに言葉にして伝えていきました。

同時に医療的ケア児を育てる中で感じた課題も共有していきました。

次に、U-Rixの増子栄子さんから訪問看護という医療従事者の立場から、在宅の医療的ケア児の実例をお話頂きました。実際に訪問する中で大切にしている患者家族への寄り添いの気持ちやサポートの方法などをお話頂きました。

解決策を模索する

最後に研修全体を通して感じた患者家族の課題をそれぞれのグループで付箋に書き出し、自社で出来る解決策をグループで話し合い発表しました。

1つ目のグループは孤独感や情報不足・行政サポートの不足・家族の負担など様々な課題を洗い出し、それぞれに対する解決策をまとめていました。

もう1つのグループは患者家族の「不安」に焦点をあて、それによって起こる問題点を書き出し、自社でサポートできることを発表してくれました。

両グループとも自社だけでなく、行政との協力などといった幅広い視点での解決策が見られ、聞いている私もハッとするような意見が飛び交いました。

グループワークの後はさらに、個人として出来る事を書き出し、「明日からできる行動」を共有し、4時間に渡る研修は終了しました。

患者さんの想いに共感し、共に生きる社会を作る

様々な疾患を持つ患者様の想いに共感し、共に解決策を導き出していく事を大切にしているEAファーマ株式会社様。

今回の研修では医療的ケア児とその家族の生活を知りながら、患者家族の想いに触れる時間を大切にしました。

新しい事実を知る事。
相手の気持ちに寄り添う事。
共に生きる方法を考え実践していく事。

今回の研修では、病気・障害を持って生きる人が暮らしやすい社会をつくるための鍵となるワードがいくつも出てきました。

私自身も得られたヒントを活かし、それぞれの立場から医療的ケア児とその家族が暮らしやすい社会を目指し行動していきたいと思います。

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